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5月23日はキスの日
悪戯
しろニキ
ニキ視点
「ボビー?」
相方を驚かしてやろうと思って、相方の自室に忍び込んだところ、規則正しい寝息を立てて眠っていた。名前を呼んでも、少し体を揺すっても目覚める様子は一切ない。少し悪戯してやりたいかも、でもどんな悪戯をしよう…。普段はしないような事をしたい。彼にバレるとロクな事が起こらないから。そんなことを考えながら出した答えは、『こっそりキスをしてみる』だった。そうと決まれば彼の唇目掛けて、顔を近づける。数センチで唇が触れてしまいそうな距離まで近づいたが、そこで口付けることを躊躇った。
「……」
辞めよう、こんな夜這いみたいな事。そう思えば、先のような邪な考えは消え去った。自分自身が積極的になるのが恥ずかしすぎて、体が火照る。少し冷静になろうと部屋から出ようとした。
「結局キスしてくれないん?」
「っ!ぼびー…」
刹那、寝ていたはずの相方に腕を掴まれ、声をかけられた。
こんなの俺が恥ずかしがる事を分かってて言っている。狡い。変なところで強気なんだから意味がわからないなんて思いながら、ヤケになって彼の唇に口付けようと動く。だけれど、自分から口付けをしたのなんて両手で数えられる程度しかした事が無くて、ガチガチに固まりながら必死に彼の唇を目指す。
「はは、良くできました」
「子供扱いしないでよ…」
軽いリップ音が部屋に響いた。それが恥ずかしくて堪らなくて、その場から逃げ出したいのに気がつけば俺の腰まわりに彼の腕が逃さまいと固定されている。このまま俺は彼に喰われるんだろうって何となく察した。
「俺を欲するなら嫌ってほど愛してよね」
照れ隠しで挑発するような誘い文句を言ってやった。
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深い愛情を貴方にあげる
しろニキ
しろせんせー視点
「ん、っ…ちょ、ぼびぃ」
そういうムードなりたて、軽い接吻から始まって、昂る感情に従って深い接吻を貪る。毎度角度を変えて軽い口づけをする。どこに触れても甘く声を漏らす彼はもう首まで真っ赤っか。本当に可愛らしい。
そういえばキスも場所によって意味が違うんだっけか、と不意に気づいた。焦らして彼を弄るのも面白いかもなんて思った。こんな嗜好な考えを行動に移さない訳がない。そう思いながら彼の瞼に口付ける。意味は確か『憧れ』だったような。次に頬。意味は『親愛』。その次に鼻、おでこ、髪の毛、耳、喉、項、首筋、鎖骨。妙なくすぐったさに少し笑いながらも彼は声を漏らす。
彼の服を捲り上げて、更に別の場所に口付けをする。下半身の衣服も脱がし、また口付けをする。下半身への口付けは独占欲やら支配欲やらが多かった記憶があるが、正直うろ覚えな時点でもうどうでも良い。
胸、腕、手首、腰、尻、太腿。段々と怪しげな位置になっていく度に待って、と声をかけられたが気にせずに口付けをした。
「ぼびーの、深い愛情は…?」
「唇に欲しいん?」
「…いわせんなばーか」
そんなに顔が林檎みたいに赤いのは意味がわかっているからなのか何なのか分からないが、こんなにも唇への口付けを求められているのならそれに応えない方がおかしいだろう。
「ね、もっと…」
「仰せのままに」
俺の愛情をお前に全部あげるよ。だから、全部零さず受け取ってな。