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夫とだけはしたくありません

25 - 第25話 遠藤とのランチ、見張られてる?

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2024年11月12日

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いつもの木曜日。


朝から圭太を母に預けた。


「今日は友達とランチもするから、圭太をよろしくね。何かあったらすぐ帰るからいつでも連絡して」


“子どもを預けて夫以外の男性と食事をする”それがひどく道理に背くことのようで、そのために我が子を預けることが母親として最低の行いのように思えてしまう。


なのでせめて何かあったらすぐ帰ることだけは約束しておく。


_____自分に対する言い訳でしかないけれど



ぴこん🎶

《少し遅れて偶然のように行くからね》


今日の遠藤とのランチのことを、成美に話した。

言わなくてもいいかなと思っていたけれど。



《遠藤さんとランチするなら、約束だから私もそこに行くね。念のため》


もしもの時の保険に成美も同席してくれるらしい。


《それにね、杏奈がいいなと思う男を見てみたいから》


成美も仕事の出先でこちらに来るように、段取りをつけたらしい。



待ち合わせのカフェに到着した。

遠藤は先に着いて、席を取っているとメッセージがあった。


「あの、待ち合わせなんですけど……」


「では、あちらの方でしょうか?」


店員が指した窓際の席に、遠藤がいた。


まるで初めてのデートのようで、ドキドキして足元がふわふわする。


「お待たせしました」


「いや、そんなに待ってませんよ」


事務所で見る遠藤と変わらないのに、ここで見ると憧れの人のように見えるのは、背徳感のせいだろうか。


私は遠藤と向かい合って座った。


明るい窓からは、通りを歩く人が見える。


_____不倫相手とこんなところで食事なんてできないな


ただの仕事の付き合いだから気をつかうこともないのに、あれこれ気を回してしまう。


パスタランチを注文した頃、ふと見た窓の外から成美が手を振っていた。



「あ、成美……」


「お友達ですか?」


「はい、あの……」


「よかったらお呼びしますか?」


「いいんですか?」


「もちろん!食事は多人数の方が美味しいですよ」


自分で成美が来るようにしておいて、遠藤がなんの躊躇もなく呼び入れることに少なからずショックだった。


_____せっかくの二人の時間なのに


なんて、そんなことはまったく考えていないのだろう。


目の前でいつもと変わらない遠藤を見て、私はうれしいのか悔しいのかよくわからなかった。


「おいで、ここ!」


ゼスチャーで成美を店内に呼んだ。


「あれ?もしかしてお邪魔だった?」


そんなことを言いながら、成美はしれっと私の隣に座った。


「こちら、私のアルバイト先の担当の、遠藤さん。こっちは友人の杉山成美さんです」


「はじめまして、遠藤です。岡崎さんには頑張ってもらってまして、今日はそのお礼にランチに。よかったら杉山さんもどうですか?」


「ランチか……でも仕事の合間だから私はコーヒーだけで」


成美はアイスコーヒーを頼んだ。


「ごめん、これ、置かせて」


テーブルに成美が広げたのは仕事の資料のようだ。


「え?なに?」


「これ見て!私も参加してる新規事業なんだ、すごいでしょ?」


こんなこと打ち合わせてなかったのにと、成美を見る。


_____なんで?


私とチラッと目を合わせたけど、そのまま資料の説明を始めた。


「すごいですね、杉山さんはできる女性なんですね?」


遠藤が成美を尊敬の眼差しで見た。


「あ、やっぱ、私もランチください!少し遅れるって連絡しなきゃ」


スマホを出して会社に連絡メールを送っている。


まさか、ここに成美がくることは計画だったとは遠藤には言えず、予想外の展開に私はなにもできなかった。


バッグの中でスマホがLINEを受信した。


もしかして圭太に何かあったかと急いで取り出したら、送信主は隣の成美だった。


《少し離れた席に、ずっとこっちを見てる若い子がいるけど、知り合い?カメラ向けてた気がしたから、仕事の打ち合わせをしてることにしよう。遠藤さんは私の会社の人ということにして》


_____えっ!


私は、その《若い子》》やらに悟られないように、時計を見るふりでゆっくり振り返った。


雰囲気が少し違うけれど、あれは舞花の友人の仲道京香だ。


_____しまった!でも。


成美の機転で、うまく誤魔化せそうだ。


ほっとしながら最初からそうだったように、3人で楽しくランチをとった。




















アルバイト先の事務所から少し離れた、カフェで会うことになっていた。


『女性に人気のランチがあるみたいです。ここでいいですか?』


表通りに面した、明るい店内の写真が添えられていた。


隠れ家的な場所になるかと予想していたけれど、オープンなカフェを提案されたことで遠藤の誠実さを感じられた。


遠藤にとっては“仕事の打ち合わせ”“友人とのランチ”ただそれだけのことで、深い意味はない。

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