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side.涼架
「はぁっ、はぁっ、はぁっ、、、!」自分の乱れた吐息の音。
容赦なく体に打ち付けてくる重たい雨粒の感触。
体がガクガクと震えて、情けなさと罪悪感に涙を零し、心の中で”許して”と、必死に叫ぶことしか出来ない自分が情けない。
電柱のオレンジ色の光が灯る暗い路地の曲がり角を曲がろうとした時、体がグラッと揺れて足の力が抜けるのを感じ、壁のほうによろける・・・!
「大丈夫ですか?」
その時、僕の周りだけ雨が止んだ。
肩を抱かれて体が支えられているのに気付くと、ふわっと甘い香水が香り、ビニル傘特有の独特な匂いが鼻を刺激する。
苦しかった息が、一気に楽になった。
(なんだろ、凄く安心する香り。)
To be continue…