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misaka
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「今日は保健だ。」
午前中最後の授業。
担当教師が教室へ入ってくる。
長い黒髪。
白衣を羽織った美しい女性教師。
その姿に教室の男子がざわつく。
「今日も美人だ……。」
「でも口がなぁ……。」
「黙りなさい。」
教卓に教科書を置いた先生は、冷たい視線を教室へ向けた。
「寝たら叩き起こします。」
「質問に答えられなければ補習です。」
「あと、私を見てニヤニヤしている男子。」
「鏡を見てから出直しなさい。」
教室中から苦笑いが漏れる。
雷斗も思わず姿勢を正した。
「さて。」
先生は人体模型を指さした。
「人間は何で動いていると思いますか。」
一人の男子が手を挙げる。
「筋肉です!」
「半分正解。」
先生は黒板へ『脳』と書く。
「筋肉を動かす命令は、脳から送られています。」
さらにその横へ。
『電気信号』
「脳は微弱な電気を神経へ流し、その信号で筋肉を動かしています。」
雷斗の表情が変わる。
(電気……。)
先生は続ける。
「つまり、人間は常に電気を使って動いているんです。」
「もちろん微弱ですけどね。」
その瞬間。
雷斗の頭の中で何かがつながった。
(そうか……。)
(僕の異能は雷。)
(だったら。)
(脳の電気を補助するように流せば……。)
授業が終わるや否や、雷斗は訓練場へ走った。
「《神速》。」
17%。
今度は全身ではない。
脳から筋肉へ伝わる電気をイメージする。
肩。
腕。
脚。
必要な神経へ沿って電気を流す。
バチッ。
一歩。
「速い……!」
二歩。
三歩。
体が軽い。
以前よりも自然に動ける。
拳を振る。
空気を裂く音が響く。
「これなら!」
雷斗は何度も繰り返した。
その様子を、担任は少し離れた場所から見ていた。
「面白い発想だ。」
雷斗は振り返る。
「先生!」
「保健の授業で思いつきました。」
「脳から流れる電気を補助するイメージです。」
担任は雷斗の説明を最後まで聞くと、小さくうなずいた。
「理屈は悪くない。」
「むしろ、お前らしい発想だ。」
雷斗の表情が明るくなる。
しかし、担任はすぐに表情を引き締めた。
「だが。」
「それは諸刃の剣だ。」
「え?」
「身体能力を引き上げるということは、それだけ筋肉や関節への負荷も増える。」
「脳の命令を速くしても、骨や筋肉の強度まで急に上がるわけじゃない。」
「限界を超えれば、自分自身を壊す。」
雷斗は黙って自分の手を見つめた。
以前、一八パーセントで脚を痛めた感覚がよみがえる。
「だから忘れるな。」
担任は静かに言う。
「その技は切り札だ。」
「常に使う技じゃない。」
雷斗はゆっくりとうなずいた。
「……はい。」
夕日に照らされる訓練場。
雷斗は新たな技名を小さく口にした。
「《電光石火》。」
電気で神経伝達を補助し、一時的に身体能力を底上げする自己流の技。
強力だが、自分自身を壊す危険と隣り合わせの、まさに諸刃の剣だった。
コメント
3件
いやもうこれ神回すぎません!?!?😭💕 保健の授業で「人間は電気で動いてる」って聞いて、すぐ自分の異能と結びつける雷斗くん、マジで頭良すぎて泣いた…✨脳の電気を補助する《電光石火》、発想が天才すぎるよ!でも担任の先生が「諸刃の剣」って警告するところ、めっちゃ現実的でグッときた…強さとリスクのバランスをちゃんと教えてくれる大人がいる安心感よ🥺 次回どうなるの!?この技、本番で使うシーンが楽しみすぎる…!!🔥