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ああ、読んだよ…。第1話のビーチの思い出がフラッシュバックするタイミング、すごく切なかった。大雨の中の留守電、「お別れなんて嫌」って叫ぶシーンでぐっときた。それから1年の空白、卒業アルバムに2人の写真がないっていう象徴が効いてる。8年後の再会で「止まっていた何かが動き出した」っていう終わり方…続きがすごく気になるな。橘くんはどうなったんだろう? Vellさんの時間跳躍のやり方、丁寧で好きです。
その日は曇天だった。
「橘が留学するって、、、、!、」
クラスメイトの声、私はその言葉をどう受け止めればいいかわからなかった。橘くんが留学?どうして、、?私とずっと一緒にいたいって、守るって、言ってたくせに!今年の夏の思い出がフラッシュバックした。告白のビーチ、大雨で散々だったけれど、一生忘れない素敵な思い出。そして先日見てしまった橘くんとその父親の喧嘩。嫌な予感はしていた。あの日から橘くんは学校にも来ていないし、私に連絡もよこさない。こんな形でお別れは嫌だ。気づけば私は空港へと続くバス停へ駆け出していた。 「橘今日出国らしい」その言葉が繰り返し頭で渦巻いている。こんな形で縁切りだけはいや、、、一刻も早くバスに乗ろう。そしてきちんとお別れの挨拶だけでも、そしてこれからもずっと愛し合いたいと伝えたかった。
「はぁ…はぁ…なんで、」
あいにくバスはもうなかった。曇天だった空は大雨となって変わっていた。雨粒が頬から伝っていく。いやこれは涙か。はは…とにかくぐちゃぐちゃになった顔。そして携帯を握りしめ、橘くんの番号にかける。
「ーーーーおかけになった電話は電源が切れているか電波の届かない場所にーーーーピーの発信音のーーーー」
私は録音システムに必死で訴えるようにこう言った。
「橘くん!お別れなんていや!なんでメールも電話も繋がらないの?私はまだーーーー」
録音システムが時間切れで切れてしまった…目尻にブワッとに熱がこもる。こんなので私の恋は終わりなの?なんで何も返事をしてくれないの?なんでお別れなの?繰り返す疑問。私は大雨の中泣くことしかできなかった。私は家に帰るしかなかった。
――1年後
とうとう橘くんは高校在学中に私に一回も電話もメールもしなかった。百谷くんもマランに入ってから連絡もなくなったし、そもそも学校に来なくなった。卒業アルバムには2人の写真がない。私の心にポツンと穴が空いたのを煽るように。何も彼らがいた証拠がない。喪失感と呆れで私の心はここ一年間いっぱいだった。
「はぁ…バイバイおバカなお二人さん」
私はそう呟いた。もう2人とは関わることもないだろう。このぽっかり空いた穴は時間が埋めてくれる。そう信じるしかなかった。できればこんな経験もう2度とごめんだ。そして私はこの日ひっそりと2人の思い出に錠をかけた。私の青春バイバイ。そして私の甘くて、愛しい恋もさよなら。
――8年後
私は社会人になった。あの淡い思い出は時を止めたまま進まない。でも、心の傷は時間と共にじんわりと癒えていた。ふとした時に写真を見つけても、もう過去のものだと割り切れるほどには。もう今日の仕事は終わったし、早く帰って執筆を続けないと、そう思って帰り道をトボトボ歩いていたその時、
「…百谷くん?」
驚いた。彼がこんなところでうずくまっているなんて。よっているのかな。でも、ここに置いて行こう。最初は本気でそう思った。最後に会ってから10年以上が経ってしまった。そんな私が果たして彼を連れて行ってもいいのか…そんな迷いが頭の中に浮かんだ。いや、流石に連れて行こう。私はそんな冷酷な人間じゃないし。ここで私の止まっていた何かが、確かに動き出した気がした。
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ゆーれい
20
サッピーの小説室
38
かぴんこ
100