テラーノベル
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やっとRECが終わって、みんなより先に休憩に入らせてもらった。1人になった途端、お腹が鳴って今日はまだ昼食を食べていなかったことに気づく。
(何にしようかな〜…)
美味しそうなケータリングを見ながらまだRECをしている2人にお弁当の種類を送る。
ありがたいことに返信がすぐ来て、食べようかとスマホを閉じようとしたその時、
「えっ…!」
今ハマっているお話の通知がピコンとなった。
(新作来たっ!!)
昼食なんかそっちのけですぐにスマホに釘付けになる。
一か月前から待っていたからそりゃそうだ。
(うわぁっ!!かわいい…!)
話の中のキャラクターがモジモジしているのを見て思わず笑みがこぼれる。
「ふふっ…」
(…あれ、今、笑っちゃった…?)
気を抜くと人前でもにやにやしちゃうから今朝、絶対感情を表に出さないと決めたばっかなのに…
(まぁ一人だし、少しぐらいは大丈夫だよね…?)
他のみんなは仕事中だからこの部屋には自分一人。誰かが部屋に入ってこない限り自分の表情なんて誰にもバレない。
(ちょっとだけ、ちょっとだけ…)
部屋の壁を背にして、スマホを胸の近くに寄せる。画面の明るさは気持ち暗めにし、ゆっくりと文字を目で追った。
涼ちゃんは先にRECが終わり、俺と元貴で音を入れていた。
いつもの流れでギターを弾き、ああでもないこうでもないと指摘される。
今日は特に上手くいかなくて、ここに居るスタッフのみんなも煮詰まっていた頃、 涼ちゃんからのケータリングを伝えるメールが来て少し空気が柔らかくなった。
「そろそろお昼ご飯食べようかー!」
その一言でみんなは一斉に背伸びをし、息を吐く音があちこちで聞こえた。
自分もストレッチをしようとするとお腹が大きな音でなってしまい、元貴から笑われる。
そういえば昼ご飯食べていなかったのか。
「(もうこんな時間じゃん…)」
時計はもうすぐ16時を指そうとしていた。
「若井ー、もう置いていくよー?笑」
元貴から言われて慌ててギターをスタンドに置き、スマホ、水、その他諸々を持っていく。
ちょっと待ってと追いかけているうちに元貴がブースに忘れ物をしてしまったらしく、結局、自分一人で涼ちゃんがいる部屋に向かうことになった。
(たくさん種類あったな…)
(お弁当楽しみだなー)
色んなことを考えているうちにあっという間に部屋の前に着く。
「涼ちゃーん?入るよー?」
ノックをしても返事はない。寝てるのかもと思い、あまり気にとめずそのまま部屋に入った。
「お腹すいたなー…」
ドアを開け、ケータリングを確認しようと机を見ると、涼ちゃんは起きてスマホを見ていた。
「なにしてんの…?」
一瞬、ただスマホを集中して見ているようにも見えたが、どこかおかしい。
(笑ってる…?)
動物の動画を見て笑ったり、独り言を呟いたりするのはいつもの事だけど、今の涼ちゃんは少し違う。
自分の知らない涼ちゃんが見え隠れするような表情で、画面を覗き込みながら目線だけが小さく揺れていた。
「涼、ちゃん…?」
返事はない。ここまで来たら何を見ているのか流石に気になる。
そっと涼ちゃんの背後に回り込みながらスマホの中身を確認する。
すると、
「うわ!!わ、若井!なにしてるのっ…!?」
俺が覗き込もうとした瞬間、反射的にスマホを胸に押し当てた。
「いや、ノックしたし、声もかけたよ?」
全然気づかなかったと謝ってくる涼ちゃんを横目に、ケータリングを選ぶフリをする。
一瞬見えた白黒のコマ。
明らかに男同士が密着している描写。
(まさか、ね…?)
あの涼ちゃんが見るはずない。
恋愛小説にハマっているだけだと自分に言い聞かせ、このことは誰にも言わず、その日はなるべく忘れることにした。
初!いいねとコメント来ましたぁ!!
嬉しいです😭
じゃんじゃんいいねしてください…
してくれた分だけ痩せたいと思います(?)
コメント
3件
あの、自分を56す気ですか?(悪い意味ではありません) こっちまでニヤけますよ(❁´ω`❁) この後はどうなる事やら(◜ᴗ◝)
え、え、え!まじで焦るやつwww涼ちゃん!若井さんにバレてますよ!