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暗い夜の帳が降りるパリの街。廃墟となった建物の中、ヒトラーの姿が闇から浮かび上がる。リンカーンを倒した直後、透と神風は再び緊張の中にいた。
「君たちがリンカーンを倒すとはな…。だが、彼の理想は甘すぎる。世界は力で支配されるべきだ。」
ヒトラーは冷酷な表情を保ちながら、言葉を放つ。
透と神風はそれに対して冷静さを失わずに向き合う。透が一歩前に出た。
「お前のような奴が何を言おうと、俺たちは屈しない。独裁は終わった、過去の遺物だ。」
透の瞳は冷たく光り、彼の決意を表していた。
「独裁が終わった?フフ、そんな幻想に縛られるのは弱者だけだ。」
ヒトラーの手がゆっくりと上がり、周囲の空気が重く圧し掛かってくる。
ヒトラーは指を軽く鳴らすと、周囲の瓦礫や建物の残骸が浮かび上がり、次第に彼の意のままに動き始めた。彼の術式は「完全支配」。あらゆる物体、そして人間さえも意志で操作することができる恐ろしい能力だった。
「見せてやろう、真の支配の力を。」
ヒトラーの力が及ぶ範囲内では、透や神風は自由に動くことすらできなかった。二人の体が、まるで重力を失ったかのように宙に浮かび、次第にヒトラーの手元へと引き寄せられる。
「この世界を操るのは私だけだ。お前たちのような弱者に、この力を超えることなどできない。」
だが、透は微笑みを浮かべながら小声で呟いた。「甘いな…」
その瞬間、透の呪力が炸裂し、ヒトラーの術式に小さな亀裂が入る。その隙を見逃さず、神風が刀を振り下ろす。
「お前の時代は終わったんだ!」
神風は怒りを込めた一撃をヒトラーに向けた。しかし、ヒトラーは冷静にその攻撃を避けた。
「終わった?いや、これから始まるのさ。私が新しい世界の秩序を作るのだから。」