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※オリジナルの鯖と狩がでます

キャラ崩壊有り、CP要素もあるかも?

(ぬしは鯖×狩派です)(どうでもいい)











「新しいハンターが導入されるらしいですねぇ?」

リッパーが口にした事でガヤガヤとしていた他のハンターたちがリッパーに注目する。

「確かに、、いつ来るんだい?その『ハンター』は?」

結構気にしていたジョゼフが興味津々に聞く。

「そう言えば、もう直ぐ来るって言ってはったんやけど、?」

芸者も新しいハンターが気になるようだ。そこで芸者はふと思い出し、立ち上がる。

「あっ!!!ねぇねぇ!聞いてちょうだい!そのハンターはんの事やけど!」

「おや?何か知ってるんですか?」

「そう!そのハンターはんねぇ、うちと同じ場所産まれらしいのよ!!」

「美智子と同じ所出身の方なのね〜♡」

マリーは手を合わせ喜ぶ。

「成程、では芸者のような容姿をしているのだな?」

興味を惹かれた邪神も話に入る。ハスターの問いに芸者はコクコクと頷いた。

「うちみたいな和風だったら良いんやけどなぁ〜。侍はんやったらどないしよ〜!」

芸者とは異なる文化のため、単語一つ一つが少し分からない。

「『さむらい』とはなんだ?」

興味を惹かれると何処までも聞いてくるハスターが侍と言う単語に反応した。

「侍って言うのはねぇ、うーん、そうやねぇ、。ここで言うリッパーはんみたいな感じの方かしらねぇ?」

「霧のみたいな、、、、変人なのか。」

「貴方には1番言われたくない言葉ですねぇ?!」

「ちゃうちゃう!例えが悪かってねぇ、💦」

「例えが悪いって、酷くないですか?」

「まあまあ、💦」

不貞腐れるリッパーを白黒無常が宥める。

「『騎士』って言ったら分かるかなぁ?そう言う感じなんやけど、、。」

「成程。」

「ハンターとしての実力がありそうですね。」

「そうですねぇ。」

静かに聞いていたアンとルキノが新しいハンターに期待を寄せていた。

「能力がバグってるって聞いたぞ?確か。」

何処からの噂なのかピエロが口を挟む。

「『バグってる』?」

「それは私も聞きましたねぇ。」

「どこ情報なん?それ。」

「さぁ?風の噂ですねぇ。」

「そのバグってるのは新ハンターだけじゃないがね。」

白黒無常が口にする。

「新しいのはハンターだけじゃないですよ、サバイバーも1人来ると言っていました。」

すると、全員が「マジかよ」と言いたげな顔をした。白黒無常が苦笑する。

「その者もバグっているのか?」

「結構お強い様で、まあ噂ですがね、、。」










その頃、、

「ふわぁ〜、!」

眠たそうに目を擦る傭兵。今日はサバイバーたちも広間に集まって、新しいサバイバーを待っていた。

「まだですかねぇ。」

「早く会いたいなのっ!!」

やはり、皆が興味を示している。

「まあまあ、もう直ぐ来ますよ💦」

「ハンターの方も来るらしいな、、。」

そう呟くオフェンスにバッツマンが項垂れた。

「嫌だなぁ、、。」

祭司も顔を顰める。

「しかもそのハンター!滅茶苦茶な強さらしいぞっ!!」

「えぇ?!嫌ねぇ、そんなの、、。」

医師が口を片手で抑えた。その時、広間の大きな扉が開く。

「あっ!」

「あぁっ!!!」

開かれた扉から入って来たのは新サバイバーだった。

全体の服が黒く、フードを被っている。見た目は占い師に似ているかも知れない。肩には何かの動物の毛皮が掛けられていた。

「…………………」

「…………………」

どちらも固まる。その場の空気を破ったのは庭師だった。

「ああっ!!新しいサバイバーさんなのっ!!!!!」

「ああ、そうだ。」

満面の笑みで聞く庭師に対し、これでもかと言う程の真顔で答える男。

「(温度差が激しいな、。)」

全員がそう思った。

「自己紹介をしておこう。『霊媒師』の穐本 義翳だ。」

「れい、ばいし、?」

「ああ、そうだ。祓い屋でもあるがな。」

義翳と名乗る男は自分に用意された椅子に腰掛けた。

「なあなあ!早速だけどよ、お前の能力知りてぇっ!!!!」

オフェンスが手を挙げ、言う。他のサバイバーたちもコクコクと頷いていた。

「自分の能力は今のハンターにはそんなに効かない。俺の能力は此処に来るであろう新しいハンターにのみ有効なんだ。」

「そう言えば、あちら側も新しいハンターが来るって言ってたな?」

弁護士が言う。

「マジかよっ?!!」

「うわぁ、、最悪だぁ、。」

今さっきトイレから戻って来た囚人が驚き、墓守も絶望した。

「そのハンターは俗に言う『チーター』らしいが、君は何か知ってるかい?」

弁護士は問い、霊媒師は頷いた。

「ああ、そうだ。奴は強いし、厄介だ。」

「マジか、、。」

「俺がハンターたちに能力が効かない同様、お前たちの能力もそのハンターには効かない。」

「そぅ、、え”っ?!!!!」

全員が驚く。

「スタンもあまり効かないだろう。」

「私の催眠術は?!」

「効かんな。」

「僕の磁石は?」

「スタンは出来んだろうな。ボールも、少女が使う炎も。」

「そんなぁ。」

「僕の梟や香水などはどうでしょうか?」

占い師と調香師も霊媒師を見る。

「それは大丈夫だろ。あくまで、奴に食らわすものでだ。」

「成程、。」

「それで、貴方の能力が活躍すると?」

医師が問う。霊媒師は強く頷いた。

「そうだ。奴は言わば『幽霊』だからな。呪いでもあるが。奴に長いスタンを食らわす。」

「奴が呪いならば、私の能力は効かないのか?」

呪術師が霊媒師に聞く。

「あぁ、アイツは特殊なんだ。大抵のものには耐性が有る。」

「そうか、。」

「言い方が悪いかもだが、奴に並大抵の技は効かない。だが、俺が使うこの札は奴専用に作られたものだから、対処が出来る。」

「成程、、。」

「まあ、俺自体チェイスが得意分野だ。頼ってくれると嬉しい。」

「おう!宜しくな!」

オフェンスやカウボーイ、医者や探鉱者たちも皆、歓迎ムードだ。





その頃、ハンター屋敷、、、

「皆揃ったね。」

ジョゼフがハンター全員居る事を確認し、座る。そして一つ空いた席を見詰めた。

「もうそろそろですねぇ?」

リッパーがクツクツと笑う。中々強いハンターが来ると言うのに、皆が気になっている様だった。

すると、奥の扉が開かれた。

ヒタ、、ヒタ、、ヒタ、、

草履の音と共に1人の男が現れる。背が高く、猫背気味の男は空いた席に腰掛けた。ヒラヒラした半透明の布が頭に被った笠から垂れ下がっている。両端と両耳には濃い紫色の宝石が取り付けられていた。芸者の言っていた通り、和風で黒紫の服装に身を包んだ男はずっと下を向いている。笠のせいで顔が見えないが、口元を黒い布で隠しているし、髪の色も濃い紫色だった。そして何より、両腕が無い。服の袖が禍々しく揺らいでいる。

