テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
524
第21話「罠」
朝。
男は、いつものように家を出た。
昨夜の雨のせいか、空気が少し冷たい。
男「…」
歩きながら、スマートフォンを見る。
新しいメッセージはない。
当たり前だ。
莉々は必要以上に連絡を取る人ではない。
男「……」
それでも、少しだけ残念に思う自分がいる。
男「期待しちゃ、ダメだよね、」
そういい、角を曲がった瞬間。
背後から声。
「よぉ」
男「……っ」
振り向く。
昨日の男たちだった。
それも、人数が増えている。
男「……」
逃げ場はない。
「考え直したか?」
リーダーが笑う。
男「……何をですか」
「決まってる」
ゆっくり近づく。
「梵天の女を呼び出せ」
男「断ります」
その瞬間。
腹に拳がめり込む。
男「ぐっ……!」
地面に膝をつく。
「相変わらずだな」
髪を掴まれ、顔を上げさせられる。
「お前に選択肢なんてねぇんだよ」
スマートフォンを奪われる。
「……さて」
リーダーが画面を見る。
莉とのメッセージ履歴。
「へぇ」
ニヤリと笑う。
「ちゃんと繋がってるじゃねぇか」
男「……やめろ」
「心配すんな」
笑いながらメッセージを打つ。
【今夜、会えますか。大事な話があります。】
送信。
男「……!」
胸が冷たくなる。
「いい餌だぜ」
リーダーが言う。
「お前、役に立ったなw」
男「……あの人は来ないぞ、!」
必死に言う。
男「あなたたちが思ってるほど、甘い人じゃない」
「どうかな?w」
スマートフォンが震える。
全員の視線が集まる。
返信。
【場所は】
男「……」
リーダーが声を出して笑う。
「来るじゃねぇかw」
男は目を閉じた。
――最悪だ俺のせい。
その頃。
拠点。
莉は静かに画面を見ていた。
男からのメッセージ。
【今夜、会えますか。大事な話があります】
――不自然。 いつもより文章が硬い。
タイミングも妙だ。
そして。
【場所は】
と返した直後、すぐに来た返信。
指定された場所。
人気のない倉庫。
莉「……」
ゆっくり目を閉じる。
――罠。
間違いない。
それでも。
莉々は、静かに立ち上がる。
莉「私のせいかな、」
倉庫。
冷たい風が吹いている。
男は椅子に縛られていた。
顔には傷。
やっぱりね。
それでも、意識はある。まだ可能性がある。
「さて」
リーダーが時計を見る。
「そろそろ来る頃だな」
その時。
足音。
静かな靴音が、倉庫の入口から響く。
全員が振り向く。
そこに立っていたのは。
莉々。
一人だった。
リーダーが笑う。
「本当に来たなしかも1人か?w」
莉「……」
倉庫の中をゆっくり見渡す。
男の姿を確認する。
男「……どうして」
声が震える。
男「来ないでって、言ったのに」
莉「言われていませんので」
淡々と答える。
男「……罠なんです」
莉「分かっています」
男「……え」
莉「それでも来ました」
莉「狙いが私なんでしょう?」
「あぁそうだ。」
リーダーが手を叩く。
「いいねぇ」
ニヤニヤ笑う。
「覚悟はできてるってことか」
莉々は静かに言った。
莉「その人を解放してください」
莉「無関係でしょう。」
男「ツ~」
「断ったら?」
リーダーが笑う。
莉は、ほんの少しだけ目を細めた。
莉「動けなくしますか?強制的に」
その声は、驚くほど静かだった。
毎日投稿してみようかな
多分すぐ辞めちゃうけど
見てくれてありがとう!
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!