テラーノベル
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──────Iれいまり視点──────
「はぁぁあああ〜。」
私は大きなため息を吐く。
私は今、目の前にいる悪魔のせいでコロシアムに来ていた。ことの発端はなんだったか、目の前の現実から逃げたくて私はそちらに思考を回す
私は、ここ最近ずっと大図書館という場所に来ていた。ここには様々な本がある。例えば、魔導書から歴史書、料理本や物語───全ての分類の本がある、と言っても過言では無い。悪魔の欲の1種、知識欲と自己顕示欲を満たすためにあるこの図書館。悪魔についてはあらかた読んだので、次は歴史書を読む。───はずだった。
その行動は1人の悪魔によって妨げられた。
「おい!そこのヘアピン!」
自身の襟元を掴まれ、私はそのまま床に倒れ込む。一悪魔としてもいいたいが、まだまだ生まれたばかりのはずの私をこんな粗末に扱うのは如何なものか。文句を言ってやろうと振り返ると、そこには、めめ村の一員であるぜんこぱすがいた。
悪魔の角の代わりに生えたくま耳で、一瞬悪魔か疑ったが、その小さくデフォルトされたかのような羽で悪魔だとわかる。
───私は、驚きをあらわにする。
まだ、このルートでは会うはずのない人物だからだ。それに、ぜんさんは図書館に来るような設定も、キャラでも、性格でもない。いるとしたら、私の魔術書目当てのレイラーさんや、見識の深いみぞれさん、ガンマスさん辺りだと思っていたので、尚更だ。
私の驚いた顔に満足したのか、ぜんさんはふふんと笑って、上から目線で物を言い始める。
「おい!ぽまえ!ぽれと勝負しろ!」
「はぁ?」
私の、心からの「はぁ?」が出た。いや、は?私とぜんさんはこの世界で初対面のはずだ。それに、ぜんさんの反感も、機嫌を損ねることもなかったはずだ。それに、戦闘をする理由も───。
「あ」
そういえば本に書いてあったと思い出す。そういえば、100歳未満の人たちには戦闘バッジが配られているのだ。悪魔の暴力的本能、支配欲求、戦闘狂───様々な暴力的な欲を満たすための制度。勝てば勝つほどランクが上がり、承認欲求も満たされる。他にも、上級悪魔とお会いできる機会や、下界に降りることや、人間以外にも契約できるようになる。
まあ、つまりランクは上げ得ということだ。無論、別に私はあまり関係ない。今回は情報収集。下界に降りる必要もない。上級悪魔と会えるのは魅力的だが、もちろん敗者には相応のリスクがある。出来ればそのリスクを侵したくはない。
「はーやーく!ここを汚す訳には行かないから、コロシアムに行くぞ!」
「いや、戦いたくないです。」
ぜんさんが既に決闘を受ける前提である話をキッパリと断る。今度は、ぜんさんが驚く。
「は、え?戦闘したくないの?ストレス発散にもなるよ?」
「いや、私興味ないので。私、知識欲を満たしたいんです。」
「ざんねーん!決闘は申し込まれたら断れないんですよ!新米悪魔がァ!!」
うーん。末期だこいつ。戦闘にしか欲がない。ぜんさんもこの世界に生まれてきたばかりなのだろうか?初心者狩り、ならぬ赤ちゃん狩り?
強制、という言葉は事実なようで、私の足元とぜんさんの足元に魔法陣が光り、瞬時に景色が変わったところから、テレポートされたのだとわかる。
そして、冒頭に戻る。我ながら物語っぽい思考の割り方では?と自画自賛をしつつも、私は目の前の敵を睨みつける。ぜんさんは不敵に笑みを浮かべながら、自身の手を肉球へとかえ、爪を伸ばす。
肉体戦を得意とする悪魔か、と分析をする。戦闘になってしまった事実はもう変えられないのだから、せめて自身の戦闘力について知っておくべきだ。そう言い訳をし、魔導書を開く。
ぜんさんだって、まだまだ若いのだろう。こいつは、私が20年前に既に生まれ、なおかつ悪魔を専門的に狩ってきたデビルハンターにいたことなんて知らないのだ。
徹底的にやってやろうじゃないか。今日、本を読むことは諦めてその労力分を戦闘に使ってやろう。
ぜんさんが迫ってくる。その鋭い爪を伸ばし、私の喉をかっ切ろうとする。私は身を低くして交わしつつ、体を前面に出したことによってがら空きとなった腹に、蹴りをぶち込む。そうすると、ぜんさんは痛みによって一瞬怯む。そこに、拳に体重を乗せ、顔面を殴り込む。
ぜんさんは後方へ吹っ飛び、頭から地面に着地した。あれ痛いんだよなーと在りし日の自分と重ねて見てしまう。
ぜんさんは反撃に合うと思っていなかったのだろう。困惑と恐怖を混ぜ込んだかのような表情を見せる。それもそうである。生まれて1年の私が私より生きているやつを圧倒して倒しているのだから。それも、発言を見るに、今までの人生を戦闘に捧げていたのだろう。
単純な思考回路。しかし、私はそれを嘲笑うことはしない。何故ならば私もそうだったからだ。プライドをへし折られるのはさぞ辛かろう。自身の弱さを嘆くのはなんとも悔しいことだろう。地を這いつくばってでも、泥水を吸ってでも立ってやる、と思っているのに、体は動かないというのは無力だろう。
痛いほどわかる。だからこそ、追い詰めないといけない。ここで甘えさせてしまったら、私の首が取られてしまう。瀕死の時こそが最も強く、1番成長する瞬間なのだ。だから、今、絶対に勝てないという傷跡を残し、まだ抗うというのならば───。
魔法陣を展開する。威圧が目的なため、なるべく多くの魔法陣を。本命はひとつ。けれど、ド派手な演出で、相手の戦意を削ぐ。
「『燃え盛れ、炎よ。かのものを焼け付くし、我がものとせよ。ファイア───』」
「ま、まいりました……。」
その時、ぜんさんが降参を宣言する。
そうすると、勝者の私に選択肢が生まれる。
『 ──アイテがコウサンしました──
──────▷殺す
──────▷奴隷にする ─────』
システムのようなもの。相手が降参した時にのみ現れる選択肢。基本的決闘において勝敗は死ぬかどうか。しかし、このように圧倒的力の差(に見せ掛けたハリボテ)があれば、相手が降参することもある。その時、相手には選択肢が現れるのだ。
殺すか奴隷か。
殺すのはせっかく降参してくれたのに申し訳ない。奴隷は私がやりたいことに付き合わせてしまう。どちらもいいと思えない。
だが、使える。奴隷の方が人手が増える。それに、育成すればボディガードとしても役に立つし、決闘を申し込まれたら、ぜんさんにやらせればいい。
「契約しましょう。ぜんさん。
──────私の奴隷になれ。」
「───仰せの通りに。」
私は、剣を手に入れた。
ここで切ります!今日から積極的に毎日投稿していきます!冬休みなので!
それと、れいまりさん編が終わったら受験が終わるまで浮上しません!ここに関してはすみません……。けど、後悔がないように勉強したいんです!
れいまりさん編めっちゃ長いので、冬休みが終わる前に終わるかどうか……というより終わらない気もしますけど、もう、走り切ります!というより冬休み中に終わらなかった小説一旦区切ります!すみません!
それでは!おつはる!
コメント
2件
あと10回でsrimrだ やっぱり面白いな〜