男は足を上げ、椅子に胡座をかいた。

「おやおや、中々面白い方が来ましたねぇ?」

リッパーが新ハンターを煽る。

「……………………」

「…………………あぁ、自己紹介をお願い出来ますか?新ハンターさん。」

何故かピリピリした雰囲気を和らげるべく、白黒無常が胡座をかく男へ声をかけた。

「………………すまん、、喋るのは嫌いなんだ。新しくハンターとなった『呪いの王』だ、宜しく頼む、、。」

小さく頭を下げる。

「おや?名前は無いのかい?」

「そうですの。名前があった方が呼びやすいと思いましてよ?」

ジョゼフとマリーが呪いの王に問い掛ける。しかし、呪いの王は首を横に振った。

「私に『名』は無い。今までも他者から『呪い』と呼ばれていた。お前たちで好きな様に呼べばいい。」

「まぁ、、。」

芸者は悲しい顔をし、扇子で口を隠す。

「呪いって言うのも抵抗有りますよぉ?なんで、そんな名前で言われる様になったんですかぁ、。」

リッパーが口を挟む。女性陣から痛い視線が来た。

「え”、、?」

「リッパーさん、最低ですね💢」

「そんなデリカシーが無い事言いはるんね、リッパーはん💢」

「えぇっ、?!」

リッパーがハスターの腕にしがみ付く。ハスターは溜息を吐いた。

「………(੭;´ ꒫`)💦」

グレイスは不安そうにハスターの袖を持つ。

「大丈夫だ。」

「…………………。」

「………………………………あれ?呪いさん?」

白黒無常が呪いの王へ問う。しかし、呪いの王は何も返さない。不意にロビーが呪いの王の顔を覗き込んだ。

「………?寝てるよぉ!!」

「はぁ”っ?!!!!」

「この状況で寝るか普通っ?!!!!」

「また、癖が強い奴来たな、、。」

「ハッハッハッww」

ルキノは頭を抱え、アントニオが大笑いする。

「ちょっと!!!ちょっと呪いさんっ?!!!!」

「………………なんだ、、。」

「マイペースな奴だな、、。」

レオも頭を抱えていた。

「名前を決めたいなぁ、。」

「名前はあった方が良いわよねぇ!!」

ヴィオレッタや芸者など、女性陣がキャッキャと話し合う。

「呑気な事で、、。」

リッパーが愚痴を溜息混じりに吐いた。

「あんたぁ、本名とか無いのぉ?うちと同じところ出身なら大抵は有る思うてたんけど、。」

「む…………………そうだな、、『犠釰』ではどうだ、、?」

「ぎ、とう、?」

犠釰はコクリと頷く。

「それは旧い友がくれた『名』だ。彼等にも好きな様に呼べと言ったらこの名が付いた。」

「へぇ、良い名前じゃないですかぁ。」

「これで名前が解決!」

嬉しそうにする芸者とマリー。

「まあ、試合を楽しみにしてるよ。」

ルキノは犠釰の肩にポンと手を当てる。犠釰は無言で頷く。

「これは協力狩りが楽しみですねぇ?」

クツクツと笑うリッパー。

「若いもんはええのぉ。」

バルクが羨ましそうに犠釰の体を見た。犠釰は中々いい体をしている。

「明日からは僕らと同じハンターだね!サバイバーには気を付けてよ?!アイツら、すばしっこいから!!」

「理解した、、。」

ロビーの忠告に頷いて、またしても俯いてしまった犠釰。また寝ている様だ。

「良く寝る方ですね。」

「ええ!」














次の日 ━━━━━ 試合の待機中

「今日のハンター誰かしら。」

「今日も全員生存で頑張ろうなっ!!」

今日のサバイバーは祭司、オフェンス、患者、機械技師だ。そして、気になるハンターは、、


「………………あれが、サバイバーか、、。」

そう、呪いの王だ。犠釰は椅子に座るサバイバーたちを確認し、刀の斬れ味を確かめる。


パリィーン、、


ガラスの割れる音と共に場所が変わる。場所は赤の協会だった。犠釰はまず、近くの暗号機から回って行った。すると、サバイバーの痕跡を見付ける。

最初に見付けたのは患者だった。

「うわっ!!新ハンターだっ!!!」

