テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
◇はじめに◇
こんにちは、作者の萌です。
この度はこの作品を開いて下さり、ありがとうございます!
皆様が少しでも楽しんでいただけるよう、私なりに頑張って書かせていただきます。
今回のお話は、「WTBL チャットノベルバージョン」の方に投稿させて貰った、kn様×nk様の「記憶」の別の場所でのお話です。
そちらの方を見ていただかなくても、分かるような話にさせて貰いますので、読まなくても大丈夫です。
もし、気になる方がいらっしゃいましたら、そちらの方も覗いて見てください。
このノベルは全体公開にしますので、お好きなときに見ていただけたら、と思います。
また、このノベルバージョンでは、誰の台詞か分かるように、以下の伏せ字を使います。
nk様→🐼 名前/中村 水季
br様→🍖 名前/本城 瑠玖
sha様→🦈 名前/鮫島 翠
kn様→🎤 名前/金海 時也
sm様→☺️ 名前/紫宮 笑真
kr様→👓️ 名前/桐谷 日彩
それでは前置きが長くなりましたが、本編スタートです。
お楽しみください!
⚠️注意⚠️
・WT様二次創作BLです
・br様🍖×sha様🦈
・地雷の方、苦手な方は自衛お願いいたします。
・ご本人様とは全く関係ありませんのでご迷惑とならないよう、お願いいたします🙇
・学パロです
▪▫▪▫▪▫▪▫▪▫▪▫▪▫▪▫▪▫▪
br×sha
第1話「1番になれない」
僕らが出会ったのは高校2年の春。
1番最初に君を見たのは、放課後のプールだった。
🍖
「ふわぁ~、今日も疲れた~」
「新しいクラスも大分慣れてきたかな」
このとき僕は寝床になるちょうどいい、暖かい場所を探してた。
4月の中旬でこの日はすっごい晴天で、気持ちいい日だったな~
大きい木があったからそこの下で寝ようと思って、グラウンドの端にあるプールの横を通ったとき、僕は彼に一目惚れした。
「飛込!よーいハイ!」
🦈
スッバシャン
🍖
「っ、!//✨」
カッコいい…
たしかあの子は、今年同じクラスになった、”鮫島 翠(さめしま すい)“君だったかな
水泳部だったんだ…
水泳はあんまりやったことがない僕でも、あの飛込はすごく綺麗だ、っていうのは一瞬で分かった。
🦈
「っし!」
「上手くいった…!」ニコッ
🍖
「笑ってる…!」
翠君は目の下に隈があって、あんまり笑った顔を見たことがなかったけど、今の笑顔はとびきり可愛かったし、素の彼、という感じがした。
「今度話しかけてみよっかな~…」
そんなことを思いながら、目的の木に向かった。
・・・
“?”
「おい」
🍖
誰か近くで話してる、?
“?”
「おーい、大丈夫か?」
🍖
「ん、?zzz」
“?”
「ふはっ、!よく寝るやつだなw」
🍖
「…んぁ~、」
「、っえ?!」
🦈
「おはよ」
🍖
「へ、えあ、おはよう、?」
🦈
「なんで疑問形?w」
🍖
「いや、だって翠君いるから…!」
ビックリした…
起きたらついさっき一目惚れした人が目の前にいるんだから
彼は部活が終わったようで、まだ髪は乾ききってなかった
光が反射して、彼がとても輝いて見える
🦈
「お前、俺の名前知ってんだ」
🍖
「いや、まぁ、ね?同クラだし」
🦈
「そーいえばそうだっけ」
「なんかでかいやついるな、とは思ってたけど」
🍖
「なにそれ~?w」
「僕、覚えて貰えてたんだ、嬉しいな~」
🦈
「まぁ、でけぇし」
🍖
「そっか~w」
「あ!そうだ!さっき飛込してたよね!?めっっっちゃ綺麗だった!✨」
🦈
「だろ!見てたのか?」
「あれは結構上手くいったんだよ」
🍖
「いつから水泳やってるの?」
🦈
「小1から?かな」
🍖
「すっごー!めっちゃ努力してきたんだね」
🦈
「そ、んなことないだろ…」
🍖
「いーや、あんな綺麗な飛込はたくさん練習しないと出来ない!」
「尊敬するよ~」
🦈
「どーも…//」
「お前はここで何してたんだよ」
🍖
「僕?僕は眠いから寝てただけ~」
🦈
「ネコみたいだな」
🍖
「よく言われる~w」
「ねぇ、また見に行ってもいい?!」
🦈
「別にいいけど」
🍖
「やったぁ~、ありがとう!」
🦈
「そんなに見たいのか?」
🍖
「カッコよかったからね~」
「どんな練習してるか気になるし」
🦈
「…そっか」
🍖
(….?)
