起床時刻 12月4日 6時10分__
犬の鳴き声で眼を覚ます。同時にスマホから父の怒鳴り声のようなアラームが耳を刺激する。止めようとスマホに手を付ける。冷たい。水蒸気のせいか少し湿っている。
「(あぁ、今日も学校か。部活もある。行きたくない。)」毎日習慣で行うのは、起きた時今日の予定を脳内に再生させること。
あともう一つ。「(昨日は本誌、最高だったなあ。中也イケメンだったなあ。また来月か、)」私は所謂オタクである。文豪ストレイドッグス(通称文スト)、実在した文豪を擬人化させ、キャラクタアが持つ「異能力」で戦い合う物語。「中也」はそのキャラクタアであり、私の推しである。
制服に着替え、熱々のトーストを口に入れ咽る。歯を磨き、顔を洗い、マフラーを首にかける。毎朝この繰り返し。でも毎月4日は、文スト本誌が発売される日、脳内は文ストで埋め尽くされている。友達と他愛もない会話をする時も、頭の片隅にいる。
_______そんな普通の日々だった。
でも、「普通」は今日が最後だった。
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