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「ただいま。」
「ただいま。」
渡辺は靴を脱ぎながら、不思議そうに宮舘を見る。
宮舘は穏やかに笑った。
「今日、一番来たかった場所はここだから。」
「家?」
「そう。」
その意味は分からなかったが、渡辺は素直に頷いた。
リビングへ入ると、宮舘はエプロンを取り出して身につける。
「翔太。」
「ダイニングで待ってて。」
「今日は俺がコース料理を作る。」
渡辺は目を丸くした。
「コース?」
「うん。」
「だから、ゆっくり待ってて。」
「……分かった。」
渡辺は少し照れながらダイニングテーブルへ座った。
___________
最初に運ばれてきたのは、彩り豊かな前菜。
「わぁ……。」
「すご。」
「これ全部涼太が?」
「うん。」
「召し上がれ。」
渡辺は一口食べる。
「……おいしい。」
思わず笑みがこぼれる。
「ほんとに店みたい。」
宮舘は嬉しそうに笑った。
「翔太に喜んでもらいたくて、昨日の夜から仕込んでた。」
「昨日?」
「俺寝てたじゃん。」
「寝たあとに少しだけ。」
渡辺は照れたように笑う。
「そんなことしてたんだ。」
スープ。
魚料理。
肉料理。
どれも渡辺の好きな味付けだった。
「全部、俺の好きなもの。」
「気付いた?」
「当たり前だろ。」
「何年一緒にいると思ってるの。」
宮舘のその一言に、渡辺はまた照れてしまう。
「今日の涼太、ずるい。」
「なんで?」
宮舘は優しく微笑むだけだった。
「デザート持ってくるね。」
「はーい。」
渡辺は満足そうに椅子へもたれた。
しばらくすると、宮舘が白い皿を両手で大切そうに運んでくる。
「お待たせ。」
渡辺の前へ静かに皿が置かれる。
「……え?」
渡辺の動きが止まった。
皿の中央には、小さなガトーショコラと季節のフルーツ。
その周りにはチョコレートで丁寧な文字が描かれていた。
『翔太 これからも俺の隣で笑っていてください』
そして、そのメッセージの隣には、小さなリングケース。
渡辺は息をのむ。
「……涼太。」
震える声で名前を呼ぶ。
宮舘はゆっくりとリングケースを手に取ると、渡辺の前へ歩み寄った。
そして静かに片膝をつく。
「翔太。」
「俺は、これから先の人生も翔太と歩いていきたい。」
「嬉しいことも。」
「苦しいことも。」
「何十年先も。」
「毎日『おかえり』って言える場所を、一緒に守っていきたい。」
宮舘はリングケースを開く。
中には、シンプルな二つの指輪が並んでいた。
「翔太。」
「俺と、家族になってください。」
渡辺は何も言えなかった。
頬を涙が伝う。
何度も何度も瞬きをしても、涙は止まらない。
「……返事、聞かせてくれる?」
宮舘が優しく問いかける。
渡辺は泣き笑いのまま頷いた。
「……断る理由。」
「あると思う?」
宮舘も思わず笑みをこぼす。
「ないと思う。」
「うん。」
「俺も、一生涼太の隣にいる。」
「家族になろう。」
その言葉を聞いた宮舘は、指輪を渡辺の左手の薬指にはめた。
サイズはぴったりだった。
渡辺ももう一つの指輪を手に取り、宮舘の薬指へそっとはめる。
二人は顔を見合わせる。
渡辺は涙を拭いながら笑った。
「今日のデート。」
「全部、このためだったんだ。」
「うん。」
宮舘は照れくさそうに笑う。
「今日一日が、翔太との忘れられない思い出を作る時間だった。」
「そして。」
「新しい人生の始まりの日にしたかった。」
渡辺は立ち上がると、宮舘へぎゅっと抱きついた。
「ありがとう。」
「こんな幸せ、もらっていいのかな。」
宮舘は優しく抱き返す。
「翔太だからだよ。」
「翔太だから、一緒に未来を歩きたい。」
窓の外では、ゆっくりと夜の帳が降り始めていた。
二人だけの家。
二人だけの食卓。
そして薬指に輝く、おそろいの指輪。
その夜は、宮舘と渡辺にとって、新しい人生の始まりを告げる、何よりも幸せな夜になった。
___________
数日後。
久しぶりに九人そろって仕事をしていた。
楽屋ではいつものように賑やかな時間が流れている。
「おはよう!」
佐久間が勢いよく楽屋へ入ってくる。
「おはよう。」
それぞれが挨拶を交わす中、一番最初に異変に気付いたのはラウールだった。
「……あれ?」
ラウールが宮舘と渡辺を交互に見る。
「どうした?」
宮舘が首を傾げる。
「二人。」
「指輪してる。」
その一言で楽屋が静まり返った。
「……え?」
康二が目を丸くする。
佐久間も慌てて二人の左手を見る。
「えぇぇぇぇぇ!?」
「ほんとだ!」
「指輪!」
阿部も驚きながら笑顔になる。
「もしかして……。」
目黒は宮舘を見ると、小さく笑った。
「婚約?」
宮舘は少し照れくさそうに微笑む。
「うん。」
「この前の休みに。」
「翔太へプロポーズした。」
一瞬の静寂。
次の瞬間。
「おめでとう!!」
楽屋中に祝福の声が響いた。
康二は宮舘へ飛びつき、佐久間は渡辺の肩を抱く。
「翔太、おめでとう!」
「よかったな!」
渡辺は照れくさそうに顔を赤くする。
「うるさい。」
「そんなに見るな。」
「いや、見るでしょ!」
佐久間が笑う。
「だって翔太がこんな幸せそうな顔してるんだもん!」
深澤は腕を組みながら優しく微笑んだ。
「だてと翔太らしいね。」
岩本も静かに頷く。
「俺もそう思う。」
宮舘は渡辺と顔を見合わせ、小さく笑う。
長い時間をかけて育んできた想い。
楽しいことも。
苦しいことも。
何度も支え合ってきたからこそ迎えられた今日だった。
阿部が嬉しそうに拍手をする。
「今日はお祝いしなきゃね。」
目黒も笑って頷く。
「仕事終わったらみんなでご飯行こう。」
「賛成!」
ラウールが元気よく手を挙げる。
「俺、お祝いのケーキ買ってくる!」
「じゃあ俺、シャンメリー!」
康二が続く。
「俺は予約!」
佐久間まで張り切り始め、楽屋は一気にお祭り騒ぎになった。
そんな仲間たちを見ながら、渡辺は小さく宮舘の袖を引っ張る。
「涼太。」
「ん?」
「……幸せだな。」
宮舘は優しく微笑み、誰にも気付かれないようにそっと渡辺の手を握った。
「うん。」
「これからはもっと幸せにする。」
渡辺は少し照れながらも、嬉しそうに笑う。
薬指で静かに輝くおそろいの指輪。
それは二人が歩んできた時間と、これから歩んでいく未来を約束する、小さくて大切な宝物だった。
仲間たちの笑い声に包まれながら、宮舘と渡辺は新しい一歩を踏み出した。
コメント
4件
ご馳走様でした😋🫶

よし、ここまできたら3組合同結婚式だ😂💚💙💜のウエディングドレスをオーダーメイドでデザインを考える🖤💛♥️の3人がサプライズして💚💙💜の3人が嬉し泣きする未来が見える
おその★
5,350
おその★
21,025
#⛄️
kaede🍁
79,808