合気道部の道場を覗いていた龍之介は、部員の女生徒たちに見つかり囲まれてしまう。
そこに助け船を出したのは、銀髪ショートのボーイッシュな美少女アイリだった。
窮地を脱した龍之介は立ち上がるが、その際に股間のテントが部員たちの前に突き出されてしまった。
覗きが冤罪ではなく、真実だと判明した瞬間だった。
アイリに「失望した」と言われる龍之介だったが、彼は彼女を引き留める。
そして、決闘を申し込んだ。
「龍之介……正気なの? これでも、ボクは合気道部の部長だよ?」
アイリが、龍之介に向かって言う。
「ああ、そうだ。俺はいつでも正気だ」
「そうは見えないけど……。それで? ボクに決闘を申し込むのはいいけどさ、その目的はなに?」
2人は、改めて道場の中央で向かい合った。
そんな2人を、他の部員たちは興味深げに見ている。
「俺が勝ったら、俺を覗き疑惑を撤回してもらおう」
「疑惑も何も、真実だと思うけど……」
「それに加え、お前には野球部に入ってもらう。部長として簡単に抜けるわけにもいかないだろうし、兼部でもいいぞ」
「へぇ……」
アイリの目が、スゥっと細められる。
「君は、ボクに野球をやれと言うのかい? 君といっしょに?」
「そうだ」
「……分かったよ。どうせ、勝負の結果は見えているしね。それで、君が負けたら?」
「覗き疑惑の認知は言うまでもないが……そうだな」
龍之介は少し考える。
そして、答えた。
「アイリが望むことを、1つ何でもしてやろう」
「なんでも?」
「できる範囲でだがな」
そんな龍之介の言葉に、アイリは一瞬だけキョトンとした表情をする。
そして――
「……言ったね? もう取り消しはきかないよ?」
「男に二言はないさ」
自信満々に言う龍之介。
そんな龍之介に、アイリは不敵に笑う。
「分かったよ。勝負だ」
2人は、互いに対峙した。
そんな2人の決闘を、他の部員たちが興味深げに見ている。
「では……」
審判役を買って出た1年生の女子が手を上げる。
そして――
「試合開始!!」
「はぁああああっ!!」
宣言と同時に、龍之介がアイリに向かって突進する。
そして――!
「ふぎゃっ!?」
あっという間に投げ飛ばされてしまった。
龍之介は、ゴロゴロと床を転がり壁に激突して止まる。
「部長のボクに、素人の龍之介が勝てるわけないでしょ?」
アイリは、何事もなかったかのように言う。
「ま、まだまだだ!!」
龍之介が立ち上がり、再び突撃する。
今度は――!
「ほりゃっ!」
「……見え見えだよ」
一度は回避するも、すぐに足を払われて転倒してしまう。
倒れた龍之介の腹に、アイリがストンと座る。
「ぐえぇええっ!」
カエルが潰れたような声を出す龍之介。
そんな彼に――
「ま、素人にしては健闘した方かな? なかなか面白かったよ」
アイリは、余裕たっぷりに言う。
この試合の様子を見て、他の部員たちがざわつき始めた。
「な、何あの男……!?」
「素人のクセに、根性だけはあるじゃん」
「でも、さすがに部長が圧勝かな……」
そんな声が囁かれる。
いくら根性があっても、部長に勝てないのは当然だろう。
勝負は決した。
そんな空気感の中、アイリが言う。
「さぁ龍之介。もう気が済んだでしょ?」
「……」
しかし、龍之介は反応しなかった。
沈黙している。
「ん? 龍之介?」
アイリが、少しだけ困惑したように首を傾げる。
そんなアイリに――
「まだだ……勝負はこれからだぜ……」
龍之介が言う。
その目はまだ死んでいない。
「へぇ、まだやるの? でも、この姿勢からどうするつもり?」
「根性で、お前に勝つ……」
「根性って……そんなので勝てたら、苦労しな――えっ!? 力が……強くなってる!?」
アイリが驚く。
ここまでの試合で感じた力より、明らかに強くなっているように思えた。
「う、うおおぉおお! 俺は負けないぞぉおおお!! このお尻の感触があれば、百人力だ!!」
そんな龍之介の雄叫びと共に、彼のパワーが増していく。
アイリが龍之介の上に乗ったのは、失策であった。
彼は、エロパワーによってパワーアップしていたのである。
「う、うわぁああ! 変態変態! 痴漢痴漢痴漢――!!」
アイリが叫び、龍之介を振り払おうとする。
そんなアイリにしがみつき、龍之介は言う。
「さぁ、勝負の後半戦を始めようぜ!!」
「くっ……! なんてパワーなの!?」
組み合ったまま、道場の中をゴロゴロと転がる2人。
パワーを増した龍之介によって、アイリは不利な状況に追い込まれていた。
そして――
「ぐへへ……! さっきとは、上下が逆転したなぁ! アイリ!!」
「ひっ……!? くうぅ……!!」
龍之介がマウントポジションを取り、アイリを押さえつける。
彼はアイリの両手を右手で掴み、頭の上で押さえ込む。
そして――
「おっぱいが丸見えだな! うひょー!! やわらけー!!」
龍之介は左手でアイリの道着を開く。
彼は揉みしだくように、アイリのおっぱいをまさぐり始めた。
「きゃぁあああああ!?」
さすがのアイリも、これには悲鳴を上げた。
試合にかこつけた、完全な痴漢……あるいは強制わいせつ行為である。
「どうだ! 悔しいか!? 俺にこんなことされて、悔しかろう!! さぁ、負けを認めろぉおおおお!!」
暴走状態の龍之介である。
そんな彼に向かって、アイリは為す術もない。
龍之介の勝利かと思われた、その時だった。
「アイリ先輩に何してるんですか!!」
「これだから男は!!」
「部長の、おっぱいを……! この変態!!」
「天誅です!!!」
そんな声が響き、部員たちが龍之介に向かって襲いかかる。
彼はアイリから引き剥がされ、フルボッコにされていく。
残されたアイリは、顔を赤らめながら……
「龍之介のバカ……」
そんな、可愛らしい悪態をついたのだった。
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