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天才でもわからない (鉢綾)
ある天才は呆れられた
「….喜八郎 、それでいてまだ告白しないのか 。」
『だって 、僕が好きだとしても
あっちが好きだとは限らないじゃない 。』
「………はぁ 、」
また 、ある天才は怒られていた
「もう三郎!!いい加減男みせなって!!」
『いいやぁ 、だってアイツの反応が可愛いくて
ついつい揶揄っちゃって〜 、でもでも!!
なんていうか 、脈を感じないんだよ 。』
「はぁ??そんなの知ったこっちゃないよ!!」
これは 、とある天才同士のこそばゆい恋の話
こちらの天才は 、鉢屋三郎 。
彼は五年ろ組の生徒で 、所謂変装達人 。
彼に仮面を持たせればもう誰も見破れまい
見破れるのはきっと 、同室か 。同じ天才か 。
実技や教科だって何もせずともできてしまう
器用さを持ち合わせていることから
成績だってきっと悪くないはず
そんな彼でも人を揶揄うのを好むため 、
日々変装を使い生徒を困らせていた 。
そのため 、意中の相手を揶揄うのも彼の癖だった
「やぁ 、喜八郎 。今日も穴掘りか?」
「…..どうも 、鉢屋三郎先輩 。」
「随分とよそよそしいな 。」
「冗談ですよ〜 。で 、何の用ですか?」
「ん 、あぁ…別に用はないのだけど
明日から五日ほど実習へ出ていくんだ 。」
「えっ」
「….?喜八郎 、なんか言ったか?」
「いいえなにも 。」
「お気をつけて行ってきてくださいね」
「………」
「な 、なに黙ってるんですか 。」
「いや 、なんだから伴侶みたいだな 、と」
「は 、!?」
「ばっ….馬鹿そんな反応をするなよ….
こっちまで恥ずかしくなるだろう 。」
「それはっ 、貴方がふざけたことを言うから 、」
「….ふざけてないって言ったら?」
「鉢屋先輩!!」
「ははっ 、嘘嘘 。冗談だよ 。それじゃあな」
「……..はい 。」
そう 、不器用であった 。
もう一方の天才は 、綾部喜八郎 。
彼は鉢屋よりも1つ歳が下のい組であった 。
通称 、穴掘り小僧と呼ばれる彼は
いつも学園内や競合地域に穴を掘りまくり
用具委員長や生物委員長代理に怒られていた 。
実技も教科も成績が良いわりに 、サボり癖やら
そのお得意の落とし穴によって人々を困らせ
心配ばかりかけるものの 、
その感性のままに動く様はよく出来たものである
そんな彼でも 、慎重に動く時が必ずやってくる
それは 、無意識に意中に対してだった 。
「…….鉢屋先輩 、?」
「ん?あぁ 、喜八郎か 。ただいま 。」
「おかえりなさい 。鉢屋先輩 。
その 、盛られたって聞いて……..」
「笑笑 、勘右衛門が言ったな?
別に平気さ 。ちょっと痺れるくらいだ」
「そう…ですか….」
「なに 、そんな顔をするなよ 。
いつものお前じゃないみたいだ 。」
「な 、何を言うかと思えば….僕は普通です!
先輩 、熱でもあるんじゃないですかっ!」
「あー笑そうかもしれないな 。
どれ 、ちょっとでこを貸してくれないか」
「…えぁ 、え…..熱を測るだけですよね…?」
「そうだが……一体なにを考えてるんだ?笑」
「そっ…ぅですよね….では 、、」
「……..喜八郎??」
「ちょっと 、待ってくださいッ心の準備が….」
「ははっ 、時間切れだ__」
「うぁっ….せんぱい 、あついです 。」
「…….気のせいだ 。」
見ての通り 、まだまだ未熟である 。
そんな天才には
それぞれ相棒という肩書きの奴らが居た 。
鉢屋には 、不破雷蔵 。
綾部には 、平滝夜叉丸 。
そんな風に生徒からは印象づけられている 。
不破雷蔵は鉢屋と同室で 、
一年の頃から鉢屋に顔を貸しており
いつしか 、鉢屋は不破にべったりになった 。
鉢屋が不破を溺愛する様は習慣つけられた為 、
鉢屋が不破に対する思いを後輩達が
勘違いすることも極たまに起こってしまった 。
そんな姿を綾部も目にする為 、勘違いもしばしば
平滝夜叉丸も不破同様に綾部と同室の関係で
綾部の保護者のようなものだった 。
何をするにも平が付いており 、深夜の厠にも
綾部は平を連れているのをつい最近尾浜が
目撃したらしく 、鉢屋は衝撃を受けていた 。
お互いがお互いを干渉する場面や逆の場合と
あべこべなふたりだが 、時には言わずとも互いを
理解し任務や行事に向かう姿勢は忍者の鏡だった
そんな平を鉢屋は羨ましく思う時だってあった
そんな 、天才の相棒同士ではあまり接点は
無いのだが 、つい最近にそれは訪れた
「あ 、居た居た 。滝夜叉丸 、ちょっといいかな?」
「な 、なんでしょうか不破先輩!
