俺は朝っぱらから大声でそう言った
「もう何!」
母さんの声が下の階から聞こえ、
2階に上がってくる音がした。
「それにババアって言うな!」
『ババアの分際でそんなこと言うなよ!』
これが日常茶飯事で俺はもう罪悪感など
消え去っていた_。
ある日。
その日は俺の誕生日で母さんが
ケーキを買いに行ってる途中。
俺は友達と一緒に出かけてしまった。
母さんの電話が鳴り止まない時、
ポツンと電話が切れた。
俺は
『寝たかw』
と、呑気だった。
だが、そんな呑気な場合ではなかった。
夜中3時過ぎ…俺はあくびをしながら家に帰った。
(ババアはもう寝てるだろう)
(でも、いつもいびきをかくのに今日はかかねぇな)
そんなことを考えていたら_
母さんが倒れていた。
俺は血の気が引いて母さんを起こそうとした。
『お…おい!!ババア!』
ビクともしない母さんに俺はもっと血の気が引いて
青ざめた母さんの顔を見て初めて
〈母さん〉
という言葉を放った。
『母さん!母さん!!』
『いつものあのうるせぇ声出せよ!』
そんな事を言っているのに俺の視界は
_涙で濁んでいた_
俺の家計は父親は俺の小さい時に死んで、
女1人で育ててくれたのに俺はその感謝を忘れていた
(もっと日々感謝していたら)
(もっと…もっと…)
でももう、母さんは親父に逢いに行ってた。
俺はそこから叔母さんに引き取ってもらって、
育ててもらった。
(ああ、俺の周りにはこんなに優しい人がいるのに)
(なんで気づかなかったんだろう)
今頃気づいた所で何も出来ないのにね。
コメント
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あのいいねってどうやってやりましたか?教えてください🙇♀️