「イルカー!!」
「うるさいなぁ。黙れよモリオカ」
「お!久しぶりの苗字呼び!」
昨日はあまり眠れなかった。
一晩中考えてたけど、やっぱりあの違和感が何だったのかは分からない。
でも、あの青年が関係していることはすぐ分かった。
そして、その青年は古い地元の高校に転校したらしい。
どうやら2年生だったようで。
何で知ってるかって?
田舎の情報の速さなめんなよ
おいおい
何でいるんだよ!
あれから1週間くらい来なかったからやっぱりもう飽きたのかと思ったのに!まぁ違和感は消えなかったけど。
あと会うの気まずいんだよなぁ
(今日は帰るか)
そう思い、私が家に帰ろうとした時、
「あのー!」
ビクッ
な、なんだ!
振り向くとあの青年がこちらに叫んできていた。
うぅ、なんで来るかなぁ
「あの!あなたってここ好きなんですか?」
なんでそれを聞く?
「えっとー、どういう事ですか?」
まぁこの聞き方が私の中での最高だ。
「あぁー。この前俺が言った事聞いて慌てて帰ったんでもしかして俺邪魔かなって思って」
そうです邪魔ですぅ!
「毎晩窓見てるとアナタいっつもいるんで」
んんーー?
「え?窓?」
やば!思わず声に出た!
「あ、俺あの崖の家に住んでるんです」
なんだとー!?
結構近いやん!
「えっと、つまり毎晩私がここに来てることを知ってると」
「はい。てか今日も来てますもんね」
のわーー!
てかそれはまぁ仕方ないとして、
そこまで分かってんのに何で今日来たんだよ〜!
「それは少し話がしたくて、」
心読めるの!?うそん!
「いや心は読めません」
読めてんじゃないかぁ!
「んと、話をしたいんですか?私と?」
「はい」
マジかぁ
「へぇー、俺があそこ転校してきたこと知ってんだ」
「まぁ一応。ここら辺情報流れるのあっという間ですから」
コイツ私が年下だと知って一瞬で敬語とれたぞ。
そんなもんなのか?
「俺の学校でもあなた結構有名だよ」
「うそ!?言うなって言ったのに!」
2年で約束破りのやつは…
まさとだ。
「頭は良いけどどこが抜けてるって言ってた」
なんだそりゃ
「まさとって人が」
やっぱりな
「あいつ…….」
「まさとって結構貴方のこと話してますよ。夜海に来る人って聞いたらイルカだって…」
「貴方イルカなんですね」
「まぁニックネームのようなもんでそう呼ばれてます」
そう。最初に言った特定の奴とは、幼馴染みのモリオ、まさと、そうやの3人だ。
まぁこの村に住んでる奴らみんな幼馴染みの様なもんだけど、
って!
なに私普通に喋っちゃってんだ!?
「そして本題。」
え?今のが話したい事じゃないの?何?毎日ここ来て良いですかとかじゃないよね?
それだけはホント勘弁。
「俺の家、もしかしたら幽霊がいるかもしれない。」
「へ?」
結構心からの『へ?』だったぞ今の
そっち系ですか?
「毎晩寝る頃になって耳をすますと屋根裏の方からトタトタ走っている音がするんだ」
「へ?」
2度目の『へ?』だよ
この人は今まですごい都会で生きてきたのか
夜の屋根裏トコトコはねずみに決まってんだろシティーボーイめ。よほどいいとこ住んでたんだろうな
「それは多分ねずみですよ。」
「ねずみ?」
「知りません?ねずみは夜行性なので夜になると動き出すんです。」
「いや、それは知ってるけど……ねずみって家にいるの!?」
おぉー。めっちゃいい反応だ
「うわマジかぁ」
ケヒャヒャヒャ(分かる人には分かる)さぁイケメンシティーボーイめ。苦しむがいい!
「今までの家はねずみいなかったんですか?」
フフフ。少し遊んでやろう
「俺今まで都会に住んでたからなー。昭和の家じゃああるまいし、ねずみなんか普通出ない」
ここらの家は昭和の家なのかよ。ディスってる?私の勘違いですか?
「へぇ〜!都会ってすごい清潔ですね!」
「ううん。ここの方が清潔だな。」
「そうなんですか?」
なんか照れるなぁ。嬉しいでござんす
「都会の空気はいろいろ混ざって汚いし、ここの方が空気が美味しい」
ほーん。空気って味するんだ
ってとても言いたい!
「なんか、地元のことをほめられるとすごい嬉しいです!」
ほら、地元を愛すJK最高!
「それは良かった(?)俺もう帰るわ。幽霊じゃないと知ればぐっすり眠れるな」
「力になれて良かったです!(?)」
「さようならー!」
もうここに、この時間に、この世界に、絶対来んなよ
「やべぇ俺ねずみも無理だ」
…….
コイツキライ
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