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遅ればせながら全話読みました✨ 実はパロ苦手なんですが、文の作りが素敵で一つの作品として楽しく読ませていただきました! 続き楽しみにしています😊
少しだけど読んでくれてる人もいるみたいなので嬉しいです☺️
怪しい男登場。
さて、そろそろもっくん動き出すかな?
「あれ?拓真じゃない。こんなとこまでどうしたの?」
「お前、今日は今度の発表会の曲、教授に報告する日だろ」
「あっ!忘れてた。すぐに行かなきゃ!」
涼ちゃんはあわてた様子で隣の部屋に荷物を取りに行った。
拓真と呼ばれた男と二人きりになったこの部屋に重い空気が流れる。いつもの音楽科の連中から感じるよりも更に重いものだ。
「…おい。お前が最近、涼架の周りをうろちょろしてるってガキか」
「ガキってなんだよ」
確かにちゃんと涼ちゃんがきてくれるか不安で、授業が終わるのを待って教室まで迎えに行ったり、うろちょろしていると言われても仕方のない行動をとっている自覚はあった。
「ガキじゃねぇか。涼架はなぁ、音楽科の学生なんだよ。バンドなんて変な活動に引き摺り込むんじゃねぇ」
「なんだよ!変な活動って」
「変な活動は変な活動だろ?」
睨み合いが続く。
「……?どうしたの?」
「ああ、なんでもない。ちょっと挨拶してただけさ」
涼ちゃんが隣の部屋から戻ってくると男は急に笑顔になって涼ちゃんの肩に手をかける。
「さぁ、行こうぜ」
「うん。じゃあ元貴、また連絡するよ」
手を振って去って行く涼ちゃんの肩に手を回したまま、その男はちょっと後ろを振り返り、俺の方を見てニヤリと笑って見せた。
頭にカッと血が上る。
「………くそっ」
どうしようもない怒りを壁を蹴る事で抑えようとするが、次から次へと怒りの感情は湧き出してくる。確かに音楽科の合間でもいいから、と言って涼ちゃんを半分無理やりバンドに勧誘したのは俺だ。
でも…。あいつは涼ちゃんの事を「涼架」と呼んでいた。まるで俺のものだと言わんばかりに肩に手を回して笑っていた顔が思い出される。
「くそっ!」
きっとあいつは涼ちゃんの事が好きなんだ。そして俺に釘を刺しにきたに違いない。
あいつに、そして何も言う権利のない自分にとてつもなく腹が立った。
……俺は涼ちゃんの事が好きなんだ。誰にも渡したくないと強く思うほど。
今までぼんやりとしていた自分の気持ちがはっきりと自覚できた。
思えば俺は最初から涼ちゃんに惹かれていたのかもしれない。あの初めて会った日、このまま縁が切れてしまうのはどうしても嫌だと思い、無理やりバンドに勧誘したあの日からずっと…。
涼ちゃんの優しい無邪気な笑顔を思い出す。
あいつに渡さないためには、俺だけのものにするにはいったいどうすればいいんだろう。
きっと普通の正攻法で行ったって笑って本気にしてもらえない。 だからって無理をして嫌われてしまったら元も子もない。
あの鈍感な涼ちゃんに俺の事を意識してもらうにはどうすればいいんだろう。
…俺はしっかりと頭を働かせた。
もっくんライバル出現で自分の気持ちに気がつきました。
さぁこれから もっくんのロマンチ作戦が開始されます。
それでは次回のお楽しみに🤭