テラーノベル
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朝。
柔らかい音楽で目が覚める。
桃:……あ
天井。
見慣れた低い天井。
——あ、ここだ。
水:おはよ、桃くん
桃:……おはよ
もう、抵抗しなくなった自分に
少しだけ、胸が痛む。
赤:体調どう?
額に手を当てられる。
桃:大丈夫だよ
本当に。
ここに来てから、無理はさせられていない。
ーーーー
紫:今日は昼から収録ね
紫がタブレットを操作する。
紫:桃は声出しだけでいい
桃:……わかった
反射で返事が出る。
——普通だ。
まるで、これが当たり前みたいに。
緑:着替え、これにしよ
緑が用意した服。
桃桃の好み、完璧。
桃:ありがとう
言ってから、気づく。
——外じゃ、こんな風に選んでもらってなかったな。
黄:朝ごはん、食べさせるね
スプーンが口に入る。
桃:……ん
抵抗しない。
嫌じゃない。
それが、怖い。
ーーーー
収録が終わる。
拍手は、五人分だけ。
紫:今日もよかった
赤:さすが
水:かわいかったよ
緑:無理してない?
桃:コクッ…
黄:えらいね
桃:……ありがとう
胸の奥が、少し温かくなる。
——愛されてる。
確かに。
ーーーー
夜。
照明が落ちて、静かになる。
拘束は、軽い。
動けないけど、痛くない。
桃:……ねぇ
全員が、すぐ反応する。
紫:なに?
桃:もし……外に出たいって言ったら……
空気が、止まる。
赤:言わないよね?
優しい声。
水:外、怖いでしょ?
緑:ここ、落ち着くよ
黄:俺たちいるし
桃:……うん
そう答えながら。
(——嘘)
みんなが部屋を出たあと。
一人になった瞬間。
桃は、天井を見る。
桃:……ここが普通、なんだよな……
そう言い聞かせる。
でも。
(鍵の音の数)
(カメラの位置)
(誰が、いつ来るか)
頭の中で、
**全部、数えてる。**
桃:……いつか……
声に出さない。
——出たい。
——逃げたい。
でも同時に。
(……誰も傷つけたくない)
その気持ちが、
一番の檻だった。
暗闇の中、
監視カメラの赤いランプが、静かに瞬く。
それを見つめながら。
桃:……あ
小さく息を吐く。
**普通になった檻の中で、
逃げ道だけが、まだ普通じゃなかった。**
,,,,Thank you for reading,,,,
Next…♡200
次回、桃がついに…??
今回少なくてすいません。。
つぎがんばるので、許してください。。泣
コメント
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続きが来た✨ 一日中外で疲れた日に読めるのは嬉しいっす!