まさかうちの喜八郎が何か仕出かしましたか!?」
「え?喜八郎?…..いや 、別に仕出かしては
ないんだけど。喜八郎と三郎の事でちょっと…..」
「あぁ!!ふたりの事ですね!今私の部屋は
喜八郎が空けているので私一人なんです 。
なので 、今夜私の部屋へおいでください 」
「随分とはやく決まって良かったよ笑
じゃあ 、夜お邪魔するよ 。」
「はい!それにしても不破先輩は運がいい 。
なんてたってこの平滝夜叉丸が______」
「あ!僕 、この間の実習の反省会しなくちゃ 。
ごめんね 。滝夜叉丸またねっ!!」
「え?あぁ、はい。では 、後ほど!!」
そうして今宵 、二人の天才の相棒たちによる
「天才二人をくっつけよう大作戦」が
計画されるのは 、また別の話_____ 。
今日だけはそばに居て (食満綾)
『….は?今なんて言ったんだ仙蔵』
「だから 、一晩喜八郎の面倒を見てくれ」
『…………はぁ???』
『……で?なんでそんなに
たらい回しにされてるんだお前は 。』
「えぇー 、知らないですよ 。
滝は七松先輩と鍛錬に出かけちゃってます」
『今日は雨だぞ!?大丈夫か………..』
「で 、立花先輩の所へお邪魔したら
今日は明日の任務の会議をするそうで 。」
『確かに明日 、い組は任務だったな』
「と 、言うわけでここに来ました 。」
『……話がついていかん!!』
要は 、平も仙蔵もどちらも用事があり
代わりに俺が喜八郎の面倒を
見なければならないという事だ 。
なんっっっっっっていう巻き込まれ具合だろう
それに 、生憎今日伊作は
保険委員の仕事でそのまま医務室で
夜を明かすと言っていた為 、今日は帰ってこない
つまり 、今夜は喜八郎と二人きりなのだ 。
『そもそも 、なぜお前は
ひとりで寝れないんだ!?』
「普段は寝れます 。」
『おー 、なら何故そうしないんだよ 。』
「それはっ、」
急にもごもごと濁してきたため
俺もその理由が気になってきてしまった
すると 、次の瞬間
ゴロゴロ ピシャンッ !!
『うぉ 、雷か….場所が近いかもな 。』
「…….っ 、」
『…..喜八郎?、、って何してるんだ 。』
雷が鳴ったかと思えば 、
部屋の隅に座っていた喜八郎は
気づけば俺のすぐ側へ来ていた 。
まさか 、喜八郎が
雷に怖がっているとは思えないが 。
思えないのだが ………..
『もしかして 、お前雷を….』
「 怖がってません 」
『……雷』
「怖くありません」
『はぁーん?そうか。怖んだな?』
「なッ!違いますよ!
僕は雷なんてちっとも怖く…」
喜八郎が在り来りな答えを口にした途端
ドゴォン !! ゴロゴロ……..とまた雷が鳴いた 。
それと同時に 、
「 ひゃうっ!? 」と可愛らしい声が聞こえた
『い、今のって 、喜八郎か?』
「……」
『….無視かよッ!?』
いくら喜八郎でも無視は無いだろ!?!!
そう思い 、自分でもムキになって
無理矢理俯いている喜八郎の肩を上げた
すると、、、、
「ぅ “…ひっぐ…..食満せんぱっ」
『え、えぇぇえあぁ!?!