患者は直ぐさま引き返し、距離を取る。しかし、犠釰は移動速度が速いため、直ぐに追い付いてしまった。

ゴーンッ!!

とうとう一撃を食らってしまい、患者は急いで板のある場所まで逃げる。

「(………あの時と、、変わらぬな、、。)」

そんな事を考えながら犠釰は足に力を込めた。すると、犠釰は空高くに飛び上がり、辺りを見渡す。患者が走っているのを確認すると一気に急降下した。ものすごい勢いで患者の元に降り立った犠釰は直ぐさま、患者を切り捨てる。

ゴーンッ!!ゴーンッ!!

ダウンした患者は何が何だか分からなくなっている様だった。犠釰はそんな患者を近くのチェアでなく協会の中の地下室へ吊った。

「おやおや、分かってますねぇ彼。」

初めてにしては中々やりおると思ったのだろう、リッパーやベインも関心している。

「クソっ、!」

「…………………。」

犠釰はチェアに縛られた患者に近付く。

「っ?!!な、なんだよ、?!」

「…………………。」

「ヒッ?!」

犠釰の腕が伸び、患者の目元に触れる。

「これがお前たちの『目』か、、?」

「えっ、、そうたけど、、?」

「ほぉ、。」

犠釰は手を離す。興味が引けたのか、地下室から出て行ってしまった。

「び、ビックリしたぁ、、。」

その頃、オフェンスが地下室に向かっていた。


ドクンッ、、ドクンッ、、ドクンッ、


「心音がするな、。」

協会から犠釰が出て来た。その瞬間に協会の中へボールを使い、駆け抜ける。オフェンスは地下室に行き、何とか患者を救助した。

「早く逃げてっ!!!!」

遠くから機械技師の声が聞こえ、心音も近付いて来る。

「……こんな早くに救助するとは、。」

犠釰にとっては存在感を溜めれるため好都合の様だ。

ゴーンッ!!

「痛ってぇ!!!」

オフェンスが肉壁したお陰で患者が逃げれる。しかし、

「次は貴様だ。」

オフェンスが窓を越える時、犠釰の重い一撃が加わる。

ゴーンッ!!ゴーンッ!!

恐怖の一撃だ。蹲るオフェンスを風船で浮かばせる。近くのチェアへ座らせた。

ガコンッ!!!

暗号機は残り2つ、サバイバーは3人と1人吊り。

「これはちょっとまずくないです?」

リッパーが流れが悪いと零した。白黒無常も不安そうに眺める。すると、急に犠釰の姿が変わった。色が全体的に黒ずみ、口元が轡に覆われる。深く被られていた笠も消え、ここからだと言わんばかりの剣幕だ。

「おや、、彼って目を閉じてるんですね?」

「ホンマやなぁ。笠被ってはるからよう分からんかったけど。」

犠釰は再び、空を舞う。こちらに近付いてくる祭司と機械技師のロボットが見える。犠釰は直ぐさま急降下し、祭司に一撃を食らわした。

「今のうちにっ、、っ?!!!」

祭司が膝から崩れ落ち、ダウンする。

「????!」

「新ハンターのスキルすら知らないのか?愚かなことよ。」

犠釰は機械技師のロボットを破壊し、ダウンした祭司を風船で浮かばせ、チェアに縛る。

「『憎悪の呪い』と言ってな。貴様をジワジワ追い詰める、、精々、足掻け。」

「なっ?!?」

オフェンスが飛ばされ、暗号機は残り1個だ。そこへ全回復した患者が救助しに来る。

「………………。」

「来るなっ?!!!!」

「えっ?」

祭司が声を荒らげるも時すでに遅し、患者は一撃を喰らい、こちらを救助するが直ぐにダウンしてしまった。

「え?え?!」

「う”わっ!!!!」

祭司も直ぐにダウンさせられ、2人共地下室に吊るされた。

残りは機械技師のみ。

「もう飛ぶか、、。」

祭司と患者の飛ぶ音がして、犠釰は脱出口がある場所へ向かう。赤く光る眼光は機械技師を捉えた。

「早く早くっ!!!」

急いで機械技師が走る。近くにあった板を倒し、時間を稼ぐ、が犠釰は意図も簡単に通り抜けた。窓枠や板等の障害物を全て無視して追ってくる。

「なっ、なんでっそんなっ、、?!!」

ゴーンッ!!ゴーンッ!!

