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マンションに帰り着いて、「ただいまー」と、声をかける。
一人暮らしの部屋には、誰も待っていてくれるような人はいないのだけれど、玄関のシューズボックスの上には、代わりにいつも私を出迎えてくれるものがあった。
双子のこぐまのミコ&リコ──ベイビーブルーをしたミコとベイビーピンクの毛色のリコのキャラクターは、私のお気に入りで、帰ったら「ただいま」と声をかけるのが常だった。
「ミコ、リコ、ただいま。今日も可愛いね」
並んで寄り添う小さなぬいぐるみの頭をぽんと叩く。
「……なんだかおじさんみたいな言い方」
自分の言動にクスリと笑って、双子のこぐまの頭をよしよしと撫でた。
「そう言えば、明日はミコ&リコの新しいグッズが発売されるんだったっけ。仕事終わりに、お店に寄ってみようかな」
好きなキャラグッズの発売があると思うと、さっきまでのちょっとだけ沈んでいた気持ちも、不思議と晴れてくるみたいだった……。