一瞬、彼の目から光が消えて、何かに失望しているように見えた
🍖
(気のせいかな…? )
「あ、あとさ」
🦈
「ん?」
🍖
「目の隈、大丈夫?」
「無理しすぎてない?」
🦈
「っ、大丈夫だから」
🍖
「ホントに…?」
🦈
「大丈夫」
彼と会ってあんまり時間は経ってないけど、この子の” 大丈夫”は大丈夫じゃない気がする
🍖
「休んだ方が良いんじゃ…」
🦈
「もういいから」
「じゃあな」
🍖
「あ、…」
彼には何か隠し事がある、と思った
🍖
「まだ、信用して貰えないか…、いつか話してくれたら良いな」
翠君が辛い思いしてるんだったら、少しでも良いから僕にも背負わせて欲しい、って思うのはありがた迷惑かな…
・・・
次の日になって、僕はもっと彼のことを観察しようと決めた
🍖
(うーん…、友達とかはいない感じなのかな?)
彼は背が皆より少し小さいが、一際目立つという感じではなかった。クラスの男子とかとは少し話すくらいで、誰かと特別に仲良くしている様子はない。
🍖
(もう少し観察してみよう!)
お昼休みになり、僕は彼が行く先に付いていった
🍖
(…)
彼は渡り廊下を渡って人気の無い裏庭のようなところへ向かっていった。きれいな花に囲まれ、太陽がきらきら照らしている。
「いい場所だなぁ~… 」
🦈
「ふぁ~、疲れた…..」
ドサッ
と彼は裏庭のベンチに寝っ転がった。
🍖
「気持ちよさそ~」
とぼけーっとしていたら
🦈
「おい、聞こえてんぞ」
と声をかけられてしまった。
🍖
「ご、ごめん!あの、嫌な気持ちにさせるつもりは全く無かったんだけど、迷惑だよね!」
「僕は急いで戻るから!!」
「ごゆっくり!!」
やばいやばい、仲良くしたいのにこれじゃあもっと嫌われてしまう。せっかくの観察の機会だったが、今回は撤退しよう。
🦈
「…残ってけば」
🍖
「へ?」
🦈
「気持ちよさそうな場所に見えたんだろ?」
「な、なら昼飯食ってけばいいじゃん 」
🍖
「いいの!?✨迷惑じゃない?!」
「嫌ならちゃんと言ってよ~?」
🦈
「いや、じゃねぇから」
🍖
「やったぁ~!」
🦈
「ふはっwお前、おもろい奴だな」
🍖
「そぉかな~?」
🦈
「なんか、ふわふわしてるっつーか」
🍖
「それは褒め言葉?」
🦈
「…あほっぽいなって意味」
🍖
「悪口じゃん!やめてよ~w」
🦈
「昼休み終わるから早く食うぞ~」
🍖
「うわ~、そうやって話そらすんだ」
「卑怯もの~」
🦈
「卑怯でいいから早く食え」
「置いてくぞ」
🍖
「分かったって!食べるから!」
なんかいい感じじゃない?!
