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ぼくは、両親と兄と妹2人の6人家族です。

兄とは歳が1個違いで、逆に妹とは、

4つ違いと、8つ違いなので、小さい時から、

「お姉ちゃんなんだからちゃんとしないと」

と周りからも言われることが多く、ぼくはその言葉を、大きくなってからも繰り返し自分に言い聞かせてきました。

自分は、お姉ちゃんなんだから我慢しないと、

自分は、お姉ちゃんなんだから泣いちゃダメだ、

母はただでさえ妹たちの世話で忙しいのに、自分が母を困らせたらダメだ、

今考えると、あれはぼくが自分にかけた呪いでした。

ぼくが、母からも見てもらえず、かまってもらえないのを、耐え凌ぐための自分についた嘘でした。

必要な嘘でした。

こうでもしないと母から見てもらえないという事実から耐えきれなかったと思います。

実際、妹もまだ幼く、母もそっちでいっぱいいっぱいでした。

それは、幼いながらにぼくにも分かったので、自分が母も妹も守らなければと思っていました。

1番自分の事を見ていてほしかった母に、自分への興味が感じられず、辛いことも相談できませんでした。

母とまっすぐ話すことができたのは、当時から何年もたった最近のことです。

妹が大きくなってから、何年もの間、母が自分のことを見てくれなかった事実が頭から離れなかったです。

ぼくは昔、完璧な姉を目指しました。自分の身体に違和感を持っていたのを隠すためと、母に迷惑をかけないためでした。

学校から帰って玄関を入るときは、一度立ち止まって、深呼吸をして、「自分は姉」と言い聞かせてから入っていました。

小学5年生の時の話です。

6年生の後半から中学1年生の冬まで、ぼくは、家の中で声が出なくなりました。

何かを話したら、母に怒られるのではないか、兄に殴られるのではないか、そう考えると何故か息が詰まったように声が出せなくなりました。

また、その頃は身体の成長だったり制服への不安だったりでストレスが増えていた時でした。

話しても怒られる、話せなくても怒られる。家族に自分の居場所が感じられないときは、自分の部屋で一人で苦しみました。


どうしても目の前の苦しみに潰されそうな時は、未来の自分に手紙を書いています。

読むのは未来の自分、次の日読んでも、10年後に読んでもいい、未来の自分へ、未来の自分が生きていることを願って書く手紙。

これは自分の性別に気づく前からやっているぼくのルーティンです。

火那という人間について。

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