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広海 菜々
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やなとくん視点
ガチャ
「やなとさん!!今日はどうしたの!?」
「…おさでい、」
「んー?」
「おさでいなんて大っ嫌いだ。別れよう」
「えっ、?ちょっと待って、!?」
バタン
おさでいが追いかけてくるかもしれない。…逃げよ。
「はぁっはぁ」
遠くまで走った後、俺はおさでいが後ろにいないことを確認してゆっくり歩き始めた。
「グスッ」
本当は大嫌いなんて嘘。これからもずっと一緒にいるはずだった。
でもこれしかなかった。こんなことをしないとおさでいが悲しむから。
俺は一ヶ月前ほどに癌と診断された。いつだって死と隣り合わせ。いつ死ぬか分からない。治る確率だって低い。
だから、俺のことが嫌いになるように。忘れてくれますように。
ガチャ
…家に着いた。けどもうこの家もとももうすぐお別れ。
「ううっ、もういやだ、泣」
死にたくない。まだみんなと、!
入院だってしたくない。治るわけでもないくせに。
暗闇の中携帯を開くとものすごい量の通知が来ていた。
プルルルルルルル
そんなとき一つの電話が届いた。
「はい、もしもし」
相手はだいきりだったようで咳払いをした後話し始めた。
「んん“っ、やなと、おさでいとなんかあった?」
「ごめんっ、話す気になれない」
電話を切ろうと耳から携帯を離すと
「おさでいがさっき泣きながら走っていってたけど、」
「、そっか」
ごめん、ごめんねおさでい、だいきりさんも迷惑かけちゃってごめんね。
ピーーーーーーー
俺はなにも言わずに電話を切った。
「癌のこと言ったらさらに悲しくなるよね、笑」
俺のこと忘れてください。嫌いになってください。
急に大粒の涙がこぼれ始める。
「ごめんねっ、最悪だ、おれっ泣」
みんなに迷惑かけて、嫌いなんて言って、もう亡くなるから責任も取れない。
「治療がうまく行ってください、泣」
「まだっみんなと、泣」
こんなこと考えてももう意味がないのかな。
今日はもう寝てしまおう。
朝起きると、またもや携帯の通知が大量に溜まっていた。
、返信してみようかな。
『やなと、ごめん俺なんかした?今日聞きに行ってもいい?』
『別になんも。来てもいいよ』
最後に、ほんとに最後。会っておこう。
都合が良くてごめんね。
『ほんとに!?今から行く!!』
この涙をすぐに拭いておかないとな。
おさでいくん視点
昨日急にやなとから別れを告げられた。
俺なんかしちゃったかな、?
目がものすごい腫れてる。どうしよ。
今からやなととちゃんと話すつもりなのに。
「もういいやっ、」
早く真実を知りたくて自分の顔なんて気にせずやなとの家に走った。
ピンポーーン
「はぁい、」
やなとが俺の顔を見上げる。
俺は沈黙の方が気まずいので話し始めた。
「なんで俺のこと嫌いになったの?」
「えっと、」
やなとは俺と目を逸らして答えた。
「なんでもいいでしょ、!」
やなとの手はかすかに震えていた。
「教えてくれないなら別れない。納得できない」
やなとは苦しそうな顔をして、
「俺と付き合ってもいいことないよ」
え?俺そんなに酷いことしたっけ??
でも俺はどんなことがあっても別れない。
「いいことなくてもいい。俺はやなとと一緒にいれたら、」
俺が言いかけるとやなとは静かに大粒の涙をこぼした。
「えっ!?ごめん大丈夫?」
「違うっ違うの泣」
やなとは泣きながら言い訳をし始めた。
「俺、やなとがいないとダメなんだ」
「ごめんね、一緒にいれなくてっ泣」
どうゆうことだ?やなとは悪くないのに
でも、もう最後ならなんだっていい。後悔はしたくない。
急すぎるが、俺はやなとに優しくハグをした。
「離してっ泣」
「やなとが別れたい理由、教えてくれるまで離したくない。なんで俺達は別れないといけないの?」
気持ち悪いかも。俺。
「それは、おれがっ」
「癌になっちゃったんだ」
俺の背中がやなとの涙で濡れる。
「それでも俺はやなとと一緒にいたい」
「俺がかかった病気は死亡率が高くて、施術が成功する確率が低いの泣」
「施術成功するよ、絶対」
無責任かもしれない。けどやなとが安心してくれるなら!!
「俺はやなとが癌でも好き。その覚悟でやなとと別れたくない」
やなとは小さく頷いたあと、
「俺もほんとは大好き。別れたくなかった」
不安そうだったやなとの顔が明るくなった。
結果やなとの手術は成功し、俺たち2人は幸せに一生を共にした。
コメント
2件
書く物語がいつも天才!!これからも頑張ってください!