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ころさな
803
49
甘夏 桜
60
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KING本部。
会議室には重苦しい空気が流れていた。
大型モニターには、一枚の古い写真が映し出されている。
幼い頃のいるま。
その隣には、顔が黒く塗りつぶされた誰かが立っていた。
らん「……いるま。」
「この写真、知ってるの?」
いるまはしばらく黙っていた。
誰も急かさない。
数十秒後、いるまは静かに口を開いた。
「……知ってる。」
なつ「じゃあ、その隣にいる奴は?」
いるまは写真から目を逸らした。
「……言えない。」
会議室が静まり返る。
こさめ「無理に話さなくてもいいよ。」
すち「僕たちは待てるから。」
みことも優しく頷く。
「話せる時でいい。」
その言葉を聞いたいるまは、小さく笑った。
「ありがとう。」
しかし、その笑顔はどこか寂しそうだった。
その日の夜。
いるまは一人、本部の屋上にいた。
冷たい風が吹き抜ける。
夜空を見上げながら、小さく呟く。
「……また思い出すなんて。」
ガチャ。
扉が開く音がした。
振り返ると、そこにはらんが立っていた。
らん「やっぱりここにいた。」
いるま「寝なくていいのか。」
らんは隣まで歩いてくる。
「眠れなかった。」
二人は並んで街を見下ろす。
しばらく沈黙が続いた。
らん「……辛い過去?」
いるまは苦笑する。
「そうだな。」
「忘れようとしてた。」
らんは静かに聞いていた。
「昔、俺には相棒がいた。」
「誰よりも強くて、誰よりも信じてた。」
「でも──」
そこで言葉が止まる。
拳を強く握るいるま。
「ある任務の日。」
「そいつは俺をかばって撃たれた。」
らんは何も言わない。
「俺は助けられなかった。」
「それから誰かと深く関わるのが怖くなった。」
「仲間を作れば、また失う。」
「そう思ってた。」
らんはゆっくり微笑んだ。
「でも今は違う。」
いるまはらんを見る。
「今の君には僕たちがいる。」
「一人じゃない。」
その言葉に、いるまは目を細めた。
「……あぁ。」
「そうだったな。」
翌朝。
会議室。
六人が朝食を囲んでいる。
なつ「ほら、いるま。」
「コーヒー。」
いるま「……サンキュ。」
こさめ「今日は機嫌いいね。」
すち「少し安心した。」
みこと「これでいつものいるまだ。」
みんなが笑う。
その時だった。
警報が鳴り響く。
みことはすぐにモニターを開く。
「本部周辺に反応!」
なつ「敵か!」
画面には一台の黒い車が映っていた。
しかし、中には誰も乗っていない。
らん「……無人?」
次の瞬間。
大爆発。
本部の窓ガラスが激しく揺れた。
すち「爆発!?」
こさめ「外だ!」
六人は急いで外へ向かう。
燃え上がる黒い車。
その近くには、一枚の黒いカードが落ちていた。
らんが拾い上げる。
そこには赤い文字で書かれていた。
『次は、ボスをもらう。』
その文字を見た瞬間、全員の表情が変わる。
なつ「……らんが狙いか。」
いるまは静かに拳銃を構えた。
「今度は俺たちから仕掛ける。」
らんはカードを握りしめ、静かに前を向く。
「望むところだ。」
「KINGは、誰にも負けない。」
その頃、遠くのビルの屋上では――。
黒いフードの人物が、本部を見つめながら不気味に笑っていた。
???「さあ、始めよう。」
「ボス暗殺計画を。」
コメント
3件
ぁ、読んだよ…「封印された過去」第9話。 いるまの過去が明かされて胸が苦しくなった。相棒を目の前で失った経験から、誰かと深く関わるのが怖くなってたんだね。でも、今の仲間たちが「一人じゃない」って言ってくれて、少しずつ心を開いてるのが伝わってきた。最後の襲撃シーンも緊迫感があって、続きが気になる…。 ゆあさん、重いテーマを丁寧に描いてくれてありがとう。いるまの過去と今の絆、どちらも大切に紡いでいるのが伝わるよ🤍