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若井side
_ガブッ
h「ひッッ…っ」
不意に目を閉じ、視界を遮る
歯が皮膚に噛みつく音、それと同時に流れる血の匂い、腹部あたりに生暖かい液体が滴り広がる感覚
俺が目を閉じる前の元貴の目は、 俺のことを抱きしめるがまるで狼みたいで、フォークにとっての本能なのか、また別なのかは分からないが、ケーキの俺にとって背筋が冷たくなるような目線で、こわかった
今にも俺を噛むんじゃないかと
でもちがう
h「いたく…なぃ…」
違和感を感じ瞼をゆっくりと開いて目の前の光景を確かめる
元貴は俺を噛んだんじゃない
自分の腕を噛んでいるのだ
h「もとき…ッなんで…ッ」
血が腕から滴り、俺の腹部にボタボタと落ちる。痛そうで唇が震える
h「もとき…ッそんな噛んだらッ_
m「だめッ!!」
俺が言い終わらないうちに、自分の腕を噛みながら声を張上げる
m「若井のこと…ッ噛みたくないっ!!」
h「…え…?…」
驚愕した。変に気を遣われたわけじゃないし、自分から拒否したわけじゃない、そして、自分の欲を抑えられたフォークを見たことがなかったから
m「若井に…ッつらぃ…思い、もうさせたくないのッ!」
h「…」
その血がぽたぽたと垂れている腕を見ていると、無性に泣きそうになる
堪えている分強い歯形が着いてしまうとふんだのか、俺にまたトラウマを植え付けないように、必死にこらえて、間一髪のところで自分自身の腕に噛み付いた元貴
h「…もとき。」
そう言い元貴の腕を口から離させる
m「ふーッ…ふ…」
ずっと耐え抜いている、夜の薬を飲んでいないから、おそらく甘い匂いがすごいのだろう
h「いいよ…俺のこと、噛んでいいんだよ?」
今、本当は噛みたいんだろう、すぐに齧り付いて、頭からつま先まで飲み干してしまいたい、そんなフォークの本能が元貴の目の奥で渦巻いているように見える
血が混じった唾液が元貴の口の端から溢れそうになっていて、 自分の体質のせいで元貴を苦しめている、その事実に申し訳なくなり、お詫びに噛むことを許した
m「…ぃやッ」
なんて優しいやつなのだろう、と思い、そっと元貴の背に腕を回した
h「…ありがとッ、ごめん、」
h「…だいすきッ」
次回、🔞要素あり
コメント
16件
自分の腕噛んだの!? 💙の事守りたかったのか!? でも最高なのはかわりない!!
ウワアアアアアアア かっこよすぎる…!
自分の腕を噛んだのか...!💙さんを傷つけないために...😭次回も楽しみです...