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夏菜
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玖衣那 喰
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#しょしんしゃ🔰
りと。@自発来たらフォロバ💯
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音奏そらる
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前章の続き。
新章 第一章 と書かれている話に注意事を
書いてあるので読んでない方は先に其方を
読んでください。
朝日が城を優しく照らしていた。
「瀬麗梛。」
「はい?」
隊長に呼ばれ、瀬麗梛は小走りで近付く。
「今日から姫様の護衛だ。」
「え、僕ですか?」
「人数合わせだ。どうせ何もできないだろうがな。」
周囲から笑い声が上がる。
「まぁ、頑張ります。」
瀬麗梛はいつものように笑った。
(護衛かぁ。)
(姫様に何もなければいいな。)
城の中庭。
色とりどりの花が咲き誇る庭園で、一人の少女が本を読んでいた。
透き通るような金色の髪。
澄んだ青い瞳。
この国の姫だった。
「姫様。」
瀬麗梛は軽く頭を下げる。
姫は本を閉じ、じっと彼を見つめる。
「あなたが新しい護衛?」
「はい。」
「瀬麗梛と申します。」
「……あなた。」
「はい?」
「昨日、森にいた?」
瀬麗梛の心臓が一瞬だけ跳ねた。
(見られてた。)
しかし表情は変えない。
「森ですか?」
「薬草を採りに行ってました。」
「そう。」
姫はそれ以上聞かなかった。
だが、その瞳には確かな疑問が浮かんでいた。
(嘘……。)
(あの魔法は、この人だった。)
数日後。
瀬麗梛は姫の護衛として毎日そばにいた。
「瀬麗梛。」
「はい?」
「この花、きれいね。」
「そうですね。」
「あなたは花が好き?」
「好きですよ。」
「見ると落ち着きます。」
姫は少し笑った。
「変わった人。」
「そうですか?」
「普通は宝石とか武器とか言うもの。」
瀬麗梛は困ったように笑う。
「僕は花の方が好きです。」
その笑顔を見た姫は、思わず頬を緩めた。
(優しい人……。)
(本当に弱い人なのかな。)
その様子を遠くから見ている者たちがいた。
貴族の青年たちだった。
「気に入らない。」
「平民のくせに姫様と話してる。」
「追い出してやるか。」
彼らはニヤリと笑った。
その夜。
瀬麗梛は城の屋上で夜空を見上げていた。
「今日は星がきれいだなぁ。」
「総統様。」
聞き慣れた声が響く。
「怜。」
屋根の上に黒いローブ姿の怜が降り立つ。
「また来ちゃいました。」
「見つかったら怒られるよ?」
「誰にです?」
「……確かに。」
二人は思わず笑う。
「総統様。」
「うん?」
「痩せました。」
「そうかな。」
「ちゃんと食べていますか?」
「食べてるよ。」
「嘘です。」
怜はため息をついた。
「顔色で分かります。」
瀬麗梛は苦笑する。
「怜には隠せないね。」
「当たり前です。」
その時だった。
屋上の扉がゆっくり開いた。
「誰?」
姫だった。
瀬麗梛は驚くより早く、怜の姿を隠すように一歩前へ出る。
「姫様?」
「こんな時間に何を?」
「星を見ていました。」
姫は瀬麗梛の後ろをちらりと見る。
誰もいない。
「気のせい……?」
「どうしました?」
「ううん。」
姫は夜空を見上げた。
「今日は星がきれいね。」
「はい。」
二人はしばらく無言で空を眺める。
その様子を、柱の陰から誰かが見ていた。
「あいつ……姫様を誘惑してる。」
貴族の青年だった。
嫉妬に歪んだ表情で拳を握る。
「許さない。」
「必ず城から追い出してやる。」
翌日。
城の廊下。
姫は瀬麗梛を見つけると、小さく手を振った。
「瀬麗梛!」
「姫様、おはようございます。」
その瞬間だった。
貴族の青年がわざと二人の間に割って入る。
「姫様。」
「平民とは距離を置いてください。」
「……。」
姫は眉をひそめる。
「瀬麗梛は護衛よ。」
「ですが身分が違います。」
瀬麗梛は小さく笑って頭を下げた。
「僕は気にしてませんので。」
「失礼します。」
そう言って立ち去る。
その背中を見つめながら、姫は小さくつぶやいた。
「どうして……。」
「あなたはいつも笑っていられるの?」
瀬麗梛は振り返らずに歩き続けた。
その優しさが、やがて彼自身を傷つけることになるとも知らずに――。
そして、廊下の奥では貴族たちが静かに囁いていた。
「計画を始めるぞ。」
「姫を利用すれば、あいつなんて簡単に消せる。」
偽りの笑顔の裏で、陰謀の歯車がゆっくりと動き始めていた。
**第三章 終**
次章へ続く。
コメント
6件
玖衣那 喰さん、第三章拝読しました。 瀬麗梛が姫様の護衛になって、少しずつ距離が縮まっていく感じがとても好きです。「優しい人……本当に弱い人なのかな」という姫様の内心が、瀬麗梛の抱える秘密を読者にも気付かせてくれて、すごく好きな一文でした。貴族たちの陰謀の気配も不気味で、この先どうなるのか気になります。怜とのやりとりも可愛くて癒されました。 続きも楽しみにしています🌷