テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「寒っ、、、」
日本の冬は夏よりも長く感じる。
冬本番なんて言葉は12月の半ばぐらいに使い果たして、そこからずっと寒い。
ほら。大寒なんてクリスマスから約1ヶ月過ぎてからいらっしゃる。
大寒の初め私はクッキーを焼く。
冷えきった台所のコンロにフライパンをのせて小麦粉を煎る。
白い小麦粉にほんのり色がつくと煎り上がり。
白い小麦粉が雪に見えちゃうなんて
この寒さあってこそなのかもしれない。
小麦粉を煎ると香ばしい香りがキッチンに広がる。パンを焼く時もそうだけどいつ匂っても小麦粉の香ばしい香りはどこか安心する。
「お腹すいたな。。。」
とは言ってもクッキーが出来上がるのは当分あと。焼きたてのクッキーが食べれるは作り手の特権だが実際は次の日が美味しいらしいのであまり有難くない特権である。
机の上を見ると袋に入った干し柿が3個見える。白く粉を吹いた干し柿は甘い証拠だとどこが教わった。
気づいたら干し柿を3つ食べていた。
どんどん焼き上がるクッキーに手をつけれないのは無意識に食べた干し柿でお腹がいっぱいだからだ。
このクッキー誰にあげるかだって?
遠くの彼に心を添えて届けるつもり。
ずっと好きな彼の疲れを取るために。
ずっと好きって伝えるなんてありえないって思うかもしれない。
期限の無い恋が甘いのは最初だけかしら?
最後がない恋の最初なんて貴重だからうんと甘くていいのかもね。
砂糖、小麦粉、バター、卵、スパイスたくさんのものを混ぜて焼くクッキーは作りたてはとっても甘いの。だけど時間を置くと落ち着いていくらでも食べれちゃうクッキーになる。そんな食べ飽きない恋の方が私たちらしいでしょ?
だけどもう1つ忘れないで。
落ち着くのは冷めてしまう嫌いになるってわけじゃないのよ?
絆が深まるってことなの。
クッキーと違って干し柿は渋柿とお酒で作るけど最初は食べられない。
だけど日を置けばうんと甘くなる。
どちらも同じように美味しくなるけど材料の少ないものほど素敵な味になることもあるのよ?
だからクッキーみたいにたくさんの材料を混ぜて1つ1つ落ち着かせて、干し柿みたいにたくさんの日をかけて恋そのものを甘くできたら上出来ね。
きっとできるしあなたとあの子なら大丈夫。
未来でこれを読む私が居るなら
大丈夫なんて無かったしって怒られちゃうかもしれないけどもし未来で彼とこれを読んでいるなら一緒に干し柿を。
1人ならうんと甘いクッキーを召し上がれ。