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【K視点】
人間界について習っているその最中。
確認テストを手に持ったあるまがおもむろに口を開く。
あるま「ふじみや、意外と成績いいね」
みや「え?」
すっとふじみやに差し出されたテストには80という数字。
K「は?!まじかお前」
みや「別に常識だろ」
と言うふじみやの声に約4名(僕含む)が顔を上げる。
プテ「常識、って魔界の常識じゃないじゃん!」
ポン「なんでわかんねーん!」
ねろ「俺でもわかんないよこれ。人間界にいただけじゃ無理だって」
みや「元人間だし、おれ。」
いやまぁたしかにふじみやは元人間だしできないことは無いだろうけど….だってこいつあれだもんなぁ….
あるま「え、ふじみやって人間だったの?!」
みや「一応ね。ほとんど覚えてないけど。」
影。「あるj((ん゙ん゙、奏のが分かるんでしょ?ふじみやの過去。」
K「あ〜、うん、まぁそうだろうね。ふじみやの過去って言うより僕のふじみやに関する過去って感じだけど。聞く?」
あるま「聞きたい!」
ぐっと身を乗り出しながらお願いしてくるあるまを見た後、ふじみやを向く。
みや「俺も気になる。どんなだったのか」
K「じゃあ話すけど。」
トン、と机の上に筆記用具を置いて目を瞑る。
100年以上前のことをそんな鮮明に覚えてる訳でもないが、大まかなことは覚えてる。だってあの日は衝撃の一日だったから。
K「はぁ?!今なんて!」
総長「だから、眷属にしてあげてって」
あの日は総長に呼び出されて始まった。人間界に死ぬも生きるも許されない人間がいると。この先50年以上死ぬことは叶わないし、その間意識を取り戻す希望もない。だからその人間を眷属にしてこいと。
総長「別に完全眷属にして来いって言ってるわけじゃないでしょ?」
K「完全眷属しか作りたくないからこうしてるんだけど」
こっちの言い分は全く聞きいれられなかったし、そのままポイと人間界に送り出されて拒否権もない。
まぁ胸糞悪い気持ちで病院に向かった。
事前に聞いていたのは、脳の病気にかかってしまい、当時の医術では治すことが不可能だったということ。意識不明の状態が続き、治ることも悪化することもない。
たまにうっすらと目を開けることがある。それでも意識という意識はなく、会話はできない。その時の記憶が本人にあるかは分からないって。医者は安楽死を提案したが、家族がそれを認めず、0.1%にも全然満たない可能性を追い続けていたと。それを見兼ねて総長が僕に声をかけた。
僕は眷属を作りたくなかった。なぜなら自分が作ったのに別のものになってしまうのが嫌だったから。完全眷属以外は作らない。そのために完全眷属を確実に作れるように練習し続けていた。
その頃はまだ不完全で確実に作れる保証なんてどこにもなくて。でも拒否権もないからとりあえず首筋に自分の歯を立てた。
少し血を抜き、自分の血を流れ込ませる。
そこから数分、何も起こらなかった。失敗したって思った。うっすらと目を開けた時、意識がないのかあるのか分からなかった。
みや「なに、これ」
声を発されて初めて、眷属が作れたことを悟った。でもこの後が問題のシーン。
みや「あんたら、誰?」
あんたらって、ふじみやは僕しかいないはずなのに、あたかも複数人いるような口調で話し出した。
その時医者が入ってきて、ふじみやの心肺停止を確認した。突然の事だったからか医者も驚きを隠せなかったようで、すぐに看護師を呼んでいた。
ってこんなのどうでもいい。
K「あんたら?誰が見えてんの」
みや「いや、え?俺だけ?」
その時僕の隣に人が現れた。現れたんだ。来たんじゃなくてね。
そいつは霊界案内人。死んだ人間が迷わず霊界に行き着けるよう案内する霊みたいなもんだ。
どうやら霊界でもふじみやを解放する運動があったらしく、魂を成仏させ、案内人として働かせるつもりだったらしい。
ということで魔物、案内人と同時にされたふじみやは魔物ではあるが人を成仏させたり霊界に干渉できる不思議な存在、死神になったというわけだ。
K「ま、大雑把にこんな感じ。」
みや「もしかして俺、記憶ないんじゃなくてなんもなかった?」
K「ま、生まれつき体弱かったらしいし。」
あるま「へぇ〜。そんな過去があったんだ。」
いつの間にかふじみやの膝の上で話を聞いていたあるまがうんうんと頷いている。
ちゃげ「えーっと……これは何?」
ピラッとこちらにみせた紙にはふじみやの名前と20の文字…..
あるま「あたまわるっ」
みや「ほら、脳の病気だから」
K「違ぇだろもう治ってんだよバカが」
みや「うるせー常識問題半分取れてねぇくせに喋んなバカがァ」
K「あ?舐めてんのかてめぇぶっ飛ばすぞ」
影。「はいはい喧嘩しない喧嘩しない」
とか言いながら両手に紙2枚…60と90…
K「ぶっ飛ばすぞてめぇぇぇぇ!!!」
みや「うぜぇ顔すんなかげまるぅぅぅ!!」
影。「はいはいバカは黙ってな(-ω-ゞ⌒☆」
結局死神だろうがなんだろうが僕らはこうやって生きていくってことだ。
いず「何だこの自由人たちは…w」
なつ「楽しいならいんじゃない?」