脱出口まであと少しの所で一撃を喰らい、ダウンする。機械技師はハアハアと肩で息をしながら犠釰を見上げる。しかし犠釰は動かない。こちらを見詰めているだけだ。

「……?どうしたの?吊らないの??」

何とか言葉を伝える。

「………………逃げないのか、、。」

「えっ、、?」

脱出口は目の前だ。

「見逃してくれるの?」

慌てて問う。

「…………どうでもいい。」

犠釰のその言葉を「逃げていい」と受け取って、機械技師は脱出口を後にした。










ハンター屋敷内、、

「はぁあ、?」

「君も優しいところがあるんだね。」

折角ダウンさせたのにとかとリッパーは愚痴を言っている。彼は犠釰が初狩りで全吊り出来ると思っていたらしく祝う気満々だったらしい。そう思うと少し罪悪感が湧く。

「………………………。」

「お前にも慈悲があるんだな?」

悪夢が煽る。

「全く、、貴方ねぇ。あんなドブネズミに慈悲なんて要らないんですよぉ??」

リッパーが辛辣な事を言った。

「まあ良いじゃないですか。」

「でも、折角あそこまでいったのに、どうして見逃したんだい?」

「……………………りにくい、、。」

犠釰がボソッと言う。

「???」

「あんな顔をされると吊りにくい。」

あんな顔とは?となったが、最後の機械技師の顔を想像する。

あの時の彼女は怯えてはいたが、少し犠釰に対して心配している様な顔をしていた。

「昔を思い出す、、それが嫌なんだ。」

彼の「昔」という単語にハンター全員が反応した。

「今日は君の話で盛り上がりそうだね。」

「その話、詳しく聞かせて下さいません?」

「…………?別に構わない。」

「我も気になるぞ、呪いの王よ。」

後ろでグレイスもコクコクと頷いた。それに釣られてベインやピエロ、イドーラやルキノまで来てしまった。

「……………………。」

皆考える事は同じな様で、犠釰の事が知りたいのだ。

「………別に面白くないぞ?」

「それがいいんですよ♪」

「今日は犠釰はんとこにお泊まり会やなぁ♪」

「そうねぇ!」

キャッキャと嬉しそうに話し合う女性陣。

「事の進み様が速いな、、。」

呆れるハスターに犠釰も眉間にシワを寄せ頷いた。



「犠釰!来たよ!!」

犠釰が扉を開けると枕を持ったジョゼフと何とも言えないパジャマを着た白黒無常。その後ろには同じくパジャマのリッパーと悪夢、神×2。

「………………。」

「あっ、ルキノさん、もう来てたんですね。」

「部屋が近いからね。アンさんとアントニオとロビー君も来てるよ。」

そこには大きなベッドに寝転ぶ、アントニオとロビー。ロビーは絵本を見ているが、アントニオはイビキをかきながら寝ている。

「就寝が早い。」

「……………………。」

「そんな事より、彼の話!」

ゾロゾロとハンターたちが入ってくる。犠釰の部屋は広いがハンターたちが何人も入れば暑苦しくなる。しかも人の椅子やベッドを勝手に使っている状態だ。

「てかあんた、なんちゅう服着てんですかぁ?」

「え?」

白黒無常が自分のパジャマを見遣る。

「可愛いでしょ?ミニハンターたちのイラストが縫われたパジャマですよ♪」

その場でクルっと回る。しかも抱き枕としてかボンボンのぬいぐるみを持って来ていた。

「可愛い♡♡うちも欲しいわぁ!」

「えへへ♡」

すると悪夢が手を叩く。

「本題に戻るぞ。私たちはこいつの話を聞きに来たのだから。」

皆の視線が犠釰に映る。

「……………話していいな?」

「ええ!」

犠釰は浅く息を吐き、

「今から約150年前の事だ。私の生きていた時代、、、」



私は他とは異なる見た目をしていた。特徴的な目と紫色の髪。普通は黒髪だから当然差別されたし虐めも受けた。

「呪われた子」だの「悪魔の子」だのと罵られた。私への差別をいい事に地域に降り注ぐ災害や、厄介は全て私のせいだと言われたな。お陰で公開処刑なのか民衆の前で侍たちに目を抉り取られた。だが何故か、私は死ななかった。だから辛かった。何故か死なない私を奴らは牢屋に閉じ込め、縛る。だが、私に味方してくれる者が居た。その者たちが現れたのが雨の日だ。