翠君も前より元気な気がする。あのときは寝不足だっただけなのかな。まぁ、無理はしないで欲しいんだけど。
そんな風にして昼休みは終わった。
・・・
放課後になって、僕はなにしようかな~、なんてのんびり考えていたら、翠君がハダバタと準備をしているのが見えた。
🍖
「翠君!なにしてんの~?」
🦈
「びっ、くりした、驚かすなよ!」
🍖
「ごめ~ん」
🦈
「絶対謝ってないやんw」
「俺は今から部活」
🍖
「そーなの!?ね、見に行っていい!?」
🦈
「あ~、多分いいんじゃね?」
「今日は自主練だし、顧問いないから」
🍖
「おぉ!じゃあ、行こっかな~ん」
🦈
「ちょっと濡れるかもだけど平気?」
🍖
「全然大丈夫!楽しみ~✨」
🦈
「そんなすごいもんじゃないけど 」
🍖
「いいの!僕にとってはすごいんだも~ん」
🦈
「…ふーん、変な奴」
🍖
「早く行こうよ!」
🦈
「お前が泳ぐわけじゃないだろw」
🍖
「れっつごー!」
うわぁ~、めっちゃ楽しみなんですけど!また泳いでるところ見れるんだなあ
・・・
🍖
「…カッコいい」
着替えて、シャワーを浴びて、帽子をつける仕草をしているだけなのに、彼はとてもたくましく見える。
これぞ水も滴るいい男、というんだろうか。
確かに今思えば、”鮫島翠”という名前も、サメが入ってるし、翠っていう字もなんか遠くまですいすい泳いでいけそうなイメージがある。いや、羽っていう字があるからどっちかって言うと飛んでいけそう、なのか。まぁ、どっちでもいいや。
バシャン!
🍖
「…..」
(クロールを泳いでいるだけなのになんでこんなにオーラがあるんだ)
本当にサメみたいに泳いでいた。彼の泳ぎからは真っ直ぐさを感じる。言葉で表すのは難しいけど、今までの努力が滲み出てるというか、とにかく中途半端な気持ちではやっていないことはすぐに分かった。まぁ、僕はこんなに偉そうに評価できる立場じゃないんだけどね~
🦈
「俺、後ちょっとしたら終わるけど、お前どうすんの?」
🍖
「え!もう!?」
🦈
「もう、って1時間半くらい泳いでるけど」
そんなに時間が経っていたのか。気づかなかったな。
🍖
「ん~どうしようかな~」
「あ、翠君って家どこ?僕、南の方なんだけど」
🦈
「俺ん家もそっち方向」
🍖
「じゃあさ!一緒に帰らない?!」
🦈
「っえ」
🍖
「帰り道一緒に帰ってみたいな~って思ってたんだよね~」
🦈
「少しなら…..いいけど」
🍖
「ホント!?ありがとう!」
やった、と思う反面、彼から突き放されているようにも感じた。今までもたまにあったけど、やっぱり誰かと特別に仲良くすることにあまり良い印象を持っていないんだろうか。
そんなこともこれから分かっていけばいいな、って思った。
・・・
帰り道
🍖
「え、翠君もそのゲーム知ってるんだ!」
🦈
「おう、あーいうゲーム好きなんだよ」
🍖
「へぇ~、また今度やろうよ!」
🦈
「できたら、な」
🍖
「…..はぁ~い」
う~ん、やっぱ距離取られるときがあるんだよなぁ…..。
🍖
「そうだ!」
🦈
「なんだよ、急に、」
🍖
「翠君って呼ぶのなんかよそよそしいから、あだ名で呼びたい!」
🦈
「あだ名?また変なこと言い出すじゃんw」
「なんか良い案あんの?」
🍖
「えーっと、そーだなー…..」
サメ、翠、すい、…..くん、しゃーく…..
