コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「召し上がってみてください」
促されて、目の前のお皿からひと摘まみを口に運んだ。
「美味しい…」
絶妙な味付けに、思わず感嘆の声が漏れると、
「良かったです」
彼は唇の両端を引き上げ、笑みを浮かべて見せた。
「こんな料理を、どこで覚えられたんですか?」
初めて見る穏やかな表情に、少しだけ面喰らいながら尋ねる。
「全くの独学です。ただ料理を美味しく食べられればと、いろいろと試している内に、出来るようにもなった感じですね」
「信じられなくて……」と、本音がこぼれ出る。
料理はどれも本当に独学でとは思えないくらいに、本業のシェフの腕前にさえも引けを取らないようなものばかりだった。