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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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次の日も、そのまた次の日も、アイラちゃんは

嘘を着いて、私を加害者にしようとした。

「悪口をいわれた」だの、「暴力を振るわれた」だの。

最初は皆動揺していたけど、日が経つにつれて、その表情は呆れへと変化していた。


私は、アイラちゃんがどうしてこんなことをするのかが分からずに、ただただ混乱していた。


ロウソクで照らされた、深夜の自室。

私はただ一人、これからの事を思って頭を抱えていた。

街はもう眠ってしまっていて、風の唸る声だけが、外から響いていた。

机の木目を見つめて、ただ思考を巡らせる。


ねぇ、アイラちゃん。私は分からないよ。

貴方がどうしてこんな事をするのか。

貴方の背景には何があるのか。


「私には分からないよ、アイラちゃん。」



ー皆が皆、辛い過去があると思わないで!


ふと、脳裏にトウカちゃんのあの言葉が蘇る。

ぶんぶんと首を振り、そんな考えを頭から追い出した。

違う、そんな人なんていない。根っからの悪なんて、この世に存在しないもの。

その原因を、私が突き止める。

そして、対処して見せるから。

アイラちゃんの為にも、原因を突き止めてみせる。貴方が少しでも、生きやすくなるように。


ロウソクを吹き消して、ベットへ潜ろうとしたその時。

カタン、と郵便受けの閉じる音がした。


***


外に出ると、涼しい風が吹きつけて思わず身を震わせる。

郵便受けの中を除くと、赤い封蝋印が押された封筒が1枚。

当たりを見渡しても、誰もいない。


こんな時間に誰だろう?

 郵便はとっくに終わっいているはずなんだけど。


封筒を破いて中を見ると、


“明日、12時の鐘がなる時間に、裏路地に来てね。待ってるから”


綺麗な整った字で、そう書いてあった。

差出人の名は、アイラ。


動揺して、その場に固まる私から、段々と遠ざかる足音。

足音の方向を見ても、そこに人影はもうなかった。


Re:主人公は愛されたい

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