ななな泣いてる!?そんなに怖かったか!?』
「…..ひっく 、」
喜八郎は 、小さく頷いた 。
まさか 、喜八郎がこんなにも
雷を怖がってるなんて思いも見ていなかった
いつもはあんなに生意気で
穴を掘るなって何度も忠告しても
辞めない問題児の癖に 。
そんなお前を心做しか
可愛いと思ってしまう自分がいる 。
自分は 、下級生に良く頼られていると
恥ずかしながら少しは自負している 。
だから 、後輩を可愛いと思うし
みんな守ってやりたくなってしまう 。
でも 、喜八郎にだけは
少し違う思いが込められている気がしていた
然しそれがなんなのか 。
それはまだ知りたくない 。
もし知ってしまえば 、その時は
きっと自分は止まれなくなるからだ 。
だけど 、今目の前で怯えている喜八郎を
放っておける訳もなく 、俺は優しく抱きしめた
「…….食満せんぱい 、?」
『….仕方なくだ 。仕方なくだぞ 。』
「…..そうですか 、」
すると 、背中の方に違和感を感じ
抱き返されていることに気がついた 。
俺の体にすっぽり収まった小さな体を
そっと撫で 、寝息が聞こえるまで撫で続けた 。
外では大きな怒号が落ちる中で 、
今夜だけは 、優しい先輩でいようと決めた 。
『喜八郎は可愛いな 。』
そう微笑んだ後 、俺も布団に潜り目を閉じた
「うわあぁぁッ!?!!!?」
『伊作!?またお前か喜八郎!!!』
「ふふ 、だぁいせいこぉ〜」
『待てこの野郎!!!!!』
「 嫌でーす 」
こんな生意気な後輩が
大の雷嫌いだと言うことは
みんなはきっとまだ知らない 。
僕の右目は (三木綾)
「ねぇ 、三木?」
『……なんだよ 。』
「そろそろ離れてくれな『絶対に嫌だ』
「はぁ?…..もうタカ丸さん〜、」
「あはは 、三木ヱ門は心配なんだよー」
「……ふぅん」
『ちょっとタカ丸さん….!!!』
「….別に右目くらいあげてもいいのに」
『な、馬鹿言うなッ』
私の恋人の名前は綾部喜八郎 。
彼は 、三日間目を覚ますことは無く
今日やっと目を覚ましたのだ 。
三日前 、私達はとある忍務を任されていた 。
とある密書を金楽寺へ届ける。
ただそれだけの簡単な忍務だったのに 。
「今日もこの平滝夜叉丸がいたお陰で
すぐに忍務を終えることが出来たといっても
過言ではなぁい!!!」
『なに馬鹿言ってるんだよ』
「きも」
「なっ、お前らふたりにはわからないのか!?
あの金楽寺での私の手捌きを!!」
「見てた?三木」
『いや全く』
「なぁに!?!いいだろう。
ならば私が一から説明してやる!まずは__」
「わぁあ!!みんな落ち着いてよぉ…」
「そうだぞ!もうすぐで学園なんだからっ」
『…すまない、守一郎。タカ丸さんも。』
「ごめーん」
「なっ、すみませんタカ丸さん
守一郎もすまないっ!!」
そうやって 、いつも通り帰っていると
何やら複数の気配を感じた 。
【…..西に二人、南に一人、東に三人】
喜八郎がそう矢羽音を飛ばした 。
金楽寺周辺でバレてしまったのだろう
すると次々と武器を構え
次の瞬間 、喜八郎と滝夜叉丸が東に飛び出した
「ゎ 、もういくの?!」
『タカ丸さんは北へ 、
私と守一郎は西へ行くぞ』
「…おう!」
「ぐはぁッ….」
最後の敵を倒し 、
私と喜八郎は落ち会うことに成功した
『喜八郎 、怪我はないか?』
「うん 、ないよ。三木もなさそうだね」
『あぁ 、私はない。』
そうして 、喜八郎の元へと歩み寄ったその瞬間
『….あれはっ、!?』
喜八郎が殺したはずの忍者が
喜八郎目掛けて走っていた 。
駄目だ 、この距離では間に合わない 。
そうして私は叫んだ
『喜八郎!!!』
「なぁに?みきえも….」
音が遅れて届く
“ グシャッ ”という生々しい音 。
