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静かに、二人で

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静かに、二人で

12 - 第12話 誰?

♥

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2025年10月09日

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放課後の図書館は、文化祭の喧騒が嘘みたいに静まり返っていた。

薄橙色の夕日が窓から差し込み、本棚の影が床に長く伸びている。

凛はカウンターの奥で、本の整理に没頭していた。

ガラガラ──。

重たい扉が開く音に、凛は手を止める。


凛:「……あ、葵」

葵:「やっほー」

明るい声。でも、その奥にほんの少しだけ、違和感があった。

いつもなら真っ直ぐこちらに来る葵が、今日は少しだけ歩みがゆっくりだ。

凛:「今日、部活なかったの?」

葵:「うん、なんか顧問来れないって。だから来た〜」

言いながら、葵はカウンターの近くの椅子に腰を下ろした。

凛は彼女のその様子に少し首をかしげる。

いつもより少しだけ静かで、目が合っても、すぐに逸らされる。


(……なんか、変だな)

凛:「……なに?」

葵:「えっ、なにが?」

凛:「いや……なんか、いつもと違う」

少しだけ眉を寄せて凛が言うと、葵は一瞬目を見開いて、それからぎこちなく笑った。

葵:「え、別に? 変じゃないし」

言葉とは裏腹に、手の指先をいじっている仕草が落ち着かない。

凛はそんな葵を横目に、本棚に本を戻しながら、小さく息をついた。

この空気が、少し怖かった。

けれど、話さなければ何も始まらない。


──そして、沈黙。

静まり返った図書館の空気が、やけに重たく感じる。

その沈黙を破ったのは、葵だった。

葵:「……ねぇ、凛」

凛:「なに?」

葵:「……今日、裏庭にいたよね?」

心臓が、ドクンと跳ねる。

凛の手が思わず止まり、本棚の背表紙に指が触れたまま固まった。


葵はゆっくりと立ち上がり、凛の方を見つめる。

夕日の光が差し込み、その横顔に影が落ちていた。

葵:「……聞こえちゃった」

その一言に、空気が張り詰める。

凛は葵の視線をまともに受け止められなくて、目を伏せた。

葵:「……あの、男子の告白」

凛:「……そっか」

凛の小さな声。

自分でも思っていたより、ずっと動揺していた。


葵:「……“好きな人がいるから”って……言ってたよね」

葵の声が、少しだけ震えていた。

それでも真っ直ぐに、凛を見つめてくる。

逃げ場のない、真剣なまなざし。


凛は喉がきゅっと締めつけられるような感覚に襲われた。

心臓の音がうるさくて、自分の声が出せるかも分からない。

葵:「ねぇ……その“好きな人”って──」

葵が一歩近づく。

凛の肩がびくりと揺れる。

葵:「──誰、なの?」

その問いかけは、思っていたよりもずっと静かで、優しくて、だけど切実だった。

まるで葵自身、答えを怖がっているみたいに。

夕日が差し込む図書館に、二人だけの空気が満ちていく。

時間がゆっくりと流れ、互いの呼吸の音だけが響いた。





さて、凛ちゃんはどう行動するのか!次回もお楽しみに~

では、ばいば~い!♡、コメント、フォロー、よろしくお願いします。

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