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犬と三ツ谷の話。
集会終わり
ーー千冬「三ツ谷くん、」
暗い表情で俺に話しかけてきた千冬。
何かあったのだろうか。
場地のことか?
ーー三ツ谷「どうした?」
ーー千冬「あそこの犬が…」
ーー三ツ谷「犬、?」
千冬が神社の建物の奥の方に指を指す、
その先にはうずくまっている犬の姿が見えた。
薄い茶色のような色だ。
飼い主は周りにいなさそうにない。
、、震えている。
犬種は恐らく柴犬。
千冬はいつも犬に近づくが、
強く吠えられてしまう。だが、
エサを毎日あげていたらしい。
でも最近になってあまり吠えず、
「クーンっ」と何度も千冬に頭を擦り付け、
助けを求めていたそうだ。
弱ってきている。
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犬に近づくと、
ーー犬「う”ぅ”ぅ”ぅ”!!」
ーー犬「わ”ん”っわ”ん”っ!!」
威嚇され、吠えられてしまった、
千冬が犬に近づくと千冬のそばに行って
千冬の後ろに隠れた。
ーー千冬「あわっ、ハル…!(焦)」
ーー三ツ谷「ハル?」
ーー千冬「名前をつけてあげたんです、」
どうやら捨てられてしまったらしい。
よく見てみればその犬は片足を引き摺って歩いていた。
ーー千冬「虐待されてたみたいなんです、」
ハルはずっと千冬の後ろで「クーンっ」と連呼するだけだった。
ーー千冬「家で飼ってあげたいけど、、猫がいるので、、」
ーー三ツ谷「そうか…。」
それからと言うものの、いつも三ツ谷と千冬は集会後ハルに会いに行き、
エサを与えた。
ーー千冬「ハル。」
ーーハル「くーんっ、くーんっ、」
ずっと虐待をされ、人間が怖くなってしまった。
きっとそうなんだろうと。
エサを、与えようと挑戦したが逃げられてしまい、
俺を怯える目で見た。 怖がっている。
手を近づけると
ーーハル「わ”ん”っ”!!」
ーー三ツ谷「いっ、!」
勢いよく噛まれた。少し痛いが血は出てない。
ハルはすぐに離し、千冬の方に逃げていった。
でも、ハルはすぐに戻ってきて、
噛んだところを舐めた。
甘噛みだったから平気だと言うのに、
それをハルはわかっているはずなのに、
ずっと舐めて「クーンっ」と鳴いた。
初めてだった。少し、嬉しくなった。
ーー三ツ谷「大丈夫だ。」
ハルの頭に手を乗せた途端、「びくっ」っと体を反応したのを俺は見逃さなかった。
千冬も。
撫でてやるとハルは震える体をやめた。
頭を擦り付け、俺。千冬。俺。千冬の順番で頭を擦りつけた。
ーー千冬「良かったですね。」
千冬は微笑んで、
俺には大粒の涙が溢れて止まなかった。
ーー三ツ谷「あぁ、泣」
ハルが初めて心を開いてくれた日だった。
コメント
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んー···推しが2人の物語···最高