ポタポタと雨水が垂れる中だった。最初はおなごの声。私を心配する様な声。その時の顔が先程逃がしたサバイバーと酷く似ていた。

何故だかは分からない。しかしハッキリと彼女の顔を見た。私の目はもう無いと言うのに。

彼女は牢屋の鍵を開け、私の手を取った。

暖かった

初めて人の温もりを知った

その後、外に出て今度は男の姿が見えた。この2人は夫婦だった。2人は何とか私を逃がそうとしていたのだ。ひとまず、私を小屋の中に隠した。私はその時、とてつもない嫌悪感に見合われた。この2人を行かせてはいけないと。

しかし、彼等は行ってしまった

そして、戻って来なかった

私は目が無い筈なのに見える視界の中を進み、大通りに出た。提灯の灯りが点々とある。侍たちがあの2人を囲んで立っていた。その中で血を流し倒れている2人を見て、私は産まれて初めて、呪ってやりたいと思った。こんな私に優しくしてくれた2人の眠る姿を見て、涙を流した。

それが私の最初で最後の涙

とてつもない爆風が起こった様な気がした。本当の厄介の様な、

そして目の前の侍たちが首を切り落とされ、消えて行く。否、私に吸収されて行く。私はただただ2人を抱え泣いた。私の憎しみ、憎悪、怒り、悲しみはその地域全体を包み、そこに居た人間、動物、虫、八百万の神もどんな者も取り込んだ。全てが私にとって初めての体験だった。

そこから生まれたのがこの私

様々な魂の集合体

【呪いの王】だ




一段落話し終えた犠釰は息を吐く。

「………………。」

「……………………。」

皆が唖然と口を開けている。グレイスはホロホロと涙を流しており、ハスターとヴィオレッタが背中を摩る。

「お気の毒ですねぇ、、。」

「今となっては遠の昔の事よ、もうどうでもよい。」

椅子に胡座をかいて座る犠釰は半ば、呆れている様だった。

「その人らの事は大事にせんとあかんよ?」

「…………………2人の魂はここに有る。」

そう言うと犠釰は両腰に下げていた2本の刀を抜く。禍々しく独特な模様の入った刀だが、刀の付け根に水色の模様が混ざっていた。

「これの事ですか?」

「綺麗な色ですわね。」

「出来れば天に帰してやりたいが、彼等が私から離れようとしないんだ、、。」

「好かれてんだよ、それ。」

「………………そうなのか、、。」

その日は犠釰の部屋に泊まったハンターたちであった。



朝 ━━━━━ まだ眠っている白黒無常がむにゃむにゃと寝言を言っている。

「…………………………フッ。」

「あら、起きてたの?」

「寝れぬか?」

声のする方を見れば、寝る事を知らぬ神々がトランプをしていた。犠釰も眠っていなかった、否、寝れなかった。腕に抱き着いて眠る白黒無常、犠釰の膝枕で眠る芸者、ロビー。犠釰の背中に持たれかかって眠るルキノ。寝れる訳が無い。

「眠れぬ、な。」

察したのかハスターが頷く。イドーラは面白そうに笑っていた。

「日中寝てた甲斐があったわねぇ笑」

「…………お前たちもじゃないか、。」

「『貴様(貴方)よりかはマシ。』」

ハモって言う。確かにイドーラの蛇の様な脚には信者の女の子が眠っているし、ハスターの肩に寄りかかって眠るグレイス。犠釰程ではない。

「今日は協力狩りよ?貴方。」

「誰とになるだろうな。」

「初めてばっかだろうけど、貴方は物覚えが良さそうだから多分大丈夫ね。」

今日、犠釰が出るのは協力狩りらしい。

「貴方もあるでしょぉ?」

イドーラがハスターに問う。

「うむ。我も試合があるが、、新しいサバイバーに出会えるか楽しみだ。」

「私も早く会いたいわぁ。」

今後の試合の作戦を練り、皆が起きるのを待った。





待合室 ━━━━━ ハスターがハンター専用の椅子に腰掛ける。サバイバー側には見慣れた面々が座っている。その中で見た事の無い者が居た。

「………ふむ、あれが新サバイバーか。」

深くフードを被った男の表情は良く見えないが、面白そうだとハスターが直感する。

今日のサバイバーは踊り子、霊媒師、探鉱者、医師だ。

試合 ━━━━━

ハスターが辺りを見渡す。場所は精神病院だ。

「取り敢えず、1人を吊る事だな。」

最初に見付けたのは踊り子だった。

「変な物を鳴らしおって、、。」

ハスターがまず攻撃し、踊り子の逃げる方向へ触手を生やした。

「きゃっ?!!!!!」

ゴーンッ!!ゴーンッ!!

