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想が自分の気持ちを汲んで、〝そのまましてくれる〟と言ってくれた時、結葉は心の底から嬉しかった。
その上、まるでそうすることの条件みたいに付け加えられた、「全部済んだら結葉の親御さんとうちの両親に結婚するって報告すっからな? あと、指輪も買わせろ」という言葉も、幸福感に追い討ちをかけてくる。
プロポーズにしては余りに突っ慳貪で色気がない言葉だったけれど、それが何だかやけに(想ちゃんらしいな)と思ったら、じんわり胸が温かくなった。
やっと。
そう、やっと――。自分を本当の家族にしてもいいと思ってくれる男性とひとつになれるんだと思えたら、下腹部がキュンと甘く疼いて自然と涙腺が緩んでしまった結葉だ。
想はそんな結葉の溢れ出る涙を止めたいみたいに目元に口づけると、肌を伝い降りるようにして結葉の唇を捕らえた。
そうして、そのまま結葉の情欲を煽るみたいに口中を掻き回す激しいキスをしてくる。
「ふ、はぁ、……んんっ」
一生懸命、想の舌の動きに応えようと頑張っている間に、結葉は当然の流れみたいにスカートを足から抜き取られてしまった。
「え? あ、……ヤ、ぁっ! 想ちゃんの、エッチぃ……」
ちょっと油断していた間に、クロッチ部がしとどに濡れて肌に張り付いてしまっている薄桃色のレースのショーツを剥き出しにされて、結葉は恥ずかしさの余り抗議の声を上げてモジモジと足を擦り合わせた。
寒くなんてないのに、恥ずかしさからだろうか。
太ももに鳥肌が浮かんで、両腿を愛し気に撫でてきた想に「寒い?」と聞かれてしまった。
その声に真っ赤になりながら結葉がフルフルと首を横に振ったら、「下、急に脱がせちまったから驚いただけか」と、まるで確信犯みたいに想がクスクスと笑う。
「想ちゃんの……意地悪っ」
それが悔しくて思わず言ったら、「知らねぇの? 男はみんな好きな子には意地悪なんだぜ?」とニヤリとされた。
「そ、そんなの……知らないっ」
その間も、しきりに想が脚を撫でさするから、結葉は眉根を寄せてゾクゾクと這い上ってくる快感に耐える。
「俺、結葉がいやらしいことをされるたび、困ったように照れた顔をすんの、すげぇ好き。めちゃくちゃそそられる」
こっちの気も知らないで、すごく嬉しそうに想が言うから、結葉は「て、照れてなんかっ」と、つい虚勢を張ってしまって想に「ふぅ〜ん?」と目を眇められてしまった。
「じゃあ、このまま上も脱がされたって平気だよな?」
言うなり想が結葉の返事も聞かずにブラウスの前ボタンをどんどん開けていってしまうから、すぐさま薄桃色の控えめなデザインのブラジャーが丸見えになる。
手持ちの枚数は少ないなりに、いつも上下揃いの下着を身につけるよう心がけている結葉だ。
けれど、こんなことになるならば、もう少し凝ったデザインのものにしておけば良かったとちょっぴり後悔。
なのに。
「ホント可愛いな、結葉」
想は結葉の下着姿を見て嬉しそうに目を細めると、布越しにツンと立ち上がった乳首をスリリ……と撫でてくる。
着痩せするタイプで、割と胸のある結葉の下着にはカップなどと言った厚みのあるものは入っていない。だから布地越しでも割とダイレクトに想の指の感触が分かるのだ。
なのに、間に一枚隔たりがあるだけで、ちょっぴりもどかしく感じてしまった結葉だ。
「想、ちゃ、……お願……」
直接触って欲しい余り、おねだりするみたいにそこまで言って、さすがに「脱がせて?」とは言えなくてソワソワしながら想を見上げたら、「じかに触れられたい?」と問いかけられた。
涙目で小さく頷いた結葉の頭を優しく撫でると、「素直でいい子だな」と褒めてくれる。
「――背中、浮かせて?」
想に請われるままに背中をほんの少し持ち上げたら、そこから手を差し入れられてホックを外された。
「ブラ、取るぞ」
想がわざわざ今から結葉にすることを逐一宣言してくるのは、実はわざとなんじゃないかと今更のように気が付いた結葉である。
偉央はただただ自分を支配してくるタイプのサディスティックさを持った人だったけれど、想は結葉の意見を尊重してくれる優しいドSに違いない。
想が、剥き出しにした結葉の柔らかな胸のあちこちに、まるで所有痕のように小さなキスマークを散らしながら、ゆっくりと結葉の膝を割ってくる。
「痛かったら言えよ?」
胸の刺激に翻弄されているうちに、いつの間にか蜜口に圧倒的な質感を押し当てられて、結葉はコクコクと懸命に頷いた。
性行為自体久しぶりなのと、偉央以外の男性と行為に及んだことがないのとで、勝手が分からなくて無意識に構えてしまった結葉だ。
「そんな怯えんな。ちゃんとセーブしてゆっくり挿入るから。――な?」
さっきまではあんなに意地悪だったくせに。
ギュッと身体に力をいれてしまった結葉の心をふんわりと解すみたいに、想が結葉の胸の先端をパクッと咥える。
「ひゃぁ、んっ。想ちゃ、それ、ダメっ」
突然敏感な胸の突起を温かな粘膜に包まれて驚く結葉を置き去りに、想が結葉の乳首を舌先で優しくチロチロと転がすから。
結葉はビクビクと身体を震わせて快感に耐えた。
と――。
その隙を突くみたいに結葉を労わりながら、想がゆっくりと腰を進めてくる。
「ああっ、――想ちゃ……っ、んっ」
チュプッと音を立てて結葉の胸から唇を離すと
「結葉ん膣、めちゃくちゃ熱いっ。すっげぇ締まっ、て……絡みついてくる、っ」
吐息混じり。想が切な気に言って、眉根を寄せた。
「や、っ……ぁんっ、想ちゃ、っ……」
実況中継みたいなことをされるとめちゃくちゃ恥ずかしいのだと、いい加減理解して欲しい。
だけどそんなことを言ったら、きっと想は余計に意地悪してくる気がして、結葉は〝言わないで〟という言葉を喉の奥に仕舞い込んで、ギュッと唇をつぐんだ。