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すぅぅぅぅ……………はぁ…………
良しっ…!!行くぞ……っ!!
「さ、さもくーー((」
「さぁーもん!!!」
「んっ?どうした?」
私は、さもくんに喋りかけようと口を開くが、他の人がさもくんに声をかけてしまって、私の声はかき消されてしまった。
言えなかった………っ
まぁ………でも、逆に良かったかもしれない…っ
怖いんだよね……喋りかけるのっ……。アハハ……。
一応覚悟決めたんだけどなぁ……。
でもやっぱり、一度酷いこと言っちゃったから、『取り返しがつかなかったらどうしよ』とか考えちゃうんだよね〜…………。
今日は諦めるか……?でも今日諦めたら、ずっと話せなさそうだしなぁ……。
でもなぁ………。喋りかけるの怖いんだよな〜……。
摩理之介君の件もあるし、相談したほうが良いんだろうけど……。
うわーん……!!
私が、陽キャだったら、話せたのに……!!
私が、陽キャだったら!
陽キャは、空気を読めないバカって決まってるからっ!
………………今日は、もう帰ろうかな。
まださもくんは友達と話してるみたいだし…。
…………なんで、こんな私、弱いんだろ。
なんで、いつも勇気を出せないんだろ。
摩理之介君の事とかもっと私の勇気があれば、すぐに解決できることだろうし。
さもくんのことだって……。
私って、自分が思ってた想像以上にバカかもな。
私は、胸元あたりのシャツのシワを握り込む。
そして、机に置いていた、バックを持とうとした。
けど、頭がどうしても俯いてしまう。
「さもくん………」
私は誰にも聞こえないようなか細い声で、さもくんの名前を呼んだ。
たくさんの人が喋っているから、どうせ聞こえないだろうに声を小さくして言ってしまった。
……声を小さくして言ったはずだけど…………。
「ななっし〜、どうした?」
さもくんのほのかの微笑みが間近にあった。
「さ、ささささもくん!?」
なぜ聞こえているの!?
「ななっし〜、慌てすぎだよw」
さもくんが笑う。
「だ、だって!さもくんが突然来るんだもんっ」
私は小さい子供のように言い返す。
…………さもくんが少し視線をさまよわせているのは気のせいではないだろう。
「…………」
「…………」
少しの間沈黙が流れる。
何か話さなきゃ、って思うのに、緊張して全然口が開いてくれない。
と、その時さもくんが口を開く。
「……ななっし〜。今日、一緒に帰る?」
さもくんの瞳に私が映る。
その途端、私の心臓は一瞬ドキッとする。
そして、私は拳に力を入れる。
………謝ろう。
そして、…許してくれたら、ちゃんと摩理之介君との関係を聞こう。
きっと………さもくんと摩理之介君は関係しているはずだから。
「…うん。一緒に帰りたい」
私の声は少しかすれて、小さくなってしまったけど、さもくんはその言葉に安心したように、ホット息をついた。
そして、
「ありがと」
さもくんは、優しく笑う。
その途端、私の心臓はバクバクっと長い間ずっと鳴り響いていた。