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「お邪魔しま〜すっ!」「いらっしゃい!」

今家に入れたのは、つい最近できた友達(私は昔から知ってるけど)のはるてぃーくん!!

コンビニで困ってた私を助けてくれて、それをきっかけにカフェでお茶をして……そうして仲良くなったのが、彼。

何回も遊んで、お互いの家に行ったりするほどの仲にまでなった。


「何がいい?コーヒー?お茶とかジュースもあるけど!」

「あー…えっと、お茶でいいよ!」

「おっけーい!お茶入れるね~」

そして……もう過ぎたけど数日前はバレンタインだった。私ははるくんの事が好きなので、今日どこかのタイミングでチョコを渡したいのだが……時間あるかな?

一応作ってはいるんだよね!!

(頑張ろう……!)




──────────────✻




「でさ、その時○○ちゃんがさ〜」

今俺は、友達の家に来ている。

それも女の子。

昔あれほど女子が苦手だった俺も、とうとう女子の家に遊びに来れるようになったんだなぁ。成長した、俺。


そして今は2月中旬。

バレンタインは数日前の話が、何かあるかもと期待している俺がいる。

帰り際にチョコ渡されたりして。

人生初の本命だったりして!

想像するとニヤけが止まらない。


(調子に乗るなーっ!!)

目を覚ませ。俺。

俺は俺だぞ!?!

本命とか……まずありえないだろ。

期待している俺には悪いが、好きと言われたとしてきっと俺に向けての好きはラブではなくライクなんだろう。

ましてや相手は、友達になって間も無いんだから。




期待はしちゃうけども。


「はい、お茶ね」

と、友達__ルイリがお茶を出してくれた。

「ありがと〜っ!」

「いえいえ~!」

彼女もなかなかノリが良い。

初めは人見知りなのかなと思ってたけど、仲良くなってみてそんな事もないんだなと分かった。

きっと頭もいいんだろうな〜。

頭が良い人は頭の回転が速くて語彙力があって理解力がある……つまり話が面白いんだ。



なんて事を考えていると。



ガチャ、と何も無い所からドアが出現し、そのドアが開いた。

「うわぁあ!?」

「うわっ!何これッ!?」

2人同時に叫ぶ。



「___わわっ!?すいません……!てっきりはるさん、家にいるかと思って……」

「なんだじおるかよ。ビックリさせんなや!」

「えなになに、何が起こってるの……?あと入るなら靴は脱いでもらっていいですか……?」

「あ、ごめんなさいっ!脱いでこちら側に置いておきますね!」

よいしょっ、と向こう側で靴を置いているじおる。




「__という訳なんです」

「なる……ほど?」

どうやらじおるは暇だったらしく、俺の家に遊びに行こうとした。そして『はるさんの所へ』とどこ●もドアに頼んだんだそう。



いや、ひみつ道具使うなよ。




俺、ルイリ、じおるの3人でテーブルを囲む。

「ルイリが!!混乱するだろっ!!」

「ごめんなさ〜い…」

「私は大丈夫です!w…はるくんのお友達……?だよね!」

「はい!ルイリさん……?は…もしかしてはるさんの恋人とか!?」

「「は、ッ!?//」」

じおるは身を乗り出して聞いてくる。

「いやッ……いやいや!?はるくんは友達で、その……!」

「こーら!ルイリ困るじゃんってば!!」

と、じおるのおでこをピンとはじく。

「うう、だってはるさんが女の子の友達なんて……初めてじゃないですか!!」

「そ、ッ……れ…は…うるせぇ!お前もモテねぇだろうがよ!!」

「そんなのは当たり前ですっ!」


自覚してんのかい。

「とーにーかーく!ルイリを困らせるようなことは言うなよ!」

「はぁ〜い……ごめんなさい…」




「……あ、ごめんはるくん、じおるくん。ちょっと、後で友達来るかも!」

「あぁ全然構わないよ!むしろごめんね、俺ら邪魔だよね!?」

いやいや!と首を横に振るルイリ。




数分後。




ピンポーン



「あ、来た!ごめんちょっと出てくるね!」

「うーい!」




「お邪魔しまーす!」

「いらっしゃ〜いっ!」

と、ルイリの友達らしき女子が部屋に入ってくる。

今日、この家に泊まることになったらしい。

「ごめんね〜!今お客さん来てて……」

「……せ、先輩が男の人2人連れ込んで……ま、まさか二股…?」

「ちっ違う!違うから!w2人は友達で……」




「そんなわけで、はるてぃーくんとじおるくんです!!」

「あ、えと…初めまして……」

「初めまして!じおるです!」

緊張しまくりの俺、フレンドリーに挨拶をするじおる。

「……は、初めまして!ルイリさんの後輩のるりです、!お邪魔しちゃってすいません……!」

「いやいや!全然、!えっと、全然……じゃ、邪魔…なんかじゃ、…」

(やばい、初対面の女子……!)