良い出だしだと感じる。踊り子を近くのチェアに縛り、近くに触手を2本生やす。救助狩りをするつもりの様だ。さあ誰が来るかとハスターが考えていると、耳鳴りがする。

「来たか。」

救助に来たのは霊媒師だった。すると、霊媒師は懐から紫色の札を取り出し、ハスターの足元に飛ばす。

「な”っ?!!!」

バリバリと電流が流れる様な感覚が起こり、体が金縛りにあう。僅か2秒程の事だが、中々嫌な能力だ。ハスターが踊り子へ攻撃しようとすると霊媒師が肉壁をし、逃げられてしまった。ハスターの顔が歪む。

「クククッ、、実に愉快だ、面白い。」

その後も状況が変わる訳でも無く、暗号機残り2つとサバイバー残り2人となった。今はハスターを霊媒師がチェイスしている。

「ハァハァ、、。」

ハスターの設置した触手に当たらない様に板を倒し、次のポジへ向かう。途中でガシャンと言う音がした。残り1つの様だ。しかしハスターはしつこく霊媒師を追っている。ふとその時、

「貴様は奴の事を知っておるか。」

「ハァ、ハァ、、?」

息を整えながら、板のところで立ち止まる。

「奴とは?お前たちのところに来たハンターの事か?」

「そうだ。あやつの過去は教えてもらったのだ。だが、肝心の『呪い王』を知らない。」

「ハンターって好奇心旺盛なんだな。よく話したよ、あいつは警戒心高いから。」

ハスターらハンターは犠釰に信頼されている様だ。

「だが、見返りを寄越せ。出ないと奴の事は教えない。」

「何か欲しいものでもあるのか?」

「否、奴の状況を知れればそれで構わない。」

ここで1つの暗号機も解読され、サイレンが鳴る。ハスターの瞳が赤く光り始め、霊媒師の傷も治った。

「あと、、そんな話をここで聞かれても困る。出来ればこれが終わった後に聞いてくれ。」

「成程、、では後程伺おう。」

そこでフードに隠れていた顔が露になった。中々、整った顔をしているとハスターは思う。

「否、俺がそちらに行く。」

「はぁ、?」

そんな事かとハスターは呆れた。

「俺も神に世話を焼かす程不敬では無い。」

「ふん。」

ハスターが笑う。そして手を振った。

「よい、もう行け。」

「良いのか?」

「引き分けでは何方にも利益は無い、そうだろぉ?」

納得したのか、霊媒師が去って行く。






「あら、ハスター。なんだか嬉しそうねぇ?」

帰って来て早々、イドーラが口を開く。

「うむ。新しいサバイバーと当たってな。今からここへ来るのだ。」

「へぇ、、、、、は?」

イドーラの反応は当たり前だ。今までハンターの屋敷にサバイバーが来るなんて事が無かったからだ。まず、ハンターとサバイバーでは体格差も異なるため家具の大きさも違う。

「そう、、珍しいわねぇ。」

「では、我は部屋に戻る。」

「あらそう、じゃあねぇ。」


暫くしてからハンター屋敷の門がノックされた。

「誰だい?こんな時間に、、」

ジョゼフが顔を顰めながらドアを開ける。そこにはカゴを持った霊媒師の姿。

「あ、君は、、。」

「霊媒師、新しく荘園に来たサバイバーだ。」

一応、中へ招き入れる。だが、サバイバーが来るのは初めてなのでどう接すればいいか分からない。

「見慣れない顔と思えば新サバイバーか。なんだ?偵察にでも来たのか?」

嫌味を言う悪夢に霊媒師は小さくお辞儀する。

「で?何の用だい?」

「ここに居る黄衣の王に会いに来た。」

「珍しいな。」

「どないしたの?」

「あ!新サバイバーさんだっ!!!!!」

ロビーとヴィオレッタが健気にも寄ってくる。

「凄くいい匂いがしたわ!そのカゴの中身ってもしやかしてっ、、!」

目を輝かせながら問うヴィオレッタに霊媒師も頷いた。

「これ。何も無しじゃあ失礼だと思ってな、菓子持って来た。和菓子もある。良かったら食べてくれ。」

「おぉ!美味しそう!!!」

「わぁ!素敵!!」

「可愛い♡♡」

キャッキャとはしゃぐ女性陣+白黒無常とジョゼフ。

「凄いなぁ、あんたぁ!これ全部自分で作りはったの?」

「あぁ、そうだが。」

キャーと女性陣から聞こえた。

「これはモテるな。」モグモグ

「もうモテてるがね。」モグモグ

菓子をムシャムシャ食いながらアントニオとルキノが言う。

「あの、、黄衣の王のところに行きたいんだが。」

「それなら、私が連れて行ってあげますよ。」

リッパーが手招きで霊媒師を連れて行った。

「あの、私の分も残してて下さいよっ?!!」

「もう無くなりそうだけどな。」モグモグ

「美味しいわぁ。」モグモグ

「ちょ、ちょっとぉ?!!!」

早く行きましょうと急かし、ハスターの部屋へ向かった。

「あの人の部屋はここですよ。では、私もお菓子食べたいので!!!」

一瞬で居なくなるリッパー。霊媒師は閉ざされたドアをノックする。すると、中から「入って良い」と声がかかった。

「失礼する。」

「そこに座れ。」

そう言われたところには、霊媒師が座るには少し大きなイスがあった。

「来るのが早かったな?」

「ああ。それで、本題なんだが。」

「呪いの王の状況についてであろお?」

「ああ。」

「うむ、、、奴は試合が無い場合は部屋に篭っておるぞ?寝ておるのだろうが。」

「やはりか、、。」

「これで良いか?」

「ああ、ありがとう。」

中々礼儀正しい奴だとハスターは瞳を細める。

「それで、奴の事についだな。あいつの『本体』はもう滅んでる。長い年月が経ってるからな。だが、奴の本体が滅ぶ前に様々な魂と融合してしまった為に死ぬ事も無い、生きているかも分からない存在となった。」