そして 、喜八郎の身体がぐらりと傾いた
右頬から流れ 、指の間からこぼれる赤い何か
信じられなかった
信じたくなかった
目の前には 、無惨に殺された敵と
私の腕の中で悲惨な姿になった恋人の喜八郎 。
必死で止血をしようと震える手で頑張った
でも 、右目は見るに耐えなくて
左目の焦点も合っていなかった 。
やがて 、先輩たちのお陰で
喜八郎は無事学園に帰った 。
喜八郎が目を覚ましてからというもの
私は喜八郎のそばを一時も離れなかった
無論 、授業や委員会以外でだが 。
「三木は心配しすぎだよ」
そう喜八郎は言うが 、
私はあの光景が忘れられず
いつ喜八郎が居なくなるか
わかったものじゃなかった 。
でも当の本人が大丈夫って言っているなら
私ができる事も少ないのだろうけど
それでも私は喜八郎と一緒にいたかった 。
そんなある日 、喜八郎を迎えるべく
い組の部屋の前まで来た頃の話 。
中から 、啜り泣く声を聞いた 。
「……..やはり 、あいつに言おう 。喜八郎」
「…………いやだ」
「私だって 、苦しむお前を見たくない!」
何の話だろうか 。
いや 、そんなのひとつしかないだろう 。
気づけば私は 、い組の戸を思い切り開けた
「なッ 、、、田村三木ヱ門 。」
「…..三木 。」
『….盗聴するつもりはなかったんだ 。
その 、私の話をしているのだろう??』
私がそういえば 、
ふたりは苦虫を噛み潰したような顔をし
互いに見つめあっていた 。
「…….此奴が来たなら 、いいじゃないか。」
「腹を括れ 。わかったな 、喜八郎?」
「……….」
「….はぁ 、頼んだからな 。」
そうして私の肩に念を送り 、
滝夜叉丸は部屋を出ていった 。
「…..どこまで聞いてたの?」
『どこって… うーん 。
滝夜叉丸が 、私に言おうと言っていたな』
「ほぼ最初からじゃん 。」
『で 、何が私には言えないことなんだ?』
恋人である私に言えなくて
たかが同室なだけの滝夜叉丸には言える話
聞いてやろうじゃないか 。
「……ぐずっ…….う”ぅ‘、」
『は 、、はぁあ!?』
『なななんで泣いているんだよ!?』
「だってぇ…….っこれを言ったら 、
三木ヱ門 、僕に別れようって言うから!」
『な ….言うわけないだろう阿呆!!』
「うそ!絶対言うもん 。」
『言わない!』
「言う!」
『言わないっての!
…….そんなに私に信用がないな?』
「……そんなんじゃない 。」
『じゃあなんだよ?』
「三木ヱ門が 、好きだから 。」
『おまっ…….あぁ、それで?』
「僕 、もう右目が使えないんだって 。」
「片目が使えない忍者は任務に支障がでるし 、
そもそも任務を貰えるかどうかも分からない。
なによりも、いちばん辛いのは…..」
最後の言葉を詰まらせた喜八郎は
静かに自分を見つめ 、何か覚悟したように
ゆっくりと瞬きをしてこっちをみた 。
「もう 、お前のことをこの両目で 、
しっかりと見ることができないことだよ 。」
ついつい 、笑みがこぼれた 。
「何笑ってるの」と怒った様子の恋人が
愛おしくて愛おしくて 、手を伸ばし
その頭を大切に大切に撫でる 。
『私を両目で拝めないのは残念だが 、
片目は無事じゃないか。
私の最高に可愛くてかっこいいアイドル姿を
これでもかってくらい見せ続けてやる 。
逃げ場はないぞ 。
それに 、お前の目は美しい 。
吸い込まれてしまうほど綺麗で 、
片目でも十分すぎるくらいだ 。
それからだな 、さっきお前は
任務がどうこうと言っていたが 、心配するな。
私が 、お前を養えるくらいのプロ忍者に
なってみせる!お前は 、私が守るから 。』
コメント
3件
ほんっとうに天才さすがに好きすぎる♥️。。。ゆきちゃんがかく忍たまが1番すきすき𝑩𝑰𝑮𝑳𝑶𝑽𝑬___