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お母さんの声で目が覚める。
僕達の使命は、この特別教育部の施設から出て国のために命をかけること。優秀な人材が手に入ればお母さんには高額なお金が入る。
そしてお母さんはみんなに好かれている。正確には、優秀な子には特別な部屋や食事が支給される。それを決めるお母さんに媚を売っておけばいいということだろう。
僕は身体能力が高く、成績も良かった。だから僕は、ここに残るか、ここを出て国のために命をかけるか選ぶ権利があった。だから僕は、「もう少しここにいたい、絶対お母さんの期待にそえるようにするからさ」と言った。
僕の名前は優希。お母さんの子になってから10年になる。お母さんは、施設の人で、僕を暗闇から連れ出してくれた人だ。
僕は物心ついた頃から一人だった。スラムみたいなところで暮らしていた。そして、その頃の僕の主食は人間だった。血は水分に。ほかは栄養になる。だから僕は、五歳までスラムで生きることができた。だけど、子供だからといって、人を殺してはならない。僕が人を殺していたところを見ていた人が通報した。僕は殺した人が多かったから、死刑が判決された。だけどたまたま通りかかったお母さんに拾われた。そしてお母さんは「この子はうちの施設で預かります。この子を国のためになる人に育て上げます」と頭を下げた。そしてその日から僕は施設で暮らした。
お箸の持ち方とか、僕にはわからないものが多かったから、お母さんは僕につきっきりでいろんなことを教えてくれた。昔一度だけ聞いたことがある。「どうして、ぼくにここまでしてくれるの?」と。お母さんは答えなかった。少しの沈黙。けれどそこにもお母さんの優しさを感じた。僕は、お母さんのために頑張りたい。僕はお母さんの笑顔を見るために今日も頑張るのだ。
僕の力ももう成長しないとわかった頃から、お母さんと話しづらくなった。でもお母さんは普段通り接してくれた。でもお母さんの笑顔も声も聞くのも辛くて、僕は決意した。
「あのね、お母さん。僕この施設を出たい。」
お母さんの悲しそうな顔を忘れられない。でもお母さんは優しい声でいった。「あなたの決めたことなら応援する」と。そして僕は一週間後にここを出ることになった。
1週間後
「10年間ありがとうございました。」と言ってその場を去った。いや、さろうとしたその時だった。
「まって!!!」お母さんの叫び声が聞こえた。止まりたかった。けど、ここで止まってしまったら、僕の決意はゆるいでしまうからこのまま去ろうとしたときだった。
『あなたのご両親について話があるの!!!!』