「rn…?」口からぽろっとその言葉が出てきた。他のメンバーは俺のことを心配していたか、パニックになっていたか知らないけどrnの存在に気づいてなかったみたいだ。振り向くと、みんな目を丸くして固まっていた。そして数秒後「rnっ!どんな格好してんねん!」とか「rnっ!部屋にいなかったから心配したんだよっ!」とか、色々口にしてる。その時
「黙ってください」
rnがわちゃわちゃしていた場を一瞬で沈黙の場にした。どう考えても、こんなことrnは言わない。「私はrnではありません。私の名は水狼と申します。よろしくお願いします。そしてrnの体をお借りします。」この沈黙の場を破ったのは、沈黙を作った本人rn…いや、水狼さんだ。「おいっ!借りるってどう言うことだよ!本物のrnはどこだっ!今すぐ返せっ!」urが騒ぎ立てる。「おい、ur一回黙れ、話を聞こう」hr君が止めるがurは「離せっ!」と言うことを聞かない。「ur…」hr君も最初は注意していたけど、そんな気力も無くなってしまったっぽい。hr君だって、パニックになってるはずなのに…。リーダーの俺が情けない。
と水狼さんがゆっくりと口を開いた。「rnを返してほしければ、あるゲームに参加してもらいます。」ゲーム…?なんのゲームだ?「そのゲームは…」水狼さんは少し息を吸うと続けた。
「人狼ゲームです」
全員の目が見開かれる。人狼って、あのnaさんが話していた殺人鬼?でも、それがゲーム?意味がわからない。「標準のルールはマニュアルに書いてあります。それを読んでくだされば、わかるかと…。」マニュアル?と言うことはルールが結構多いのか?「ですが、今回は特別ルールがあります。」話が早すぎる。ルールも分からないのに、特別ルールまで⁉︎「今回、狂人は人狼の正体を事前に知ることができます。そして狂人は役職を捨て、市民になることもできます。詳しくはマニュアルを」人狼はともかく、狂人?市民?訳がわからない。とりあえず、マニュアルを見ればわかるか…?
「それでは、これから人狼ゲームを始めます。よろしくお願いします。分からないことがあれば、なんなりとご質問を」その言葉を最後に水狼さんはいなくなってしまった。そして、マニュアルが配られた。どうやら、人狼ゲームが始まった…らしい。
人狼ゲームのルール
・人狼ゲームは人狼、狂人、騎士、探偵、占い師、市民で構成される。
・人狼、狂人、探偵は必ずいる。騎士、占い師は八割の確率でいる。
・人狼は市民陣営を殺していく役職である。
・人狼は人を殺すと五分間、人を殺すことができない
・人狼はなんでも貫通することのできる剣が与えられる。
・騎士は人狼を探し、殺す役職である。
・騎士は人狼ではない人を殺した場合、十分間剣を振るうことができない。
・騎士は人狼と同じ効力を持つ剣が与えられる。
・探偵は人狼を探して殺す役職である。
・探偵は人狼ではない人物を殺してしまうと自分も死んでしまう。
・探偵は人狼と同じ効力を持つ弓が与えられる。
・占い師は人狼を探す役職である。
・占い師は十五分に一回占うことができる。
・占い師はその人が黒(人狼陣営)か白(市民陣営)かわかるだけで、細かい役職までは分からない。
・狂人は、人狼が勝つために導く役職である。
・狂人の占い結果は白になる。
・狂人は人を殺すことはできない。
今回特別ルール
・狂人は人狼の正体を事前に知ることができる。
・狂人は役職を捨て、市民になることができる。
・市民になった場合、狂人の時の記憶は消える
・狂人は手を挙げて宣言することで、狂人を止めることができる
※ただし、手をピンッと挙げた時に限る。