※短いです
祭りの帰り、俺はまろと共に帰路を歩く。
夏だから蒸し暑くて、肌が汗ばんでいるのが分かる。
いつも一緒に帰っている筈なのにどうしてこんなにも鼓動が高まるのだろうか。
お酒で酔いが回っているからだろうか?
それともまろが好きな人だから?
そんな考えが頭の中でぐるぐると巡る。
ドキドキする俺を後に少し前を歩くまろ。
…その姿はなんだか少し寂しくてもうちょっと一緒に居たいな、なんて思ってしまう。
俺は別れ道まろの浴衣の裾を掴む。
「……家まで送って欲しい…」
恥ずかしくて紅くなる顔を誤魔化す様に下に伏せる。
緊張と不安で手が震える。
「…ええよ笑」
一瞬の間があった後まろは俺に優しく微笑んだ。
俺はまろのそんな笑顔に更に顔の熱が増した気がした。
暗い部屋。
外ではぼんやりと月だけが輝いている。
「…………」
「…………」
送ってもらうだけだった筈が気が付けば俺の家に泊まる事になってしまっていた。
まろと俺は無言でひたすらに月を見ていた。
ベランダ腰に見る月は何処か遠く近く感じる。
横を見るとまろの整った顔立ちが目に入る。
…今なら、告白出来るかな…?
今限定の2人の時間。
思いを伝えるなら今が絶好のチャンスだ。
動け、伝えろこの思いを。
でも、俺がそんな風に思っても体の方はいっこうに動いてはくれなかった。
どうしよう。
どうしたら………。
あ、と俺はふと名案を思い付く。
そうだ全部お酒の所為にすれば良いんだ。
そうだ。
俺は先程まろと一緒にお酒を飲んだ。
まろは俺が酒に弱いを知っているからきっと分かってくれるだろう。
そうすれば何があっても全部後日お酒の所為で覚えていないと理由を付け誤魔化せば良い。
よし、そうしよう。
そう決め、何かがふっきれた俺の体はすぐに動いた。
「…まろ……」
「んー?何…ないこ?」
俺が名前を呼ぶと不思議そうに首を傾げるまろ。
俺はそんなまろの頬に触れキスをした。
「まろ、好き。好きだよ」
今までの思いを全て言葉にしまろに告げていく。
まろ俺の言葉に驚いた様に目を見開いた。
「ないこ……」
かぼそい声で俺を呼ぶまろ。
やはり、幻滅されてしまっただろうか。
嫌われてしまっただろうか。
まろの様子を見てそんな事を思う俺の考えは次の瞬間全てひっくり返された。
「…俺も好きやよ。ないこ」
まろはそう言い、俺を押し倒しキスをしてきた。
先程の俺とは違い長く甘いキス。
初めての長いキスは途中で息が苦しくなり涙で視界が霞む。
まろはそんな俺に浴衣の隙間から手を滑り込ませる。
「んっ…」
まろの冷たい手が肌に触れ自分では聞いた事がない高い声が口から漏れる。
「…可愛い笑」
まろはそんな俺を可愛いと言い次々に俺の体にキスをする。
これは夢、?
それともまろが酔ってるだけ?
上手く回らない頭で必死に考える。
……あぁ、でも今はそんなのどうでもいいか。
今俺はまろに触れてもらえているこの時間を感じてれば良い。
俺はそんな事を思いながらまろから一方的に与えられる快楽に溺れた。
コメント
2件
おおおくれましたぁ😭😭💕 コンテスト参加ありがとう 😭 ほんとなんか、甘酸っぱい青春書くの上手いし文才あるし天才 ッ✨🥺 桃くんも全部全部酔ってるせいって信じてないかん好きです 😽😽🫶🏻 ありがとう🥺🥺🥺💕