琥珀「…」
ここは…? お花畑?綺麗…。
?「起きた?」
琥珀「?!」
?「私は心愛。あなたのことを知っている。」
琥珀「え? 」
心愛「安心して聞いてほしいわ。
あなたは今花畑の町にいるの。簡単に言うと天国に近いわ。」
琥珀「じゃあ、私は死んでるってこと?」
心愛「それに近いわ。けどそれを止めた。誰が止めたか分かる? 」
琥珀「分からない…」
心愛「葵って子供よ。30くらいの女」
琥珀「!? まさか…」
心愛「そう。あなたの前の花魁よ。
一番人気の花魁。」
琥珀「なんで…あんな厳しい人だったのに」
~5年前 琥珀が10歳(修行中)
葵「あんたねぇ。ちゃんと仕事しないさいよ。よく見るとぶっさいくだわ」
琥珀「…」
葵「なんか言いなさいよ!言葉も喋れないのかい」
琥珀「すみません!!」
葵「気持ち悪い。さっさと部屋を片付けて。
客の邪魔」
琥珀「はい…」
~そこから2年後
葵「琥珀。私は体が持たない。まだ30だけど無理だわ。もう 」
琥珀「冗談言わないでください。まだ元気でしょう」
葵「バレたか。あんた仕事はしたの」
琥珀「してます。安心してください」
葵「そう。琴の勉強もしなさいよね下手なんだから」
琥珀「分かってます。(面倒な)」
葵「分かってるならさっさとしてきて」
琥珀「はい。」
~1ヶ月後
きゃあああああ
琥珀「?」
葵「…」
琥珀「葵花魁?」
医者「さっさと運べ!邪魔だお前ら」
私が修行中の5年前の秋。
葵花魁は自殺をした。あんな強い女の人がそんなことをするなんて思わなかった。
けどあの人は私のことを嫌っていた。だからもうあの人が私に向けての遺言なんて残すわけがない、悲しんで遺言聞かずに今まで過ごしていた。
心愛「そのまさかがあるのよ。ここに。
あんたが10歳の頃に葵は遺言を残していった。あんたにもね」
琥珀「なにを残していったんですか」
心愛「あんたに酷いことを毎日言ったわ。私はいつ死ぬか分からない。誰かに殺されるかもしれない。病気になるかもしれない。だからここに書き起こしておきたいことがある。今から言うことをちゃんと聞いておいて
あんたのことを嫌ってないのは知っておいてほしい。あんな酷いことを毎日毎日言ったわ。けどあんたのことは愛してる。そしてごめんなさい。あんたに隠しといたことがあんねん。わてに力があることや。一度死んだ人間を元に戻せる力や。あんたがもし死んだら生き変えさせる。楽しみしときい!(?笑)」
琥珀「そんな…」
心愛「だからあんたは今から生き返られる」
琥珀「ほんまに…? 」
心愛「あぁ」
心愛「だから生き変えさせる。今からな。
じゃあな。琥珀、元気でな」
琥珀「…ありがとう!」
心愛「うん笑 元気でなぁ」
コメント
1件
素敵なお話ですね!