テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
「今回起こったことは前代未聞、数千個ものユートピアのうちほとんどが崩壊した。というものだ。塔とマップから見渡す限りドームいっぱいに島が埋め尽くされていたり、島が沈んで海になっていたりが多いね」
カイはマップを指で弾きながら説明する。
するとエリスが口を開いた
「よく見て、焼け野原になってたりしてる所もある。原因は1つじゃないみたい」
確かにそのようなユートピアも見られるのがわかった。
「あー、もう分かんない!そもそも私達まだ17歳だよ!?そんなに詳しくは分からないに決まってるじゃぁん!」
小さな子供のようにミラは不満を言い始めた。確かにまだ17歳ではあるが、管理者であることにかわりはない。カイとエリスが慌ててミラをなだめる。その様子を横目に、メルトは一人、マップを見つめたまま黙り込んでいた。
そして、ふっと顔を上げる。
「……そうだ」
ひらめいたように言う。
「確かに俺たちだけじゃ分からないこともある。でもこれはユートピア全体の問題だ。今回くらいは、先輩たちも協力してくれるんじゃないか?」
その言葉に、三人は一瞬きょとんとした。
「先輩……?」
ミラが首を傾げ、次の瞬間、カイが声を上げる。
「先輩……先輩……?あぁ!二代目管理者のことか!!!」
管理者は代々引き継がれてきた存在だ。
四人は三代目。つまり、メルトの言う先輩とは、ひとつ前の管理者たちを指しているのだろう。
「今までは何かあっても『自分たちで何とかしろ』って助けてくれなかったけど……」
エリスはそう言いながら、わずかに顔をしかめた。
「今回はさすがに事が大きすぎる。可能性は、ゼロじゃないと思う。……正直、信頼はできないけど」
「そういえば、何かあったときに聞きに行ってたのって、だいたいエリスだったよな」
メルトが言う。
「そんなに面倒なのか?」
「メルトたちは 行ったことないから分からないんだよ」
エリスはため息まじりに答えた。
「あそこ、かなり険しいし、疲れる。やっと辿り着いたと思ったら、『自分たちで何とかしろ』って言われてすぐ追い出される」
本当に嫌なのだろう。
普段は冷静なエリスが、珍しく露骨に顔を歪めていた。
「けど、行くしかないよね。このまま何もしないよりマシでしょ?」
「とりあえず着替えて、すぐ向かおう」
少し気だるそうにカイは言い、皆は準備を始めた。
それぞれの隊服に袖を通し、タスキを掛ける。
「さあ行こう。ユートピアの復活のため」
「先代神殿へ」
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!