ガクガク&噛みまくりの俺と比べて…

「邪魔なんかじゃないですよ、僕らの方こそ申し訳ないです……あ、良ければお話しませんか?ぜひ仲良くなりたいです!」

ガツガツ話しかけ始めるじおる。

「あ、え、っと趣味……趣味は〜…」

意外と答えるのが難しい質問だったようで、頭を抱えて回答を考え始める彼女。


あ!!と思い出したように手のひらに拳を当てて、るりさんが口にした言葉は……



「お昼寝!お昼寝が趣味です!!」




……完全なる珍回答が出てきて、俺たち3人は目を丸くした。




「っふ、……あはははははっ!あっははははははっ!」

高らかに声を上げて笑い出したのはじおる。それにまた目を丸くする俺とルイリ。

「あはっ、やばいwやっ、あはははっwんふ、んふふwあっははは……」

(じおるがツボった……)

じおるのツボなんて、スーパーバニーマン以来ではないか?こんなに笑っているじおるは初めて見た。


「えっ……と…私…何か変なこと…!?」

「いやwあはっ、あははw……あーw面白い……w」

「なっ、泣いて……!?ごめんなさい、私何かしてしまっ……!?」

「はーw……いや、違うんです……w面白い方だな〜って。ぜひ、もっと仲良くなりたいです!!」

「そう、なんですか……?ぜひ!!私ももっとじおるさんとお話…してみたいです!」

「ぜひ!!あ、僕コーヒーが好きなんですけど……」



この2人、なんかいい感じでは?


(ねぇルイリ、あの2人イチャイチャしてね?)

と、アイコンタクトを取る。

(ね、めちゃくちゃいい感じ!)

とでも言っているように横目でこちらを見ながらうんうんと首を縦に振る。





夕方。

「「お邪魔しました!」」

「はーい!またおいでね!……あそうだ、これ…はい!どうぞ〜!遅れちゃったけど、バレンタイン!!」

一応2人分作っといてよかった〜!と、俺たちに渡してきたものは……チョコ!?!

「だ、っだ、え!?ち…え!?」

「わ〜っ!美味しそう!僕にまでありがとうございます!初めて貰った…」

「あ、ありがと!初めてチョコ貰った……!」

「初めて!?ww2人の初チョコもらったw」


うわぁ、うまそ……

(何これ食べるの勿体ねー!)




「じおるさん、また後で連絡します!」

ルイリと、今日泊まるるりちゃんに見送られながら俺らは帰路に着いた。

「あー楽しかったぁ、みんなおもしれーな〜!」

じおるもニコニコしながら「はい!すっごく楽しかったです……特にお昼寝のやつが……ふふ……w」


まだ言ってんのかよ、それ。




帰り道。

「はるさん、僕……」

「んー?どした?」



「僕……るりさんのこと、好きです」



……え?


「ん”んっ、//…いや待って待って?何急に。」

てか何でこっちが照れてんの?

「僕、るりさんのこと……好きになったんだと思います」


「あの数時間で?初対面の子を?」

「はい……反応されたら嬉しくて、笑顔が可愛くて、ずっと笑って欲しくて……これはきっと、『恋』なんだろうなって…」

じおるがここまで言うのは珍しい。もしかしたら本当にるりさんに恋をしているのかも…


「……まぁ、俺は応援するよ」

「本当ですか?ありがとうございます!」

「まぁお前は実況力とゲームの腕以外は完璧だしな!笑」

「褒めてるんですかそれw」






家に帰ってきた俺は、ソファーばふっとに飛び込んで、今日一日の余韻に浸る。



「まじ楽しかった……チョコ…ほんのちょっとだけ期待してたけど、本当に貰えたなぁ……ふふ、うまそう…」

今から食べようかな……いやけど勿体ないか!?


……とりあえず写真撮るか。(?)



パシャッ



……ふふ、俺チョコもらったんだなぁ。

義理か友なんだろうけど。

(友チョコ、か……)




チョコも渡されて、大満足だけど。


(本命……だったりしてな)


少しだけ、心の奥で少しだけ期待してしまっている俺がいた。




◆◆◆




「渡せた……チョコ……」

ドキドキした…まだ顔が熱い。


私……ルイリ、大好きな人にチョコレート渡せました!!


「気持ちは…伝わってないんだろうな」

だけどはるくんは、チョコを貰ってすごく嬉しそうな顔をしていた。

喜んでくれて…良かった!!



ピロン♪


通知が鳴った。


「ん……?あ、はるくん!」


『チョコありがとー!まじでうまかった!!俺もなんか返すからね!』


はるくん……!



「せーんぱいっ!」

「うわ!?るり…びっくりさせないでよw」

「すいませ〜ん!w……ってあれ?はるてぃーさんだ!!またお話してるんですかぁ?w」

「はっ、…!?//見るなっ!見るなぁぁっ!」

「面白い人だったなぁ……特にじおるさんとか、ひみつ道具使うとかやば過ぎですね笑笑」

「それは本当にやばかった。」



はるくんからは一枚の写真が送られてきた。

空っぽの容器と、元気なピースが映っている。

(右手で写真撮ったんだろうなw)



もう食べてくれたんだな。

義理チョコでも、友チョコでもない……私の手作りの___



本命チョコ。

【参加型】野郎が青春する話

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