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――いつもの通学路
朝の光に照らされながら、愛梨はスクールバッグを肩にかけ、下を向いて歩いていた。
(昨日は……大変だったな……)
はぁ、と小さくため息をつく。
⸻
――教室
席に着くなり、妙な空気に気づく。クラスがいつもよりざわざわしている。
「マジマジ!見ろよこれ〜!」
背の高い男子がスマホを掲げる。
「マジカル・アイリーンじゃん!」
少しぽっちゃり気味の男子が声を上げた瞬間、愛梨の心臓が跳ねた。
(え……今、私の名前……?)
陽キャ女子たちが集まり、口々に言う。
「あー!それ昨日私も見た〜!ニュースで出てたよ!」
(ちょ、ちょっとぉぉ!?ニュースに!? 嘘でしょ!?)
愛梨は慌ててカバンからスマホを取り出し、SNSを開く。
指が震える。検索欄に自分の魔法少女名を打ち込むと――
「……あ……」
そこには、戦う自分の姿がいくつも。
街角から、ビルの屋上から、隠し撮りのように。
どれも変身した姿なのに、自分だとわかってしまう。
(な、なにこれ……!?)
胸の奥が、ざわつく。