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sotg
『なんでもするよ』
so視点
放課後の放送室は、今日も夕日で金色に染まっている。
カーテンの隙間から差し込む光が、先輩の髪を柔らかく照らしていた。
so …先輩、マジで可愛い
tg うわっ、また急に言う〜!やめてってば〜
先輩は椅子の背もたれに寄りかかりながら、ちょっと照れた顔で笑う。
俺はその顔を見るのが好きだった。
……いや、好きっていうか、ほんとは、それだけじゃなくて。
tg まじで、そういうの誰にでも言ってるでしょ?
so 言ってないって。俺がこんなに好きなの、ちぐさ先輩だけだし
tg はーいはーい。ありがとね〜、しおたんは本当優秀な後輩だな〜
そんな風に言われると、胸の奥が熱くなる。
でも、そのあとすぐに冷える。
だって、先輩は何も知らないから。
俺が昨日、誰にも気づかれないようにあの女子のSNSアカウントを通報して、鍵垢になったのを見届けたことも。
先輩に話しかけてた男子の席が、今日から遠くに移動されてる理由も。
朝、昇降口で誰よりも早く先輩を待ってるのが、俺だけなのも。
全部、俺がやった。
全部、先輩が“俺のもん”になるように、俺がやってる。
でも、先輩はまだ笑ってる。
俺のことを、ただの「可愛い後輩」だと思ってる。
so ……先輩
tg ん?
so 好きです
tg え…う、うん、ありがとう…?
ちょっと戸惑って笑う先輩が、どうしようもなく愛しかった。
どうしてそんなに、無防備なんだろう。
どうして、俺の気持ちに気づかないフリができるんだろう。
so …俺、先輩のためならなんでもするよ
tg え、なにそれ怖い〜
冗談みたいに言うけど、本当だよ。
先輩を一人にしないように、俺は毎日記録してる。
・誰と何時に話したか
・笑った回数
・スマホを触った時間
・俺と目が合った回数
そして、もし“それ以外の誰か”が増えていったら——
so ……消すしかないよね
その言葉は、誰にも聞こえないように呟いた。
でも大丈夫。
俺はずっと、先輩のそばにいるから。
ちゃんと、全部見てるから。
——先輩、明日も笑ってくれるといいな。
♡お願いします🙏
リクエストあったらコメント欄へお願いします🙇♀️
コメント
2件
メンヘラ?なところがマジで好き!