テラーノベル
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Medkit、彼に密かに思いを寄せている僕はいつも彼に話しかけていつも彼にプレゼントを渡す。
ほとんどは拒否されるけど、コーヒーに関しては仕方ないと言いながら受け取ってくれる。
「最近料理を勉強してて、味見して欲しいんだけど…!」
「なぜ私なんだ。気色悪い。」
「ええと…と、とにかく!Medがいいの!」
Medは分かりやすく顔を顰めてため息をつく。
「なにかしてくれるのか」
「へ?」
「だから、味見をしてやったら何かしてくれるのかと聞いているんだ」
「なにか…?うーん…」
何かと言われても分からない、彼が望むことなら何でもしてあげたいけど…。
「じゃあ何でもしてあげるよ!Medのためなら!」
「……料理はどこだ」
何でも、という言葉のおかげかMedは味見をしてくれそうだった。
「これ!」
「…」
ホワイトシチューを彼の目の前に丁寧に置く。
「いただきます…」
Medは少し疑いながらも、スプーンですくって口元に運んだ。
「…どう?」
「…不味くは無い」
「ほんと?!うれしい!」
彼の言葉に思わず飛び跳ねる。
愛しの彼に味見をしてもらって素敵なコメントを貰ってしまった!!
(幸せ…)
僕の反応にMedはうんざりしているようだった。
「それより、…なんでもしてくれるんだよな」
「うん!何して欲しいの?」
Medは少し考えて口を開いた。
「なら、私の言うことを聞け。いいな?」
「え?う、うん…?」
少し嫌な予感がしたけど、気にしないことにした。
「じゃあ手始めに1発殴らせてくれ。その顔、見るだけでイラつく。」
「うぇええ?!なんで!?!」
キスとか要求されるのかな、と少し期待していたのに…。
彼は容赦なく殴りかかろうとしてきた。
抵抗していると、いつの間にか押し倒されているような構図になっていた。
馬乗りされていて、彼の香水が間近で香る。
(いいにおい…)
ふとそう思った。優しくて大人っぽい、彼らしい香り。
「何考えてるんだ、気持ち悪い」
「へ?あ、だって…この体制なんか…えっちだよ、…」
そう言うとMedは固まり、顔を真っ赤にして立ち上がった。
「お前は本当に汚らわしい!!!!二度と私に話しかけるな!!!!」
彼の大きな声が耳を貫いた。
「ご、ごめんなさいMed…」
そのまま去っていく彼。余計なことを言ってしまったな…と気が沈む。
(ただMedと仲良くなりたいだけなのに…)
少しだけつらくて胸が痛む。
(でも、Medに少しだけ触れられてうれしかった)
押し倒されて、彼に手首を掴まれて、馬乗りされて、服が擦れて…まるで…なんて少し破廉恥なことを考えて笑みをこぼす。
(ほんとにMedとそんなこと出来たらいいのに)
愛し合って、キスをして、体を重ねて…
そんな恋人っぽいこと、彼としてみたい。
初めては全て彼に奪われたい。
(だって初恋だもん、Medが初めて…)
両手を握って、目をつぶる。
(彼と結ばれますように)
そんな願いを込めながら。
「なんなんだ本当に…」
いつもいつも私の時間を邪魔してヘラヘラしているあいつに、私は弄ばれた。
何が「えっちだよ」だ!?!汚らわしいにも程がある。
そんなつもり一切なかった、全く、全く!!!
彼がおかしいだけだ、私は彼になんの想いもない。
(絶対にそうだ、絶対に…)
なのに、どうしてこんなにドキドキするのだろう。
彼の顔、声、全てを思い出す度に体温が上がる気がする。
(これを恋だなんて絶対に認めない…私はあいつが大嫌いだ…)
モヤモヤする気持ちを隠すように、彼から貰ったコーヒーを一気に飲み込んだ。
コメント
4件
ハート連打しちゃった!!!
神。たぶん、この世の神より神。神神神神神神
かわいいい神ありがとうございます😭😭🫶🫶