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side元貴
授業は久しぶりだったから楽しく受けられた気がする。
休み時間には若井が話しかけに来てくれたし、思ったより学校は悪くないかもしれない。
お昼休みになった。
若井は僕と食べてくれるのだろうか。
不安と期待が入り交じった気持ちで机の上のお弁当を見つめる。
若井「元貴〜!一緒に弁当食おーぜ!」
若井の声が聞こえた瞬間心が弾んだ。
上がりそうになる口角を必死に抑えながら、答える。
大森「しゃーなしね!」
若井「ふふ、ありがと!」
お弁当を持って廊下を歩く。
大森「若井はいつもどこで食べてるの?」
若井「いつもはねぇ、あいつらと教室で食べてるんだけど〜、元貴は特別!」
大森「とくべつ?」
特別ってなんだろう、、
若井「俺の秘密の場所に案内してしんぜよー」
大森「秘密の場所!いきたい!」
秘密とかわくわくする!楽しみ!
てか僕は特別って…なんか…///
ううん、嬉しくなんかないしっ
若井に案内されて着いたのは…
若井「じゃーん!屋上でーす!」
大森「おぉー!すごい!屋上って入れるの!?」
さぁっと広がる少し殺風景な空間。
少し冷たい風が心地よく当たる。
僕、実は屋上で友達とご飯とか食べるの小さな夢だったの…!
若井「実はかかってた南京錠はねー、俺が付けたんだー!笑」
大森「えー、何それわるー!」
若井「バレなかったらいいんですー」
そういいながらお弁当を広げる若井。
無邪気な笑顔がとても輝いて見えた。
隣に腰掛け、僕もお弁当を広げる。
大森、若井「いただきまーす!」
一緒に手を合わせて食べ始める。
若井「それ美味しそー!もーらいっ!」
大森「あー!僕のミートボール!」
若井「ん、うま!」
大森「ぼくのー!」
大事なミートボールなのに…
若井「ごめんごめん!」
若井「俺のハンバーグあげるから!」
ハンバーグ!!やったぁ!
大森「ほんと!ありがと!」
ハンバーグー♪おいしいなー♪
大森、若井「ごちそーさまでしたっ」
こんなに楽しいお昼ご飯は初めてだったなぁ…。
長い階段を降りながら話す。
若井「元貴はさ、部活とか入らないの?」
大森「入らないかなぁ…めんどいし。」
若井「そっかぁ…」
大森「急になんで?」
若井「いや、サッカー部のマネージャーになってくれたら毎日一緒に帰れるのになぁって。」
なにそれ、僕と一緒に帰りたいってこと…?
若井「元貴と居るとすごく楽しいからさ!」
若井「これからもずっと一緒に居たいな!」
満面の笑みで言う。
こいつ…!
こんな恥ずかしいことよく平気で…///
大森「あっそ、…///」
顔が熱い。ほんと調子狂う。
その後は授業を受けていても、掃除をしていてもあの輝く笑顔と台詞が頭から離れなかった。
…
放課後。
大森「わか…いは部活か。」
ささっと鞄に荷物を詰めて、席を立ち、少し寂しいような気持ちで靴箱に向かう。
若井と一緒に帰りたかったな…
無理なのは考えたらわかる事だけどさ。
期待した僕がバカだったのかもしれない。
その時、軽快な足音がして僕の求めていた声が聞こえた気がした。
若井「元貴ー!」
え、若井…?
若井「一緒に帰ろーぜ!」
大森「え、なんで、部活は?」
若井「あー、休んできたっ!」
当たり前とでも言うかのように笑う。
なんで、そんなに僕の望むことができるの。
ほんと…敵わないなぁ。
大森「なに、してんの。」
ぽこっ
若井「いてっ」
なんでそんなに優しいんだよ。
…惚れちゃうじゃんか…///
その時、心のどこかで小さく音が鳴ったような気がした。
よく考えれば、この時からかもしれない。
僕の中の何かが狂ってしまったのは。
コメント
4件
もっくんのしゃーなしねってのがツンデレ感あって無理かわいい死ぬ というか若井さん、南京錠付けんなやw
あーもーすき。ほんっとにすき。もときのツンデレ感かわよすぎだろ……