テラーノベル
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ある夢を見た
誰かに殺される夢
黒くて…赤い
加州清光に近いそれは俺の体を切って
目が覚めた
『最悪…』
もう寝れそうにないのでせめて水を飲んで落ち着こうとした
ふと、足音がした
誰かが来る
気持ち悪い…吐きそうだ、来ないでくれ
加州「あれ?主じゃん。大丈夫?顔色悪いよ?」
さっきの夢に重なってさらに気味悪い
もう、耐えられない…
加州「はっえ!?大丈夫!?」
…上手く吐けない
苦しい
加州「…ちょっと失礼」
あたまがうごかない
でも、楽になった
『あり…がと』
加州「ん、歩ける?」
ふらついているが恐らく大丈夫だろう
歩ける…と言いたかったが言葉が出ない
ただ息切れするだけ
このままだと口が乾燥してしまう…
加州「ほら、ここ座りな。今水持ってくるから」
ナイスだ加州、俺一人ではたどり着けなかった
加州「はい、飲める?」
手が震えて掴めない、心はこんなにも冷静だと言うのに
加州「う〜ん、やっぱ難しいか…ほら、飲みな」
『厶がっ』
あっ…これ吐く…
『うっ…』
さっきので全部出し切ったから何も出てこない
加州「あ…ごめん、ちょっと焦ってて…!」
『うん…』
あ〜喉痛い、絶対喉枯れてる
まぁ少しマシにはなった
加州「何か悪い夢でも見たの?」
こいつに言ってもいいのだろうか…?
少なくとも話すべきでは無いと思うが…
加州「お〜い、聞いてる?」
『無理…』
この状態で、なおかつこいつにあの夢の話をするとまた吐きそうになる
加州「そっか…」
悲しそうな顔をしてそう言う
やめろ…あの夢を思い出す
加州「もう夜遅いし寝よっか、部屋まで送るよ」
返事も出来ずに腕を引かれる
その力は迷子になった子供のようにか細く、弱々しいものであったが何となく分かる
彼は1人が怖い、絶対に手離したくない
そんな独占力の強い刀なのだ
加州「ん、着いたよ」
「それじゃ、おやすみ」
彼が襖を閉めたのを確認したのちとりあえず横になって目をつぶった
…寝れなかった
時間は残酷だ
このまま時が止まればいいのに
そう思いながらぼーとしていたら
いつの間にか朝が来ていた
眩しい…希望の光である
安定「あれ?もう起きたの?」
「今日は早いね」
『…ははっそうだな』
今日もまた、頑張るか
安定「…ねぇ主」
『どうした?』
いきなり安定が声を掛けてきた
安定「なんで…加州は居ないはずなのに」
「主からあいつの神気を感じるの?」
はっとした
確かに、俺の本丸は出来て間もない
それゆえ刀数が少ないのだ
その少ない刀数の中に【加州清光】はいない
思い出してみればあそこは俺の本丸に似ていたが少し違う所があった
あそこは、加州清光の神域…?
『うぇ…』
思い出して吐き気がした
そんなこと出来るのか…?
安定「主!?え、大丈夫!?」
『ちょっと…こんのすけ呼んで』
安定「あっうん!」
何故か部屋から微かに血の匂いがする事に気づいた
もしかして最初に見たあの夢は…
コメント
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あの…夢は、現実だったのか…?