「ほお、、。」

「だから、あいつには大抵のスタンが効かないんだ。魂にも色んな種類の者たちがいる。その能力に特化した者や耐性を持つ者、故に奴は強いんだ。」

時折ハスターが頷く。するとハスターが顔を上げ、扉を見た。

「誰か来るな。」

「?」

突然扉が開かれた。芸者とマリーにヴィオレッタとグレイスだ。

「ハスターはん!!これ食べてぇ!!!」

「む、何だこれは?」

「『和菓子』言いはるんやけど!」

「わがし?」

「とっても美味しかったわ!ありがとね!サバイバーさん!!」

「否、美味しかったのなら良かったよ。」

グレイスが和菓子の入った小包を広げハスターに差し出す。ハスターはその中の桃色の花形和菓子を摘む。

「ふむ、。」モッモッ

「??💦」

「うむ、美味い。」

「やったー!!!!」

「………帰った方がいいか?」

「え!もう帰っちゃうのー?!」

ロビーが霊媒師に抱き着く。

「否、居ても良いが、、ナワーブたちも心配してる頃だと思うんだ。」

「そうねぇ、、ここにサバイバーが来る事自体初めてだものね💦」

霊媒師はハンターたちにお辞儀をし、扉のある、広間まで出た。するとリッパーが近寄って来る。

「あっ!!!見付けたあ”!!!」

「??????」

「私和菓子食べれなかったんですよお”お”!!!!!!!」

「あぁ、、また作ってこようか?」

「ホントですかあ”?!!!!お願いします!!!!!」

その後も他のハンターに捕まり、結局また来る事になった。作った菓子が気に入られた様だ。



やっと帰れた、霊媒師は思う。

「おかえりなの!!!!」

「おかえり、遅かったわね、、大丈夫だったの?」

庭師と医師が心配そうに近寄って来る。それに釣られ、傭兵や占い師も近付いて来た。

「おい!大丈夫だったか?!」

「良かった、無事で、、。」

「あぁ、大丈夫だ。皆、友好的だったぞ?」

皆が「え”っ」と言う。そりゃあそうか。ハンターとは試合以外では会う事など無いのだから。

「して、誰にお会いしてたんですか?」

「黄衣の王。」

何だと?!と言わんばかりに占い師が反応した。

「な、なななな何ですってえ”え”?!!!!!」

「おい!落ち着けって💦」

「あ、あの!もしかしてハスター様とふ、2人っきりだったりしますぅ?!!」

「まあ、、そうだな。2人で話してた。」

「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”っ!!!!!!!!!!!!!!」

騒ぐ占い師を傭兵が宥める。

「ちょっと!貴方たち!次の協力狩り、早く行くわよ!!!」

向こうで祭司と呪術師が呼んでいるので、何故か泣き喚く占い師を引き摺り、待合室へ向かった。




待合室 ━━━━ 集まったのは祭司、呪術師、霊媒師、踊り子、傭兵、オフェンス、占い師、だ。

ハンターは呪いの王と白黒無常。

「中々、面倒なメンツですね。」

謝必安は傘を撫でながらサバイバーたちを見遣る。

「……………そうだな、、。」

「全吊り目指しましょうね!!」

「あぁ、。」


パリーーンッ!!


ガラスの割れる音で犠釰は前を見る。場所は湖景村だった。早速、サバイバーを見付ける。傭兵だ。

「厄介な奴か、、。」

「げっ!!!」

直ぐに板を倒し、他のサバイバーへハンターが近くに居る事をチャットで伝える。

犠釰が板を破壊し、次のポジへ逃げる傭兵へ溜め攻撃を撃つ。紫色の残像が傭兵に当たり、一気に距離が離れる。

「ナイスです、犠釰さん。」

すると謝必安も祭司へ一撃を与えていた。しかし、祭司が作り出したワープホールで遠くへ行ってしまっていた。

「あらら、。」

「向かい側だな、白黒。」

「ん?なんですか?」

謝必安は差し出して来た手を取ると犠釰は回転して謝必安を抱える(お姫様抱っこ)。犠釰は空へ飛び、赤く光る治療中の祭司のところへ急降下した。

「えっ?!!えっ?!!///////」

「っ?!!!!」

ゴーンッ!!ゴーンッ!!

急な事に驚いた祭司へ一撃を与える。近くに居た占い師にも一撃を与える。

「い、今の何ですかっ?!!!!」

「私の能力だが?」

「え、いや、そうでは、、否、何でも無いです。」

謝必安は考える事を諦め、祭司を地下に吊る。

「いつの間にか、、傭兵が回復しているな。」

占い師を追いながら考える。

「う”わっ?!!」

ゴーンッ!!ゴーンッ!!

