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【アラスターside】
―――あの時。
〇〇の振るった刃が俺の肩を切り裂いたとき。
〇〇『“――――た、すけて・・・・・・”』
アラスター『・・・・・・!!』
ほんの一言、その一瞬俺にだけ聞こえた小さな声。
至近距離で交わった視線は、確かによく知る〇〇本人のものだった。
ここまで追い詰められてようやく彼女が零した、ほんの小さなSOS。
アラスター『“まったく・・・遅いんですよ”』
もっと早く助けを求めることができたなら、もっと違う”今”を迎えられただろうに。
だが、それでも――――
アラスター「やれやれ・・・たいした人ですね、貴女は」
あのマインドコントロールから自力で抜け出せた悪魔など、見たことがない。
ほんの僅かな一瞬ではあるが、彼女はそれをやってのけたのだ。
―――抗っている。
彼女は今でも、俺のよく知る彼女のままだ。
アラスター「それならば、返していただきましょうかねぇ・・・」
あの時助けを求めてきたあの悲痛な表情が、胸の中をざわつかせる。
他人の心情など大して気にも留めてこなかったはずが、どうにも胸に引っかかる。
アラスター(鬱陶しい・・・この感情がなんなのか、そんなこと今はどうだっていい)
彼女が、あそこにいることを望まないのなら。
――――俺自身が、彼女がここにいる事を望むのなら。
アラスター(・・・取り返してみせるさ)
俺自身の望みのために。
――――俺のやることは、決まっている。