颯馬視点
はぁ、あのくそばばあ、朝までには終わるとか言ってたくせに、
早くアイツに会って、懲らしめねぇと、
ん?なんだか教室騒がしいな、
…湊、?
と、湊の視線の先には、クラスメイトが群がってる。
「最低だな、お前」
「本当。誠実な人かと思ったのに、」
は、?どういうこと、?
「お前なんか、」
っ、まずい、
俺はダッシュで湊の前に立つ
バシャッッッ
頭からつま先まで濡れた。
あーあ、しかもバケツまで当たったし、笑
幸いジャケットをそこで脱いだやつが被害受けてないから、それ着よ、
「あーあ、濡れちゃった、」
いつもよりも低音になる。
あ、これ、だいぶ俺怒ってるわ、
「そ、うま、」
っ、!
湊の声がとても震えている。
怖かったな、
「怖かったな、湊、もう大丈夫だ、」
優しく、ぽんっと手を湊の頭に乗っける。
すると、湊の目から大粒の涙が流れる。
泣き顔可愛いけど、こんな泣き方されたら、怒りが勝っちゃうよ、
さっきそこに捨てたジャケットを湊に被せる。
こいつ、プライドめっちゃ高いから、あとで「泣いているとこ見られた」なんて言われたら嫌だし。
「湊、行こっか。」
早くここから連れ去りたい、
こんな姿、見たくねぇよ、俺、
あとは、
「お前ら、覚悟しておけよ、?」
そう俺が言ったらみんな顔を青ざめる。
まぁ、俺の権力は、結構すごいからな、
父親は政治家だから、権力はある方だ。
そうして無言で教室を出る。
「湊、大丈夫か?ほら、ハンカチ。」
今日ハンカチ持ってきて正解だった。
「あぁ、ありがとう、颯馬、」
涙声でそうお礼をした湊。
なぁ
俺、限界
ずっと耐えてきたけどさぁ、
ギュッ
そっと湊を抱く。
「あのさ、湊、」
自分の声に驚く。
こんなに、震えているから、
こんなに震えているのは、初めてかもしれない、
「好きだ、」
ずっと、言えなかった3文字の言葉、
なぁ、俺が、絶対に守るから、
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