犠釰の【破滅の呪い】が発動し、占い師がダウン状態になった。手際良く占い師を吊ると犠釰は空へ飛んだ。近くの暗号機に2人のサバイバーが居た。犠釰が急降下する。

「うわっ!!!」

傭兵と踊り子だ。

「貴様からだ。」

傭兵へ溜め攻撃を与える、その後で刀で切り付けた。

踊り子が占い師を助けに行くのが見えたが気にせず犠釰は傭兵へ印を刻み、呪いを放った。膝から崩れる傭兵。

「くそっ!」

傭兵を吊るしたところでガシャンと暗号機が終わる音、残り5つだ。すると耳鳴りがする。救助に来たのは霊媒師だった。犠釰が霊媒師と目が合う。

「貴様がここに居るとはな、、。」

「俺が居る事がそんなに不満か?」

霊媒師は懐から出した札を犠釰の足元へ飛ばす。

「ッ!!!!!!!!!」

札が結界となり、犠釰を縛る。その間に傭兵を助け出した。

「犠釰っ?!!!!!!」

范無咎が急いで傭兵たちを追う。

「………………チッ、。」

漸く解放された犠釰は忌々しげに霊媒師の逃げた方向を見た。

ゴーンッ!!ゴーンッ!!

霊媒師が一撃食らったのか黄色いゲージが溜まる。傭兵も何処かでダウンしていた。犠釰も踊り子を見付け、何とかダウンを取る。

暗号機は残り3つ。残りサバイバーはオフェンス、霊媒師、占い師だ。

「…………全吊りは難しそうだな、、。」

呪術師を追いつつそう呟く。犠釰の前では呪術師の能力も無意味、簡単に捕まってしまった。

「ハァ、、強いなぁ。」

呪術師はそう呟いた。ここでオフェンスが犠釰へタックルを仕掛ける。犠釰にオフェンスのスタン攻撃はあまり効かないが長い間を走って来たのだろう、少しの間犠釰はスタンした。だが、【破滅の呪い】が発動し、呪術師がダウン状態になる。近くに居たオフェンスを切り付けようとした時、どこからかフクロウが飛んで来てオフェンスを庇う。占い師のフクロウだと認識し、犠釰は呪術師を吊る。何処かで白黒無常が攻撃したのかオフェンスが恐怖の一撃を食らっていた。

ヴゥーーーッ!!!!

ここで暗号機が通電する。白黒無常と犠釰の瞳が赤く光り、ダウン状態からオフェンスも起き上がった。

「お前はあっち側のゲートに行け!!俺はこっちに行く!!!」

范無咎からの通信に頷き、犠釰はゲート前へ瞬間移動した。解読途中だった占い師に攻撃し、ダウン状態にする。

「う”っ、!」

占い師を吊り、ゲート前を伺う。誰も来ていない。しかしその時、足元に札が飛んでくる。

「な”っ!!!!!!!!」

札は勢い良く犠釰にまとわりつき、結界を張った。霊媒師が占い師の救助に来たのだ。

「貴様あ”ああ”あ”あ”っ!!!!!!!!!!!!!!!」

解放された犠釰の姿が変わり、【有為転変】を発動させた。犠釰は霊媒師を追う。

「早く逃げろっ!!!!!!」

白黒無常もオフェンスを吊っている。占い師も霊媒師の忠告通り脱出し、残るは霊媒師のみ。霊媒師は脱出口まで走る。しかしその時、脱出口前に傘が飛んで来た。その瞬間、地面からドロドロと白い液体が出て来て謝必安の形になる。

「逃がしませんよ。」

ゴーンッ!!ゴーンッ!!

一瞬止まってしまったが束の間、霊媒師は真後ろに居た犠釰に斬られ、ダウンする。

「くっ、、!」

「………………………。」

脱出口は目の前だが、白黒無常が居るのでどうしようも出来ない。

「出血死させたいくらいだ、、。」

「良いですねぇ。」

試合前とは別人の様なハンター。これじゃあ、誰も近寄れない訳だ。

「早く行け。」

「………??」

霊媒師が顔を上げる。目を閉じているが、冷たい視線を送っている犠釰が霊媒師を見下ろしていた。

「面倒だ、、、寝たい、。」

「だ、そうで、早くお行きなさいな。」

謝必安が退き、霊媒師はハッチの中へ飛び込んだ。

生存者:2名

勝者: ハンター






「はぁあ〜〜、!!」

疲れたぁとため息混じりに言う白黒無常はソファに倒れ込んだ。途端に規則正しい寝息が聞こえる。

「眠る様に死んでますねぇ、この人。」

「逆だ逆。」

「面白かったか?呪いの王よ。」

ハスターとイドーラが犠釰に問う。犠釰は首を横に振った。

「そんなものでは無い。」

眠ると言って部屋に戻る。

無償にムシャクシャする。何故か、あの顔が忘れられない。霊媒師と会った事など無い筈なのに。

あの時の霊媒師の顔、別に犠釰を心配している顔でも悲しそうな顔でも無かったのに、

何かが引っかかる、

誰かに似ている、

自分の身近な人に、

「はぁ、、、どうでもいい、、。」

犠釰はベッドに背を向け倒れ込む。目を手で覆い、また眠りについた。






























【荘園の呪い】〜完〜

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