テラーノベル
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どこにでもいるただの珍味好き
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鴨之助
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#政治的意図・戦争賛美✖
りむ大帝国@loveUK!!
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■読まれる前の注意書き
・本作は「カントリーヒューマンズ(CountryHumans)」の二次創作(ファンフィクション)です。
・実際の歴史、国家、政治団体、宗教、および実在の人物とは一切関係ありません。
・かつて対立していた国々が、現代風の平和な世界線でひとつ屋根の下、あるいはご近所さんとして仲良く「ほのぼのとした日常」を送っているパラレルワールドを舞台にしています。
・キャラクターの口調や性格に独自の解釈(マイルド化)が含まれます。
・以上の点をご理解いただける方のみ、お進みください。
■第22話
題名:甘美なる隠密作戦、あるいは不器用なショコラティエたち
ジャンル:日常・バレンタインほのぼの
お土産市場の大騒動から数週間が経ち、カレンダーは二月中旬を迎えていた。
この日の午後、日帝が地域の寄り合いで数時間ほど留守にすることになり、静まり返った台所に三人の男たちがこっそりと集結していた 。
「みんな、集まったね。日帝が帰ってくるまであと三時間。作戦を開始しよう!」
イタ王は頭にバンダナを巻き、エプロンをきりりと締めて声を潜めた。手には市販の製菓用チョコレートの袋が握られている。
「フン、バレンタインデーという西方発祥の文化を、日帝への日頃の労い(家事能力選手権の敗北の恩返しを含む)に利用する。コンセプトとしては合理的だ。ただし、私は製菓の経験などないぞ」
ナチは腕を組み、目の前に並べられたボウルやスパチュラをまるで精密兵器の部品のように鋭い目で見つめていた。
「ガハハ! 難しく考えるな、ナチ。チョコなど、溶かして固めれば何でも美味いのだ。我が連邦の力強さを込めた、特大のショコラを作ってやろう」
ソ連は大きな手で湯煎用の鍋に火をかけ、豪快に笑った。
こうして、日帝に日頃の感謝を伝えるための「極秘・チョコ作り作戦」が幕を開けた。
まずはチョコレートを細かく刻む工程。
ナチは包丁を握ると、まな板の上のチョコレートを正確に、等間隔で刻み始めた。
「チョコレートの分子構造を均一に熱伝導させるためには、すべての破片を直径二ミリメートルの立方体に揃える必要がある。これが完璧なテンパリングへの第一歩だ」
「ナチ、細かすぎるよ! 日帝が帰ってきちゃう!」
イタ王が焦る横で、ソ連は包丁を使わず、チョコレートの塊を大きな拳で「バキィッ!」と叩き割った。
「これで十分だ! 湯が熱ければ勝手に溶ける!」
「ソ連、貴様のその大雑把な質量計算のせいで温度にムラができるだろうが!」
早くも台所で火花を散らす東西の巨頭。イタ王は「まあまあ!」と二人をなだめながら、ハート型の型抜きを器用に並べていった。
一時間後、どうにかチョコレートは滑らかに溶け、それぞれの個性を反映した型へと流し込まれていく。
イタ王は得意の立体造形で、小さな可愛い小鳥やリボンの形のチョコを量産した。「日帝、喜んでくれるかなぁ」と顔にチョコの粉をつけたまま微笑む姿は微笑ましい。
ナチは、計量スプーンで正確に一滴の狂いもなく四角い型へチョコを流し込み、表面の気泡を爪楊枝で一つずつ潰していく。まるで工場の検品ラインのようだった。
「……よし。これで表面の滑らかさは、我が国の誇る鏡面仕上げに匹敵する」
そしてソ連は、余ったチョコレートを全て一つの大きなボウルに流し込み、真ん中に先日の旅行で買った『激辛唐辛子漬け』を「同志の隠し味だ」と言って一粒埋め込もうとしていた。
「待てソ連! 貴様は日帝を暗殺する気か! それは絶対に阻止する!」
ナチが間一髪でソ連の手首を掴み、台所は再び大騒ぎになった。
やがて、冷蔵庫で冷やされたチョコレートたちが、ついに完成の時を迎える。
食卓の上には、三人がそれぞれラッピングした小さな箱が並べられた。ちょうどその時、玄関の引き戸が「ガラガラ」と音を立てて開いた。
「ただいま戻りました。皆さん、お留守番ありがとうございました」
買い物カゴを持った日帝がリビングに入ってくると、三人は一斉に背筋を伸ばし、食卓の前に並んだ。
「お、おかえり、日帝! これ、僕たちからのプレゼント!」
イタ王が代表して、三つの箱を日帝の前に差し出した。
「おや……? これは……」
日帝がパチパチと目を丸くする。
「今日が二月十四日、バレンタインデーであることは、貴様も認知しているだろう。日頃の……その、非効率的な家事の負担に対する、一時的な補償(リワード)だ」
ナチはそっぽを向きながら、耳を少し赤くして言った。
「うむ。男三人で台所を焦土にしかけたが、味は保証するぞ、同志」
ソ連も少し照れくさそうに頭を掻いた。
日帝は驚き、それから胸がいっぱいになったように、これまでで一番柔らかい笑顔を浮かべた。
「皆さん……わざわざ私のために、作ってくださったのですね」
さっそく箱を開け、4人で囲むお茶の時間が始まった。
イタ王のチョコを食べて「とても可愛くて、優しい甘さですね」と喜び、ナチのチョコを食べて「口溶けが完璧です、流石ですね」と感心する日帝。最後にソ連の(唐辛子を抜いた)無骨で大きなチョコをひとかじりし、「力強くて、食べ応えがあります」と微笑んだ。
「ふふ、実は私からも、皆さんに少しだけ用意していたのですよ」
日帝が買い物カゴから取り出したのは、三つの手作りの「抹茶トリュフ」だった。
「「「えっ!?」」」
「日本の緑茶によく合うように、ほろ苦く仕上げました。いつもありがとうございます、皆さん」
予期せぬ日帝からの“逆サプライズ”に、イタ王は「わあぁ!」と喜び、ナチは「計算外だ……」と呟きながらも嬉しそうにトリュフを口に運び、ソ連は「これにはやはり、お茶だな!」と湯呑みを掲げた。
外の空気はまだまだ冷たい二月の午後。しかし、お茶の香りとチョコレートの甘い香りが満ちたリビングは、どこの国よりも温かく、優しい幸福感に包まれていた。
かつての確執も、冷たい雪も、すべてを甘く溶かしてしまうような、4人の愛おしい冬の日常は、これからもずっと続いていくのだった。
コメント
3件

今回も面白かったよ~! 次回も楽しみに待ってるね~
読んだよ〜〜!!第22話、バレンタイン回!!待ってました!!💝✨ イタ王の器用さ、ナチの几帳面すぎる製菓理論、ソ連の「激辛唐辛子チョコ」計画(それは暗殺だって!!笑)…もう3人の個性が爆発してて最高だった😭💕 そして日帝からの逆サプライズの抹茶トリュフ!!「計算外だ…」って呟きながらも嬉しそうなナチ、可愛すぎか🥺💖 お茶の香りとチョコの甘さに包まれたリビング、あったかくて優しい世界が本当に好き…。この4人の日常、ずっと見続けたいです!!次の話も楽しみにしてるね🌸