バスルームからは、シャワーの音とともに鼻歌が聞こえていた。
イタリアは、ふわふわとした気分で髪を拭きながら、全裸のまま湯気の中を歩いていく。
伊「ふぅ〜〜、さっぱりした〜……!」
身体から立ちのぼる湯気。頬はほんのり赤い。
バスタオルを取りに、脱衣所へ続く扉を開けた、そのときだった。
——ガチャ。
独「着替えを忘れてたんだ、悪い。タオルも——」
二人の視線が、バチンと交錯する。
次の瞬間。
伊「…………」
独「………………」
そこにいたのは、ドライTシャツとスウェットを片手に持ったドイツと、
何も身に着けていない、ピカピカツルツルの生まれたままの姿のお風呂上がりイタリア。
沈黙。数秒。
伊「……え、あっ、あっ、ちょっと……!」
イタリアはあわてて近くのバスタオルをつかみ、ばさっと体に巻きつけた。
が、それすらも間に合わなかったレベルで、ドイツの顔は真っ赤だ。
独「す、すまんッ!! お、おれは今のは、まったく、そういうつもりでは……!!」
伊「ちょっ、ドイツ、目、逸らして!! 見ないで〜〜!!」
イタリアはバスタオルを胸元で押さえながら、しゃがみ込む。
独「すぐ出る! 出るから!! あの、あれだ、何も、見てない、見てな——」
が、すでに遅かった。
伊「う、うわぁぁぁ〜〜〜〜ん!! よりによってドイツに……っ!」
イタリアの絶叫が、響いた。
***
その後。
イタリアは顔を真っ赤にしながら、リビングでフランスとイギリスの前に座らされていた。
仏「で、何があったの?」
伊「……ドイツに、見られちゃったんだよぉ……全部……!」
英「(紅茶ふいた)」
仏「ふふっ、あっちも動揺してたみたいだよ〜? 『顔合わせられない』って言って、今ベランダで頭冷やしてる〜」
伊「も、もうお嫁にいけないなんね……!」
英「ドイツさんの所に行く気満々だったくせに、何言ってるんですか」
仏「ま、これでますます進展するかもね〜? 映画みたいな展開だしぃ〜〜」
伊「む、無理……しばらくドイツの顔、見れないよ〜〜〜っ!!」
顔を真っ赤にしてうずくまるイタリアの背中を、
フランスは「青春っていいなぁ」と言いながら、優しくポンポンと叩いていた。
コメント
9件
一気読みさせていただきました!純粋な恋愛してるドイイタが尊いし、所々フライギあって至高の領域に近くなりました꒰ঌ(っ˘꒳˘c)໒꒱朝から元気が出そうです!ありがとうございます!
なにこれかわいいの塊かな、あと口角が宇宙越えたんですけど(?)どうすればいいですか?
あらやだ尊い♡(トイレ中)