🍖
「”シャークん”!」
「ね、シャークんとかどう!?」
🦈
「っ!」
彼はひどく動揺して、少し震えているように見えた。
🍖
「ごめ、嫌…だったかな…..」
🦈
「っ、や、だいじょうぶ」
「シャークん、でいいよ」
🍖
「ホントに…..?」
🦈
「そ、それより!」
「俺はお前のことなんて呼んだら良いんだよ?本城、だよな?」
🍖
「名前知ってるの!?」
🦈
「同じクラスなんだから名前くらい分かる」
🍖
「だとしても嬉しいなぁ~」
「えっとね、僕のことはなんて呼んで貰ってもいいよ~」
「よく呼ばれるのは”ぶるーく”だけど…..」
🦈
「なんでぶるーく、?」
🍖
「本城の”本”でぶっく、下の名前”るく”
って言うから繋げてぶるーく」
🦈
「そのあだ名付けた奴ネーミングセンス光りすぎだろ」
🍖
「あははw確かに」
「今度会ったら言っとくよ、友達がネーミングセンス褒めてたって」
🦈
「とも、だち…ボソッ」
🍖
「なんか言った?」
🦈
「いや、何でもない」
「じゃあぶるーくって呼ぶよ」
🍖
「うん、よろしくシャークん!」
🦈
「よろしく」
🍖
「じゃ、僕この辺だから!またねー!」
🦈
「またな」
僕はこの時知らなかった。シャークんが辛い過去を抱えていたということを。
・・・
日が過ぎていくうちに、シャークんは僕とたくさん話してくれるようになった。少しでも仲良くなれたのなら嬉しく思う。
とか言う僕はシャークんになんとも言えない気持ちを抱いていた。
シャークんが誰かと話してるとムカついてきたり、机で寝てるだけなのに愛おしく感じたり、最近の僕は変だ。
🦈
「ぶるーく?今日はどうするんだよ?」
🍖
「へ、ぇ!?な、何が!?」
🦈
「何がって、部活」
「見にくんの?」
🍖
「あ、えっとー…」
どうしよう、見に行きたい気持ちは山々なんだけど、今の状態で彼のカッコいい姿を見たら僕はどうにかなってしまいそうだ。
「ごめん、今日は用事あるからパスで!」
「また今度見に行く!」
惜しいがシャークんに変なところを見られたくない。僕の中の何かが暴れださないようにするためにも、こうするのが得策だ。
🦈
「分かった」
「じゃ、また明日」
🍖
「うん!またね~」
なんとか耐えた。最近、シャークんが可愛く見える。いや、元々小柄だから可愛くはあったんだけど、よりいっそう可愛く見えるんだよなぁ。僕、疲れてるのかも。
(今日は早く寝よ~)
それからというもの、僕はシャークんへの接し方が分からなくなり、だんだん彼のことを避けるようになってしまっていた。
🦈
「ぶるーく?」
🍖
「ご、ごめん、僕お腹痛いからトイレ行ってくる!」
🦈
「え、おい!」
ごめんね、でも、こうでもしないとおかしくなりそうなんだ。
そしてある日、
放課後ぶらぶらして帰るか~、と思いながら廊下を歩いていたら、フラフラしているシャークんを見かけた。
🍖
「シャークん!?」
🦈
ビクッ「…っ」
🍖
「大丈夫!?顔真っ青、隈もひどくなってる…..」
🦈
「も、いいから…..」
🍖
「とりあえず保健室行こ!歩ける?」
🦈
「…..ほっとけよ」
「自分で行けるから、」
🍖
「でも、!危ないよ!」
🦈
「いいから!自分で行けるから!」
「早く どっか行けよ!」
🍖
「え、シャークん…?どうしたの、?僕何かした?」
🦈
「…..お前といると辛い」
「頭も心も全部疲れる」
シャークん…..?”疲れる”?知らなかった。僕が彼を追い詰めてた?
🍖
「ご、ごめん」
🦈
「…もう、俺に構うな」
っ、そっか…..、僕は友達失格か。
“ ?”
「シャークん、…..?え、なにしてんの」
🦈
「す、ま…」
バタッ
🍖
「シャークん!?」
“ ?”
「おい!大丈夫か!?」
🍖
「あ、あの、シャークんのこと保健室に連れていってくれますか?」
“?”
「あ、え俺が?」
🍖
「僕、何かやらかしちゃったみたいで、あんまり近づいて欲しくなさそうなので…..」
“?”
「分かりました…..」
「では」
🍖
「お願いします」
…..、シャークんって呼んでたの僕だけじゃなかったんだ。僕とシャークんの間だけの特別なものだと思ってたのに。
あの人、シャークんと仲良さそうだったな…..。僕じゃダメだった…?何がダメだったか直すから教えてよ、シャークん。
僕は君の特別にはなれないんだろうか。
“1番”の存在にはなれないんだろうか。
はじめてあって、一目惚れしてからずっと、シャークんと過ごしてきて、僕の方がシャークんの良いところたくさん知ってるのに。
🍖
「あれ、?僕、シャークんのこと…..」
この時やっとモヤモヤした気持ちの正体が分かった。
僕はシャークんのこと、好きなんだ
▪▫▪▫▪▫▪▫▪▫▪▫▪▫▪▫▪▫▪
誤字脱字、読みにくいなどありましたらすみません。
楽しんで頂けたら幸いです!
次回はsha様視点で「1番はいらない」です!
長文でしたが見てくださり、ありがとうございます🙇♀️