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若井滉斗 × 大森元貴
元恋人同士
🔞
街の空気が湿り気を帯びていて、まだ遠くで蝉が鳴いていた。
ライブ帰りの打ち上げを抜けて、俺は1人で歩いていた。
何を考えていたかなんて、今となっては思い出せない。
ただ_その香りを感じるまでは。
すれ違いざまに、すっと鼻をかすめたのは懐かしい匂いだった。
重たくて、甘くて、少しスパイシーな香水。
あの人がいつも纏っていた香り。
振り返ると、そこには若井滉斗がいた。
でも、俺が知ってる若井滉斗じゃなかった。
「…滉斗?」
呼びかけても、彼は一瞬視線を向けただけで、そのまま歩き去ろうとした。
心臓がどくんと脈打つ。足が勝手に追いかけていた。
「待って…なんで無視するんだよ…!」
夜の雑踏の中で、俺の声が掻き消えそうになる。
それでも滉斗は立ち止まった。振り返った顔は、少し痩せていて、鋭くなっていた。
髪も伸びて、雰囲気はずいぶん大人びて見えた。
「…元貴か。久しぶりだな。」
「久しぶり…?それだけ?なんで避けるんだよ」
「別に…話すことなんてないだろ」
冷たく突き放されて、息が詰まった。
あの頃、何があっても隣にいてくれた滉斗が、今は目を逸らす。
わけがわからなくて、でも涙だけは勝手に滲んだ。
「お前さ、まだあの香水つけてんの…?ずるいよ…」
「ずるいのはどっちだよ」
ぼそりと呟かれたその声には、怒りとも悲しみともつかない熱が滲んでいた。
___
それから数週間後、俺は諦めきれなくて滉斗を探した。
共通の知り合いを辿り、仕事の現場で顔を合わせても、彼は何もなかったみたいに淡々としていた。
けれど、ふとした瞬間に見せる、あの虚ろな目。
俺を避けるくせに、遠くから目だけは離さない。
_きっと滉斗も苦しいんだ。
そう思ったら、諦める理由なんてなかった。
ある夜、楽屋裏の駐車場でとうとう彼を捕まえた。
「滉斗、逃げんなよ…ちゃんと話せよ…!」
「元貴…もう…やめろ…」
「やめない!なんでお前がそんな顔するんだよ…俺のこと…嫌いになったのかよ…」
滉斗は俯いたまま、拳を握っていた。
肩が震えていた。
静かな夜に、彼の呼吸だけがひどく乱れていた。
彼が抱えていたものは、想像以上に重かった。
俺を守るために距離を置いていたこと。
家族の問題も、仕事の責任も、俺と一緒にいると全てが重なって、潰れてしまいそうだったこと。
「だから離れた。でも…無理だった…お前の声が、笑い方が、頭から離れなくて…」
小さくて、壊れそうな声。
それを聞いた瞬間、俺の中で何かが弾けた。
「…なら、俺から離れんなよ…」
俺は滉斗の頬に触れた。
少し無理やりに、唇を塞いだ。
甘い香りが鼻腔を満たして、息が熱く絡みついた。
滉斗が息を詰めて、俺の肩に手をかける。
押し返すことも、突き放すこともしなかった。
ホテルに着くなり、俺たちは何も言わずに貪るようにキスをした。
唇を割って、舌を絡めて、苦しいほど吐息を飲み合った。
「ずっと…触れたかった」
「俺も…会いたかった、滉斗…」
唇を重ねながら、何度も何度も名前を呼ぶ。
熱い舌が俺の舌を絡め取り、甘い声が漏れてしまう。
滉斗の手が、シャツの裾から潜り込み、肌に触れた。指先が背中をなぞるたび、体の奥が熱くなる。
「ん…あっ…滉斗…」
ベッドに押し倒され、見上げた滉斗の瞳にはもう迷いはなかった。
「全部忘れられるくらい、抱くから」
「…うん、お願い…」
滉斗の手が俺の身体をゆっくりと愛撫していく。
首筋に唇を這わせ、鎖骨を吸われると、甘い痺れが背筋を駆け抜けた。
「は…ぁ、滉斗…もっと…」
ズボンを脱がされ、滉斗の指が俺の孔に触れる。
優しく押し広げられた場所に、滉斗の指先が触れると、声を耐えきれず吐き出した。
「可愛い声…元貴、俺だけに聞かせて」
「やだ…そんなこと言うなよ…っ」
恥ずかしさと快感が入り混じり、体の奥が疼く。
ゆっくりと、けれど確実に滉斗の指が俺の中を探り、奥を掻き回した。
「や…あっ…っ、そこ…だめ…!」
涙が零れるほど強く、奥を刺激されると、全身が痺れて崩れ落ちそうになる。
そのまま滉斗の熱が俺の中に侵入してくる。
「っ…あぁ…滉斗…!」
ゆっくりと押し上げられ、奥の奥まで滉斗に満たされる。苦しさと気持ちよさが入り混じって、何度も喘ぎ声を漏らした。
「元貴…可愛いよ…もっと感じて…」
滉斗の腰が強く打ちつけられるたびに、視界が白く染まる。
奥を何度も突き上げられて、理性なんてすぐに崩れ去った。
「やっ…あっ…滉斗、滉斗…好き…っ」
名前を呼ぶたび、滉斗も苦しそうに息を荒げ、俺を抱きしめたまま激しく動き続けた。
どれだけ抱き合ったか分からない。
何度も果てて、滉斗も俺の中で熱く果てた。
吐息を重ねながら滉斗が額を寄せてくる。
「やっぱり…元貴じゃなきゃ、駄目だ」
「俺も…もう一度、お前に触れてほしかった…」
滉斗の腕の中で泣きながら笑った。
あの頃よりも少し大人になった俺たちは、やっとまたお互いの心に触れることができた。
夜明け前の街はまだ静かで、ふたりの吐息だけが響いていた。
あの頃の香りも、体温も、全部取り戻せたんだと思った。
「今度は絶対、離さないで」
「…うん、絶対離さない」
夏休みの作文多すぎ!!💢💢💢
読書感想文、税の作文、人権作文
税の作文が一番書けない😵💫