コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
━━━━━━━━━━━━━━━
「というわけで──今週末、6人でお泊まり会、決定な!」
ひまなつが高らかに宣言すると、みことは目をぱちくりさせた。
「えっ……唐突すぎない?」
「唐突なのがサプライズだって、ほら!」
らんがにこにことみことの肩を叩く。
「いーじゃんいーじゃん。そろそろみんなで集まりたかったしね」
こさめもノリノリで笑う。
「……別に、悪くないけど……」
みことはちらりとすちの方を見た。
すちは短くうなずいた。
「用意はしてる」
「え、すちの家なの?」
「いや、借りたコテージだって。ちょっと遠出」
「なんか……豪華すぎない!?」
「ふふっ、まぁ、それくらいしなきゃね」
こさめが微笑む。
けれど――みことはまだ、知らなかった。
その日が、自分の誕生日であり、
そして、みんなが何週間も前から秘密で準備していた日だということを。
━━━━━━━━━━━━━━━
【サプライズ準備】
場所はコテージのグループチャット。
いるま、ひまなつ、らん、こさめ、そしてすち。
(こさめ)「ケーキの注文、こっちでやったよ!チョコレートタルトでOK?」
(らん)「みこと甘いの好きだし、それで完璧!」
(ひまなつ)「プレゼントどうする?合わせる?各自?」
(すち)「俺はペアのマグカップにする。冬だし、使えそう。」
(らん)「え~~それ絶対みこと泣くやつ~」
(こさめ)「部屋の飾りつけは到着してから手分けしよっか。すちとみことはちょっと外に出して、その間に仕込む!」
(いるま)「了解。みことにばれたらアウトだから、自然に頼むぞ」
(ひまなつ)「すち、ちゃんと“いつも通りの顔”で頼むな。にやけたらアウトだから」
(すち)「……わかってるよ」
画面越しのやりとりだけでも、
みんなのわくわくした気持ちがにじんでいた。
そして、その中心にいるすちの表情は、
ふだんよりも少しだけ、やさしく、緩んでいた。
━━━━━━━━━━━━━━━
【みことの胸の中】
「……なんか、すちの態度、いつもとちがう……?」
いつもなら、ぴたっと寄ってきたり、ちょっと過保護なくらい構ってきたりするのに、 この週はどこか微妙な距離感。
そっけないわけじゃないけど、何か隠してるような。
(まさか……俺、なんか怒らせた……?)
落ち着かない気持ちを抱えながらも、
それでも「一緒に行こう」と言ってくれたことが、ほんの少し嬉しくて。
胸の奥で、小さな期待と不安が、ゆらゆらと揺れていた。
━━━━━━━
そして、当日――
冬の冷たい空気の中、ふたりの気持ちと6人の優しさが交差する夜が、静かに始まろうとしていた。
━━━━━━━━━━━━━━━
♡400↑ 次話公開